芸人界で大注目！「働くと売れるバイト先」を経営する意外な人物

『モグライダー』ともしげ、『真空ジェシカ』川北、チャンス大城…… いまをときめく芸人たちは、実は同じ職場で働いていた

2022年09月18日

今、芸人の間で”働けば売れる”と話題のバイトがある。昨年のＭ-１ファイナリスト『モグライダー』のともしげ（40）や『真空ジェシカ』の川北茂澄（33）、チャンス大城（47）らが働く人材派遣会社『ＺＯＮＥインターナショナル株式会社』。率いるのは、元ＷＫＡムエタイ世界ライト級王者の小林さとしさん（50）だ。

チャンス大城（47）

自身のSNSで度々作業風景をアップしていたチャンス大城。飲み会にもよく顔を出しては酒席を盛り上げるなど、中心的な存在だ

’88年のデビューから’07年の引退まで日本キックボクシング界を牽引してきたレジェンドは、いかにして「売れるバイト」の社長になったのか。キッカケは全日本キックボクシング連盟の解散だった（以下、カッコ内の発言は全て小林さん）。

「’09年、ＧＭとして関わっていた連盟が潰（つぶ）れたんです。途方に暮れていたところ、知り合いが今の仕事を紹介してくれて、そのまま会社を譲り受けたって感じです。仕事内容は造園業ですが、基本、なんでも屋みたいな感じですよ。花見のゴミ掃除や、公園の雑草むしりもやります」

親交のあるピン芸人のＫＩＣＫ☆（42）を採用して以降、芸人が増えていった。現在のアルバイトは20人強。約６割が芸人だ。川北やチャンス大城は７～８年前から、ともしげは５年前から所属する。

「今は３人とも忙しくてシフトには入れませんが、籍は残してあります。チャンスはとにかく現場を盛り上げてくれる。ネタを見たいっていうと、テレビでもないのに全力でやってくれるんですよ（笑）。もちろん仕事もしっかりやってくれます。人手不足のときに、チャンスが自分のＳＮＳで募集をかけて人を集めてくれたこともありました。感謝しかないです。

川北は真面目。どんな仕事も文句一つ言わずに淡々とこなすから、現場の担当者にもよく可愛がられていますね。寡黙ですが、何事にも妥協しないヤツですよ」

一方で、苦労したのはともしげだ。

「アイツは遅刻の常習犯。ある時、朝の集合時間に当たり前のように遅刻してきた後、休憩時間に仮眠を取りに帰ったら、昼の始業時間にも遅刻して。『１日に２回も遅刻するヤツがいるか！』って怒ったんです。コロナで舞台もなく、また私生活でも婚約などが重なった時期だったようで、中途半端じゃまずいと思ったんでしょうね。それからはどんなに遠い現場でも30分前に来るようになりました」

それにしてもなぜ、小林さんのバイト先からは次々と売れっ子が生まれるのか。背景には自身の下積み経験があった。

「俺も格闘技を始めて最初の10年くらいはバイトと競技の掛け持ちでした。急な仕事でバイトに行けないのはよくわかる。だからウチは本業優先。仕事が入れば『なんとかするから、行ってこい』って送り出します。あと年２回はみんなでキャンプに行きます。飲み会も多く、情報交換の場としていいみたいですね。ウチで働いたから売れたとは思いませんが、そういうのはプラスなのかな。

最近、嬉しかったことがあって。今年の６月、ともしげに会ったときに、突然『今の活躍は小林さんのおかげですよ』って言ってきたんです。まぁ、社交辞令でしょうけど（笑）。ただ、あのともしげがこんなことを言えるようになったのかと、少しグッときましたね」

「シフト作成が大変！」とボヤきながらも、笑顔で芸人たちの話をする小林さん。今後もスタイルを変えるつもりはない。

「これからも誰かが羽ばたいていくのを間近で見ていきたいですね。今期待しているのが『ジャパネーズ』ってコンビ。仕事も真面目だし、ネタもすっごい面白い。早く売れてくれねぇかな～～」

今をときめく芸人たちの活躍のウラには、”名トレーナー”として彼らを支える小林さんの存在があったのだ。