徴兵に抗議…ロシア有名ラッパー「自殺直前」プーチンへ戦慄遺言 | FRIDAYデジタル

徴兵に抗議…ロシア有名ラッパー「自殺直前」プーチンへ戦慄遺言

  • Facebook シェアボタン
  • X(旧Twitter) シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
国内だけでなく世界各国でプーチン大統領への反発が強まっている(画像:ロイター/アフロ)
国内だけでなく世界各国でプーチン大統領への反発が強まっている(画像:ロイター/アフロ)

〈皆さんがこの映像を見ている時、私はすでに生きていないだろう。私には、ウクライナで人を殺す心の準備ができていません〉

SNS「テレグラム」にメッセージを残したのは、ロシアの有名ラッパー、ウォーキー氏(本名イワン・ビタリエビッチ・ペチュニン。27)だ。英紙『ザ・サン』によると、ウォーキー氏は9月30日にロシア南部クラスノダールの高層ビルから飛び降り自ら命を絶ったという。プーチン大統領が命じた部分動員令による予備軍徴集に反発し、自殺したとみられる。

「テレグラム」の映像では、こうも話していた。

〈私は自分の魂に殺人の罪を負わせることはできませんし、したくもありません。どんな理想を語られても、人を殺す覚悟などない。今起きている惨状を支持しなかった人間として、永遠に人々の胸に刻まれることを望みます〉

「腕の折り方」がトレンドワードに

15年にデビューしたウォーキー氏は、これまでに10枚のアルバムを発表している。今年に入ってからも精力的に作品をリリースし、最も人気のある楽曲はネット上の再生回数200万回。ロシアの若者への影響力が大きいアーティストだった。

「プーチン大統領は、55歳までの男性を対象に30万人を徴集する意向です。しかし国内では、あまりに強引で無差別な動員令への反発が若者を中心に日に日に強まっています。首都モスクワなどでは抗議デモが頻発。徴兵を逃れるため、ネット上で『腕の折り方』という検索ワードがトレンド入りしているほどです。隣国ジョージアなどへ国外脱出した人は、100万人にのぼるといわれます」(全国紙国際部記者)

徴兵に抗議したウォーキー氏は、自身のスマートフォンにも「遺言」を残していた。そこにつづられていたのは、プーチン大統領への強烈なメッセージだ。

〈プーチンは、私たちに3つの選択肢を示しました。殺人者になること。反発して刑務所に行くこと。それら2つを拒否して自ら命を絶つこと。自殺は私の最後の抗議表現です。陰鬱とした時代を、皆さんで乗り越えられることを天国から祈っています〉

ロシア情勢に詳しい、筑波大学名誉教授の中村逸郎氏が解説する。

「ロシアで動員令が発令されるのは、第2次世界大戦以降初めてのことです。ロシアの若者にとって、これまでウクライナ紛争は他人事のような感があったと思います。しかし動員令によって、一気に身近なものとなった。人の命を奪うことが、現実的になったんです。国内でプーチン大統領への反発が強まっている、最大の要因でしょう」

ロシアのネット上には、ウォーキー氏への追悼と当局への抗議コメントが多数あがっている。

  • 写真ロイター/アフロ

FRIDAYの最新情報をGET!

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事