大阪府出身。新聞記者、編集プロダクションを経てフリーに。サッカーやゴルフを中心に、さまざまなジャンルのスポーツを取材する。著書に『イ・ボミ 愛される力』(光文社)。【X】https://twitter.com/mwkim0727

キム・ミョンウ

<figure id="attachment_268788" aria-describedby="caption-attachment-268788" style="width: 2400px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="18f0ef4b"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/10/2021072507397.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-268788" class="wp-caption-text">海外も含め、ツアー優勝59回を誇る申ジエ。現在は日本ツアーを中心に第一線で活躍を続けている</figcaption></figure>
元米ツアー賞金女王で元世界1位の申ジエ（34）は“新人”が勝ち続ける日本女子ゴルフをどう見ているのか。
9月29日〜10月2日に行われた国内女子ゴルフメジャーの「日本女子オープン」で2位に入った申ジエ。最終日に一時は首位に立つも、最後は勝みなみ（24）に逆転優勝を許した。
メジャーらしい難しいコースセッティングにオーバーパーを打つ選手が続出するなか、申ジエは一打一打をどのように打つべきか、コースをどう攻略するのかを楽しんでいた。「難しいセッティングが懐かしい」と語っており、緊張感あふれる展開の中でも時折見せる笑顔が印象的だった。
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2009年に米女子ツアー賞金女王となり、2010年には世界ランキング1位に君臨。韓国ツアー22勝、米ツアー11勝、日本ツアー26勝という実績だけでもその強さが分かるが、今年34歳になった今も、若手が台頭する日本ツアーのトップレベルでしのぎを削っている。
先月末、韓国経済紙「アジア経済」の単独インタビューに応じた申ジエは、「日本の若手の技術が格段と上がっていることに驚いた」と語っている。
「私が日本ツアーに参戦したのは2014年からですが、当時はまだ今のように目立った活躍をする選手は多くありませんでした。9年が経った今、日本女子ツアーは本当に大きく変わりました。2000年前後に生まれた黄金世代が、日本国内だけでなく米ツアーにも進出し、成績を収めているのを見ても分かります。今の若い選手たちを見ると本当に驚きます。今季初優勝をした選手だけでも9人います。過去には上位と下位と差が激しかったですが、最近は全体的に実力が上がり、選手層も厚くなりました」
昨年プロテストに合格したばかりの19歳、川崎春花や尾関彩美悠の初優勝も話題となり、現在メルセデス・ランキングと賞金ランキング1位の山下美夢有もまだ21歳。確かな技術を持った選手が次々と登場する日本ツアーの現状にうれしさを感じているようだった。
また、「韓国では女子選手を熱心にサポートする親がたくさんいるのは有名ですが、日本でもそのような親が増えてきています。体系的で集中的な練習、トレーニングを通して早いスピードで実力が向上しています」とも語っている。
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<figure id="attachment_268789" aria-describedby="caption-attachment-268789" style="width: 2806px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="91258b0d"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/10/2021102910150.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-268789" class="wp-caption-text">今年の9月末〜10月頭にかけて行われた国内メジャーでも2位に食い込んだ。今季は19試合の出場で、トップ10入り8回と、高い安定感を誇る</figcaption></figure>
両親が子どもに徹底してゴルフのエリート教育を受けさせるのは、韓国では有名な話。仕事をやめてまで試合に帯同するほどの熱心さには驚いたものだが、そうした状況が日本でも生まれつつあるということだろう。
昨年、申ジエにインタビューする機会に恵まれた。日本の選手の成長と米ツアーで勝つためにはどうすればいいのか、様々な角度から答えてくれていたのが印象的であった。
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「日本ツアーには個性のある選手が増えました。それぞれ自分の長所が何なのかをしっかりと知る選手が増えたということです。強みを知り、それを伸ばすことができるプレーヤーが多くなり、自然とツアーのレベルも高くなってきたと感じます」
選手一人ひとりの能力が上がっていることに加え、米ツアーを目指す日本の選手が増えている状況については「ゴルフに飢えている選手が多くなった」と語っていた。それはかつての韓国の選手たちが国内で結果を出せば、すぐに米ツアーに進出する選手が多かった状況と似ているという。
また「世界ランキング上位だけ見ると、今は畑岡奈紗選手（23・世界ランキング9位）が一人で、米ツアーでがんばっているような状況です。これからもっと世界で戦う選手が出てくれば、確実に強くなります」と太鼓判を押していた。
今では古江彩佳（22）や渋野日向子（23）も米ツアーで奮闘しており、「この流れが続けば、米ツアーで勝てる選手がどんどん出てくる」と申ジエは見ている。
世界で勝つために必要なものはなんなのか――。それを日本の若手たちに背中で見せてきた。日本ツアーのレベル向上は、環境の変化や個人の努力によるところも大きいが、彼女のプレーや振る舞い、言動が日本選手のレベルを引き上げた部分もきっとあるに違いない。
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金明昱（キム・ミョンウ）

共同通信社

海外も含め、ツアー優勝59回を誇る申ジエ。現在は日本ツアーを中心に第一線で活躍を続けている 元米ツアー賞金女王で元世界1位の申ジエ（34）は“新人”が勝ち続ける日本女子ゴルフをどう見ているのか。 9月

元世界ランキング1位の女王が明かす「日本女子ゴルフの現在地」

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