メジャー挑戦表明!阪神・藤浪「意外な評価と獲得に動く球団」
「野球人として、ぜひ挑戦したいトップレベルの世界。(年齢が)30いくつになってくるとなかなか厳しいので、若いうちに挑戦したいです」
9月28日に神宮球場で行われたヤクルト戦後、阪神の藤浪晋太郎(28)は報道陣へポスティングシステムによるメジャー挑戦を表明。メジャーへの憧れを語った。
「かねてから、そういう気持ちはありました。『チャレンジさせていただきたいです』という話を、球団としているのは事実です」
藤浪がメジャーを視野に入れるのは、最近のことではない。これまで、数々のメジャーリーガーと自主トレをともにし気持ちを固めてきた。15年1月にツインズの前田健太、18年1月にはパドレスのダルビッシュ有やドジャースのサイ・ヤング勝投手カーショー……。
「特に今年は、同期の大谷翔平(エンゼルス)や鈴木誠也(カブス)の活躍が刺激になったようです。彼らのニュースは、イヤでも毎日のように耳に入ってくる。交流のある五輪2連覇を達成した柔道の大野将平や競馬の武豊からも『世界にはよりスゴい選手がいる』と聞き、影響を受けたと聞いています」(スポーツ紙担当記者)
メジャーで成功する投手の条件とはーー
しかし、藤浪の近年の成績は決して”メジャー級”とは言い難い。プロ入り(13年)から3年連続で2ケタ勝利をあげたものの、その後は鳴かず飛ばず。制球力の悪さから19年は未勝利に終わり、中継ぎや先発と起用法も安定しない。それでも「メジャーの評価は悪くない」と語るのは、スポーツジャーナリストの友成那智氏だ。
「メジャーで成功する投手の条件は、ハイファストボール(高めの速い球)とロースプリット(低めに落ちる球)を持っていることです。野茂英雄や佐々木主浩、田中将大らは、この2種類の球があったからこそ活躍できました。藤浪にも最速162kmの速球と、150km近いスプリットがあります。メジャー向きの投手と言えるでしょう。
確かに制球力の悪さはマイナス要素です。四球で球数が多くなるため100球制限のあるメジャーでは、先発として5回以上投げるのは難しい。イニングをまたぐロングリリーフとしての役割が与えられると思います」
獲得に動きそうな球団はどこだろうか。友成氏が続ける。
「最有力なのはパドレスです。パドレスには阪神で抑えや中継ぎとして活躍した、スアレスやジョンソンが在籍しています。2投手ともメジャーで、それなりに結果を残している。同じ阪神のリリーフとして、藤浪に興味を示してもおかしくありません。
他に考えられるのがレッドソックスやダイヤモンドバックス、レンジャーズでしょう。いずれの球団も、日本のチームにいたリリーフ投手が成功した実績があります。レッドソックスでは上原浩治や岡島秀樹、沢村拓一。ダイヤモンドバックスでは平野佳寿。レンジャーズでは、ヤクルトの守護神だったバーネットが活躍しました」
意外に評価の高い藤浪。阪神がメジャー挑戦を容認すれば、複数チームによる競合となりそうだ。