神戸&池田組&絆會「反・六代目山口組連合」誕生の切実内部事情 | FRIDAYデジタル

神戸&池田組&絆會「反・六代目山口組連合」誕生の切実内部事情

追い詰められた3組織が連携を組んだ

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池田組・池田組長(右)は井上組長(左)らと共に神戸山口組を設立。’20年に一度袂を分かっていた
池田組・池田組長(右)は井上組長(左)らと共に神戸山口組を設立。’20年に一度袂を分かっていた

「きっかけは、8月下旬に決まった寺岡修若頭の神戸山口組からの脱退でした。寺岡さんは分裂抗争を終わらせようと、去年から全国各地の有力組織のトップと会談を重ねていた。当然、神戸山口組が池田組、絆會と同盟を結ぶことにも強硬に反対していました。しかし結局、『絶対に引退も解散もしない』としている井上邦雄組長と話がまとまらず、寺岡さんは脱退。そこから一気に連合の話が進みました」(神戸山口組関係者)

組むはずのない3者が手を組み、ヤクザ界が騒然としている。

9月8日、兵庫県稲美町にある神戸山口組・井上邦雄組長の別宅を岡山の独立組織・池田組の池田孝志組長が訪問、対等な親戚関係を結んだ。池田組と絆會の間には「運命共同体」と言われるほど強固なつながりがあるため、実質的な3者連合が形成されたのだ。

神戸山口組、池田組、絆會のトップは、もともとは同じ神戸山口組だった。しかし’17年に絆會の織田絆誠代表が、「井上組長は六代目以上にカネの亡者」と痛烈に批判し脱退。それに対し、神戸山口組のヒットマンが織田代表のボディガードを射殺するなど、その関係は修復不可能と見られていた。

「神戸山口組結成後、池田組は若頭を六代目山口組側に射殺されている。しかし、神戸山口組は何ら返し(報復)をせず、井上組長と池田組長の間にはわだかまりが残ったと言われています。その後、’20年に池田組は神戸山口組から離脱しています」(全国紙社会部記者)

さまざまな因縁を乗り越えて同盟を結び、いざ六代目山口組への反撃か――。しかし、内部にそこまでの盛り上がりはないという。

「六代目山口組への返しが始まる? 現実的には厳しいでしょうね……。同盟関係を結んだと言っても、具体的にどうやって連携するかは決まっていない。とにかく、協力して守りを固めようということです」(前出・神戸山口組関係者)

連合結成の裏には、神戸山口組の切実な内情があったようだ。

「組員は減少する一方で、六代目山口組側からの襲撃にも何ら返しができないのが現状です。抗争終結に向けて動いていた幹部も寺岡若頭だけではなく、内部は揺れていました。さらには、井上組長に関係する物件に対して所有権移転を求める裁判まで起こされていると報じられている。これは、井上組長にカネ詰まりを起こさせようという六代目側の工作と見られています。そんななか、神戸山口組の入江禎副組長が動き、池田組と話をまとめた。怨讐を超えてと言えば聞こえはいいですが、『六代目側には戻らない』としている3者で何とか生き残りを図るために手を組んだということです」(別の神戸山口組関係者)

とはいえ、膠着状態が続いていた分裂抗争に大きな動きがあったことには間違いない。今後、抗争はどのような展開を迎えるのか。暴力団情勢に詳しいノンフィクション作家の溝口敦氏が語る。

「分裂抗争の早期終結を目指す高山清司・六代目山口組若頭からすれば、喜ばしい情勢ではない。司忍組長は80歳という高齢ですが、代替わりするためには抗争を終わらせて綺麗な状態で『次の代に譲る』という形にしたい。そのためには神戸山口組がギブアップしなければならないのですが、池田組・絆會との同盟によって一時期よりは支援体制が整ったのは間違いない。六代目山口組による攻撃は続くでしょうが、抗争は10年以上の長期間に及ぶ可能性もあります」

「反・六代目山口組連合」によって、分裂抗争はさらに長引くことになりそうだ。

井上組長のもとに戻ることはないと見られていた絆會・織田代表も、実質的に連合に加わった
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今年6月、新横浜駅に現れた司組長(中央)と高山若頭(杖姿の人物)。「連合」への今後の対応が注目される
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『FRIDAY』2022年9月30日・10月7日号より

  • PHOTO朝井 豊(1枚目) 濱﨑慎治(3枚目)

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