日大新体制が始動…”田中の側近”の豪邸が「仮差押さえ」された | FRIDAYデジタル

日大新体制が始動…”田中の側近”の豪邸が「仮差押さえ」された

記者会見で「ちょっとびっくりするようなことをしてみたい」と日大改革に意欲を見せた林真理子新理事長。ドン・田中らへの損害賠償請求へ向けた、水面下での動きをキャッチした

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ラフな服装で外出する田中前理事長(今年4月撮影)。前理事長体制からの完全脱却ができるか、林新理事長の手腕に注目が集まっている
ラフな服装で外出する田中前理事長(今年4月撮影)。前理事長体制からの完全脱却ができるか、林新理事長の手腕に注目が集まっている

「『実戦部隊』がどういうことをしていくかまだ言えませんが、チームでちょっとびっくりするようなことをしてみたいと思っています」

6月3日、日本大学の新理事長に決定した作家の林真理子氏は、記者会見で「日大再生」にかける意気込みをこう語った。

「日大のドン」田中英寿前理事長の「田中体制」からの脱却を目指し、様々な改革の真っ最中にある日本大学。林新理事長は、理事24人のうち9人に女性を登用するなど、新たな取り組みを次々と始めている。そんななか本誌は、林新理事長が進める「ちょっとびっくりするようなこと」の一端と思われる改革の一手を独占キャッチした。

日大板橋病院の建て替え工事や医療機器導入をめぐる背任容疑で、井ノ口忠男元理事が逮捕・起訴され、田中前理事長が約5200万円の脱税で所得税法違反に問われた「日大事件」。その影響は予想以上に大きく、「日大ブランド」の失墜にとどまらず、日大を「存亡の危機」にまで追い込んでいる。

「田中前理事長は控訴せず一審が確定(懲役1年・執行猶予3年、罰金1300万円)。一方、井ノ口元理事は起訴内容を争う姿勢を見せています」(全国紙司法クラブ記者)

初公判の日程は決まっていないが、「田中理事長の最側近」と呼ばれた井ノ口元理事が法廷に立てば、日大は再び世間の注目を集めるだろう。

「林さんが理事長に選ばれたのは、その知名度に加えて、田中体制とは何のしがらみもないことが大きい。日大は昨年12月の臨時理事会で、田中氏、井ノ口氏に損害賠償請求を行う方針を決定。今年4月に文科省に提出した再発防止策でも損害賠償請求の理由を詳細に説明し、両氏の『影響力の完全排除』を改めて明言しています。しがらみのない林さんなら、実行できると判断したのでしょう」(前出・日大元理事)

4月の再発防止策に続き、8月には、最高検元次長をトップにした「不正洗い出しの特別調査委員会」も設置している。日大は、両氏の責任の所在を徹底して追求していく方針だ。

いまだ損害賠償請求の決定はなされていない。だがどうやら、損害賠償請求に向けて水面下ではすでに布石を打っていたようだ。井ノ口元理事の自宅に、日大が「仮差押」をつけていたのである。

元理事の自宅は、関西地方屈指の高級住宅街である兵庫県芦屋の一角に位置する3階建ての豪邸だ。

「自宅ガレージには、フェラーリ、ポルシェなどの高級スポーツカーが並んでいるといわれています」(日大OB)

登記簿を確認すると、日大を債権者として東京地裁が「仮差押」命令をつけたのは今年8月15日となっている。

「これから行う損害賠償請求にそなえて、本人名義の物件に先手を打ったのでしょう。名義替えをされたら、法的には『仮差押』は難しくなります。日大の本気度を感じます」(同前)

本人名義物件に「仮差押」をつけて転売を防ぐ戦略、と言えるだろう。

本誌は、井ノ口元理事の自宅に「仮差押」をつけた理由や井ノ口・田中両氏に対する損害賠償請求の金額、提訴の時期などについて日大に取材。日大広報部は次のように回答した。

「現在、損害賠償請求については、調査及び準備を進めておりますが、詳細についてはお知らせすることはできません」

前出の日大元理事は、今後の展開にこう期待を寄せる。

「5期13年にわたって大学を私物化してきた田中理事長とその側近である井ノ口元理事らが収奪した金額は、数十億円では利かないというのが私たちの見方です。損害賠償の金額がいくらになるのかわかりませんが、いくら『仮差押』をつけても全額取り戻すのは難しい。しかし、彼らにカネを出させ、事件の責任の所在を明確にする。それが、完全決別につながるし、日大再生の真のスタートになると思います」

「まともな人間がまともなことをすれば、きっとこの大学は再生できると信じております」

記者会見での、林新理事長の熱い思いを伝える発言だ。その手腕に期待したい。

田中前理事長の夫人が経営する東京・阿佐ヶ谷のちゃんこ店。夫人名義のためかこちらには「仮差押」はついていなかった
田中前理事長の夫人が経営する東京・阿佐ヶ谷のちゃんこ店。夫人名義のためかこちらには「仮差押」はついていなかった
  • 写真蓮尾真司

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