11・1 激突!京口紘人激白「生き物として拳四朗を上回りたい」 | FRIDAYデジタル

11・1 激突!京口紘人激白「生き物として拳四朗を上回りたい」

WBAライトフライ級スーパー王者

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11.1 WBA&WBCライトフライ級統一戦
ついに激突するアマ時代のライバル

気持ちの強さと爆発力が京口紘人の強み。6月のベルムデス戦では、得意のボディアッパーを含む33連打でV4を達成
気持ちの強さと爆発力が京口紘人の強み。6月のベルムデス戦では、得意のボディアッパーを含む33連打でV4を達成

「戦略も大事ですが、技術云々ではなく、生物的にというか、ファイターとしての本質で上回りたいです。気持ちで呑み込むような試合をしたいですね」

11月1日にWBCライトフライ級王者、寺地拳四朗(30)との統一戦を控えたWBA同級スーパーチャンピオンの京口紘人(ひろと)(28)は静かに意気込みを語った。

大阪商業大学卒業後の’16年に上京して、ワタナベジムに入門。プロ転向から1年3ヵ月後、8戦目で京口は世界王座に就いた。IBFミニマム級タイトルを2度防衛して返上。’18年の大晦日に現在保持するWBAライトフライ級のベルトを獲得した。目下、16戦全勝11KO。

拳四朗を意識し始めたのは「ライトフライ級のベルトを獲ったころ」だという。

「拳四朗選手はオールマイティで、オフェンス、ディフェンス、スタミナ、どれを取っても一流だな、という印象です」

京口がWBAライトフライ級王者となったときのWBC同級王者が拳四朗だった。同じ階級でともにプロデビュー以来、無敗。アマチュアだった大学時代に4度、対戦しているライバルの統一戦をファンも、京口も望んだが――。

「当時、WBC王座を5度、防衛していた彼は具志堅用高さん(67)の持つ世界王座連続防衛記録13を塗り替えることを優先。対戦要求に乗ってきませんでした」

拳四朗は’20年7月、不法侵入及び器物損壊事件を起こして3ヵ月間の謹慎処分を受けた。8度目の防衛戦は延期。翌年9月に矢吹正道(30)にTKO負けを喫して、王座から転落してしまう。

一方の京口は無敗を継続中。3度目の防衛戦を米国テキサス州ダラス、4度目をメキシコ・グアダラハラという敵地で行い、ともにKO防衛を果たしている。

特筆すべきは今年6月のメキシコでの一戦だ。6ラウンドにバッティング、7ラウンドにラビットパンチ(後頭部への攻撃)で減点されるなどレフェリーの動きは不可解。終始圧倒していたのにもかかわらず、ジャッジの一人は京口の負けと採点するなど完全アウェー。セコンドから「慌てるな」の指示が出ていたが、8ラウンド開始直後からラッシュをかけた。客から大ブーイングを浴び、飲み物の入ったコップを投げつけられるなか、レフェリーストップを呼び込んだ。

「嗅覚ですね。ここは倒しに行こうと。もしあのラウンドで決着をつけられていなかったら、また別の展開になっていたでしょう。あの戦いで一皮剥けた気がします。これまで、日本人の世界チャンピオンのほとんどが国内でしか試合をしていませんから、自分は海外で勝っているところにステイタスを感じます」

京口が敵地で防衛戦を重ねている間、拳四朗は矢吹とのリターンマッチに勝利して王座に返り咲き、いよいよ京口戦が実現することになった。

「拳四朗選手が無敗のままだったら(戦績は20戦19勝1敗)、統一戦はもっと盛り上がったんじゃないでしょうか。正直、旬が過ぎたような気持ちがあります。過去に対戦要求をした時と態度が違うし、防衛戦を挟まずに統一戦ですから、ちょっと狡いなという思いです。僕は海外での防衛を2度クリアして、自分の価値を高めて選択肢を広げましたから」

悔しさを滲ませつつも、京口の発言一つ一つには、自信が感じられた。

「負けを知ったことで、拳四朗選手はさらに強くなっているでしょう。ボクサーとしてだけでなく、人間的に強くなっているイメージです。お互いに過去最強だと思います。当日のリングでどれだけ自分を出せるか。それが勝負の分かれ目だと思います。もちろん、僕が勝ちます」

京口ら5人の世界王者を育てた渡辺均・ワタナベジム会長も太鼓判を押す。

「寺地のアウトボクシングを京口のインファイトが凌駕するでしょう。海外で修羅場を潜った経験が吉と出る筈です」

それぞれの想いがこもった拳が、ついに交錯する。

本誌未掲載カット 京口紘人・WBAライトフライ級スーパー王者「技術云々じゃなく、生き物として拳四朗を上回りたい」
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『FRIDAY』2022年10月21日号より

  • 取材・文林壮一(ノンフィクション作家)撮影鬼怒川 毅

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