関東で総降水量500ミリ超の可能性! 「いますぐやるべきこと」 | FRIDAYデジタル

関東で総降水量500ミリ超の可能性! 「いますぐやるべきこと」

【台風14号】池田沙耶香の最新気象アラート

  • Facebook シェアボタン
  • X(旧Twitter) シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン

【台風14号】関東は「連休最終日(月)」と「連休明け(火)」の通勤通学に影響大! 

現在予想されている雨の量は、19日(月)の夕方までの24時間に関東南部の多い所で200ミリ。その後台風14号の接近にともない更に雨が強まる予想で、20日(火)の夕方までの24時間に関東南部で300ミリの雨が降るおそれがあります。

台風14号が大型で接近前から雨が強まり影響が長引くと予想され、降り始めからの雨量がかなり多くなるおそれがあります。

また、台風接近前から大気の状態が不安定となり、関東地方も予想を上回る雨が降って河川の水位が上昇した所があります。

平年、東京の9月1ヵ月間に降る雨の量は224.9ミリで、今回は関東南部でそれ以上の雨が一度に降ってしまうおそれがあります。土砂災害や低い土地の浸水、河川の氾濫に警戒が必要です。

2022年9月18日 16時9分 気象庁 発表
2022年9月18日 16時9分 気象庁 発表

大型で非常に強い勢力の台風14号 過去最強クラスの勢力で九州へ 関東への影響は? 

大型で非常に強い勢力の台風14号。18日13時半頃、中心気圧は930hPaで、屋久島付近を通過しました。

17日昼前に行われた気象庁の会見では2018年に大阪湾でタンカーの衝突事故が起こった台風21号より強い勢力での接近となる予想で、近年類似する台風を探すのが難しいくらいだと話しました。

また、17日夜には九州で初めて鹿児島県に「台風を要因とする特別警報」が発表されています。

関東へ近づく頃には、今より勢力が衰えてきていますが、最新の予想では20日(火)の関東陸上での最大瞬間風速は30~40メートル。暴風域を伴ったまま関東に近づく予想となっています。

また、台風中心が予報円の真ん中を進む場合、関東地方は台風進行方向の右側「危険半円」と呼ばれる風の強まりやすい場所にあたります。大雨だけでなく、暴風やそれにともなう高波にも警戒が必要となりそうです。

関東は連休最終日と連休明けの通勤通学に影響大! 停電にも注意 

今回の台風14号は3連休中の日本列島を縦断、新幹線の計画運休など広範囲に影響が出ています。関東は連休最終日の敬老の日、また連休明け火曜日に雨と風のピークを迎える事になりそうです。特に火曜日の通勤・通学時間帯は最大瞬間風速30~40m/sという「何かにつかまっていないと立っていられない程」の非常に強い風が予想されています。

また、暴風警報が発表されている場合に休校となる学校が多いので、最新の気象情報と交通情報をこまめに確認しておく必要があります。

2022年9月18日 16時9分 気象庁 発表
2022年9月18日 16時9分 気象庁 発表

関東で「3日間に300ミリ」の雨が降った事例…2021年・神奈川県平塚で大規模冠水に

2021年7月、梅雨前線によって神奈川県平塚市では7月1日68.5ミリ、2日105.5ミリ、3日169.5ミリと、3日間で343.5ミリの大雨に。金目川の土手が一部崩落。大規模冠水が起こり、川の周辺地域に住む約8万9000世帯、約20万人に「緊急安全確保」が発令されました。

大雨では川の氾濫も心配ですが、下水管の対応能力を超えた場合、道路への冠水にも注意が必要です。都内の雨水は下水管を通じて排水されますが、対応能力は1時間に50ミリ。それ以上の雨が降った場合は、排水能力が追いつきません。それによって下水があふれ、道路が川のようになり、半地下の駐車場などが浸水する可能性もあります。 

1時間に30ミリ以上の雨が降ると、車の高速走行でブレーキの効きが悪くなり、50ミリを超えると土砂災害の恐れも高まります。地下への浸水やマンホールから水が噴き出すこともあり、注意が必要です。

