英ロンドン動物園「年に一度の身体測定」笑撃写真
肉で釣ったり、オリジナル器具を作ったりと、 アノ手コノ手で飼育員が800種と悪戦苦闘
定期的な身体のチェックが健康維持に欠かせないのは、動物も同じ。
8月25日、イギリスにあるロンドン動物園では、毎年恒例の動物たちの身体測定が行われた。同園は、ロンドン動物学協会によって経営されており、約195年前に開園した世界で最初の科学動物園。科学的研究のために動物を収集しておくことが主目的とされ、市民に向けて一部の動物が一般公開されている。
現在、800種以上1万9000余りの動物が飼育されており、毎年この時期に身体測定が行われているのだが――。サイズも習性も好物もバラバラで、落ち着きのない動物が相手とあって、飼育員らが悪戦苦闘する姿が風物詩となっている。エサでおびき寄せる、オリジナルの器具を作製するなどの工夫を凝らし、1週間かけて、身長や体重を測っているのだ。
例えばトラの場合、2m超の特製定規を木の前に置き、その上にエサである生肉を置く。トラは生肉を食べるため、全身を伸ばしてジャンプ。木登りが得意なトラが木にしがみついている間に体長を測定する。普段から彼らに接する飼育員ならではのアイデアだ。
こうして得られた最新のデータは「動物情報管理システム」にアップされる。このデータは世界中の動物園と共有され、何千種もの絶滅危惧種の繁殖や飼育法の研究に活用されている。
なんともユーモラスな光景だが、動物たちの未来を守るために欠かせない取り組みなのだ。




『FRIDAY』2022年9月30日・10月7日号より
PHOTO:アフロ