「船橋屋」社長辞任の裏側で社員に送られていた「一通のメール」 | FRIDAYデジタル

「船橋屋」社長辞任の裏側で社員に送られていた「一通のメール」

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衝突事故騒動を起こした『船橋屋』の渡辺雅司氏(撮影:朝日新聞社)
衝突事故騒動を起こした『船橋屋』の渡辺雅司氏(撮影:朝日新聞社)

〈疑いたくはありませんがお客様に扮してメディア担当者が取材している可能性もございます。お客様に失礼に当たらないように対応しつつも本件に関してコメントしないことが重要です。仮に私見であったとしても就業中の回答は『船橋屋』としての見解として報じられる可能性があります〉

これは「元祖くず餅」を販売する創業217年の和菓子屋『船橋屋』が、社員宛に送ったメールの一部である。

『船橋屋』渡辺雅司社長(58)が運転する車が乗用車に追突、相手方のドライバーに対して「てめえ、なに曲がってきてんだよ」などと恫喝し相手方の車を蹴飛ばす動画がSNS上で拡散された。

9月27日には会社が声明を発表し、事実関係を大筋で認めた。28日には渡辺氏自身から辞任の申し入れがあり、受理する方針だと発表。大騒動に発展している。

今回事故を引き起こした渡辺氏は8代目として2008年に社長に就任後、多数のメディアに出演。「敏腕社長」として注目を集めてきた。20年5月、経済誌『週刊エコノミスト』の取材を受けた渡辺氏は、自身が社長に就任した当時の状況について以下のように語っている。

〈清潔感のない髪形をしたスタッフが何人もいて、元銀行員の自分には受け入れられませんでした。(中略)自分の強硬なやり方に職人も反発し、気づいたら8割が辞めていました。私は「自分のやり方が正しい」と信じていたし、「お前らはダメなんだ」としょっちゅう罵倒していて、周りから見たら「暴君」だったでしょうね〉

さらに、自身の社員への態度を改めることとなったきっかけについてはこう語った。

〈(コンサルタントから)「いい会社を作ろうと思うなら社員に『あんたら』とか『あいつら』とか言うのをやめた方がいい」と言われてハッとしました。一生懸命働いてくれているスタッフを上から目線で見下ろしているような経営者じゃ会社は良くならない。「俺ってダメな経営者だな」と痛感させられたんです〉

だが、社内の環境はあまり変わっていなかったようだ。船橋屋の現役従業員が語る。

「正直、以前からパワハラ体質など、会社の問題は数多くありました。現に船橋屋には労働組合もありません。今回の社長の騒動がきっかけかははっきりしませんが、26店舗のなかで6名の店長クラスの社員が辞めると聞きました」

この騒動の中、会社から船橋屋の社員に向けて一通のメールが一斉送信された。

〈既に周知の通り、渡辺社長が起こした交通事故の件でインターネット上を中心に数多くのご指摘を頂いております。

既に事故の相手方とは和解・示談に至っておりますが、事故及び事故現場での不適切な言動は概ね事実であり、皆様にはご心配とご迷惑をおかけしますこと、お詫び申し上げます〉

社員に対して謝罪したのち、メールは冒頭の〈お客様に扮してメディア担当者が取材している可能性〉について触れ、”対応策”に話題を移した。

〈ご心配をおかけしていることをお詫びの上で、ご提供するサービスは従来どおりである旨をお伝えください。その上で、自身が詳細に回答できない旨をお詫びしてください。

本社にて対応している旨をお伝えいただき、くれぐれもみなさまが直接ご対応されることのないよう、お願いいたします〉

情報の漏洩やさらなる炎上に繋がらないように…という点にばかり汲々としているように映る。

本誌が船橋屋に対し事実確認をおこなったところ、「社内向けの文章が外部に漏洩しているとのことで、誠に遺憾ではございます」としながらも、メールの文面が社内向けに送信されたものであることを認めた。

また「26店舗中6人の店長クラスの社員が辞めるというのは本当か?」との質問には「こちらは弊社の人事情報になりますので、詳細の回答は差し控えさせていただきます」と回答した。

ネット上では不買運動にまで発展しているこの騒動。社長の辞任で事態はおさまるのだろうか。

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