「最大瞬間風速30~40m/s」の暴風とは

また、今回の台風で関東地方には最大瞬間風速30~40m/sの暴風が吹くと予想されていますが、高速道路など風速20m/sから通行止めになることが多く、JRの場合は、風速20m/sから速度制限を行い、25m/s を超えると運休になります。高速バスや路面バスは風速30 m/sで運休します。

2019年に発生した台風15号は、千葉県で最大瞬間風速57.5 m/sを記録。送電鉄塔が倒壊し、約93万戸に大規模停電が発生しました。最大瞬間風速が40 m/s になると停電が発生するという分析結果もあり、停電にも注意が必要です。

最大瞬間風速40m/s以上で停電が多発した2019年の台風15号。東京電力によると約93万戸の大規模な停電が発生した。写真は千葉県木更津市(写真:アフロ)
最大瞬間風速40m/s以上で停電が多発した2019年の台風15号。東京電力によると約93万戸の大規模な停電が発生した。写真は千葉県木更津市(写真:アフロ)
写真は江戸川区。停電が多発した千葉市では最大瞬間風速57.5m/sを記録した(写真:アフロ)
写真は江戸川区。停電が多発した千葉市では最大瞬間風速57.5m/sを記録した(写真:アフロ)

【前日まで】ハザードマップを定期的にチェック。注意報が出たら早めに準備を 

ハザードマップをチェックして、住んでいるところ、勤務地、子どもの学校がどのような危険があるのか、把握しておくことが大事です。ハザードマップは随時更新するので、定期的に確認するようにしましょう。災害の危険がありそうだったら、避難場所、避難ルートを確認しておくこと。

雨がひどくならないうちに、以下のことをチェックしておきましょう。

  • □排水溝や雨どいが詰まっていないかチェック
  • □2~3日分の食料や水を用意
  • □電池、バッテリー
  • □車のガソリンを満タンにしておく
  • □懐中電灯の電池が切れていないかチェック
  • □ラジオ(スマホの充電をできるだけ使わないために、情報を得る手段は複数用意)
  • □現金(停電になったら、電子マネー・クレジットカードは使えなくなる)

【当日】「警戒レベル3」になったら避難を考える

気象庁では大雨による中小河川の洪水災害発生、土砂災害の危険度の高まりを5段階に色分けして地図上に示した「キキクル」を発表しています。

気象庁からの情報に基づき、市区町村から避難指示が出されます。「警戒レベル3」が発令されたら、高齢者、障がいのある方、乳幼児など避難に時間がかかる人たちは支援者とともに避難、「警戒レベル4」になったら、全員が避難するようにします。

「避難=外に逃げること」ではありません。浸水しそうなときは家の2階以上など、安全な場所を決めておき、危険が迫ったら、すぐ動くようにしましょう。命を守る行動をとることが大事です。

「キキクル」と市区町村からの情報、両方をチェックして、とるべき行動を考えましょう。

【豪雨中、気をつけること】 

  • ■川や海、崖、アンダーパスに近づかない。
  • ■出歩くときは長靴を避ける(長靴の中に水が入って歩きにくくなることがあります)。
  • ■出歩くときは傘や杖などを持っていく(マンホールの蓋が浮いて落ちることがあります。傘や杖などで探りながら歩きましょう)。

避難所に避難した場合、戻るタイミングも大切。ピークが過ぎて地盤がゆるんだところが崩れる可能性があります。崖近くにお住まいの方などは、自治体の避難情報も随時確認するようにお願いします。

池田沙耶香 広島県出身。2015年に気象予報士資格を取得。「あさイチ」(NHK総合)、「ジェーン・スー生活は踊る」「たまむすび」「荻上チキ・Session」「5時のニュース・天気予報」「蓮見孝之 まとめて!土曜日」「土曜ワイドラジオTOKYO ナイツのちゃきちゃき大放送」(TBSラジオ 火・土)で気象情報を提供している。

  • 取材・文中川いづみ

Photo Gallery6

FRIDAYの最新情報をGET!

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事