<figure id="attachment_268807" aria-describedby="caption-attachment-268807" style="width: 1024px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="ccacca46"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/10/2022100409773.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-268807" class="wp-caption-text">退団会見で悔しさをにじませた中日・平田（画像：共同通信社）</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「（球団から）『盛大なセレモニーはできない』と言われました。（記念の）Ｔシャツやタオルがあり、映像が流れてマウンド付近で話をする。それが自分の中での最後かなと思っていた……。17年間の野球人生の最後としては違うのかなと感じたので、（退団の）理由にはなりました」</span></p>
<p>10月４日、中日から戦力外通告を受けた平田良介（34）は会見で涙ながらに語った。</p>
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<p>平田によると、退団を決めた要因の一つが盛大な引退イベントの開催を球団に断られたこと。ネット上では、中日一筋で通算1046安打、105本塁打をはなった功労者へ〈その仕打ちはない〉〈中日、冷たくないか〉と同情の声が。平田は現役続行のため、他球団からのオファーを待つ意向だ。</p>
<p><span class="strongInContent">「騒ぎが大きくなったので、平田自身も驚いたのでしょう。翌日（５日）に自身のインスタグラムを更新し、こう釈明しました。〈昨日は私の記者会見でお騒がせしてすいませんでした。セレモニーのことだけをクローズアップして報道されてしまいましたが、（球団が）提案してくださったセレモニーの内容が理由で自由契約を選択したわけではありません〉と。</span></p>
<p><span class="strongInContent">平田は、９月17日のヤクルト戦に代打で出場するも空振り三振。直後に、立浪和義監督から戦力外を打診されたそうです。球団はセレモニー自体を断ったわけではありません。１打席試合に出てファンへ挨拶し、家族から花束をもらいグラウンドを１周するというプランを提案していました」（球団関係者）</span></p>
<h2>〈ドラゴンズが大好き〉でも他球団で……</h2>
<p>平田が処遇に不満を持ち、会見での発言につながったのかもしれない。だがファンからの支持は得ても、今後にしこりは残りそうだ。</p>
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<p><span class="strongInContent">「平田は昨季、打率１割台と低迷。体調を崩し７月には『異型狭心症』と診断されます。それでも中日は彼との契約を続け、出場機会は減っていたものの１軍でも起用していました。しかし今季も打率２割、本塁打１本、打点10と成績は振るわなかった。にもかかわらず『盛大なセレモニーができない』という理由で退団したのなら、ワガママととらえられても仕方がありません。</span></p>
<p><span class="strongInContent">会見翌日のインスタでは、〈ドラゴンズが大好き〉〈（球団や立浪監督へ）心から感謝〉とつづっていましたが、ではなぜ他球団での現役続行を希望するのかも理解に苦しみます。</span><span class="strongInContent">平田は決して自分勝手な人間ではありませんが、ズバズバものを言うタイプです。他の球団も平田を『我の強い選手』ととらえれば、獲得に二の足を踏むでしょう。指導者としての道にも不安が残ります」（同前）</span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="引退選手たちの胸を熱くした高津監督のスピーチ"></div>
<figure id="attachment_268808" aria-describedby="caption-attachment-268808" style="width: 2376px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="ac306795"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/10/jpp043140378.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-268808" class="wp-caption-text">ヤクルトの最終戦に行われた引退セレモニーで笑顔をみせる左から坂口、内川、嶋（画像：時事通信社）</figcaption></figure>
<p>一方で、気持ちよく引退した選手たちもいる。ヤクルトを退団した内川聖一（40）、坂口智隆（38）、嶋基宏（37）の３人だ。シーズン最終戦となった10月３日のＤｅＮＡ戦で、それぞれ打席へ。試合後は場内を一周し、ファンからの温かい声援に涙を浮かべた。</p>
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<p>見る人の胸を熱くしたのは、高津臣吾監督による３選手へのメッセージだろう。引退セレモニーでは、オリジナリティあふれる言葉で次のように語ったのだ。</p>
<p><span class="strongInContent">「内川。あなたのバッティング技術は、相手投手、相手ベンチを相当驚かせました。08年に右打者最高打率の３割７分８厘。そして両リーグで首位打者、最多安打……。記録にも記憶にも残る大打者だったと思います。</span></p>
<p><span class="strongInContent">グッチ、坂口。なんとなく昭和感の残る男。なくなってしまいましが近鉄バファローズ最後の選手として、今も残るファンが寂しく、大きな拍手をあなたに贈っていると思います。そして嶋。みんな見ていましたよ。あなたの底力を。本当にお疲れ様でした」</span></p>
<h2>「人を遺すを上とする」</h2>
<figure id="attachment_268809" aria-describedby="caption-attachment-268809" style="width: 1993px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="013bacd5"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/10/jpp043139083.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-268809" class="wp-caption-text">内川（右）の引退に主砲・村上（左）も号泣（画像：時事通信社）</figcaption></figure>
<p>「底力」とは、11年３月の東日本大震災直後の慈善試合の前に嶋が語った「見せましょう、野球の底力を」という名スピーチの一節だ。なぜヤクルトでは、引退選手を感動させ気持ち良く送り出すことができたのだろうか。</p>
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<p><span class="strongInContent">「高津監督が、チームを家族だと思い大切にしているからです。よく『毎日、球場に来るのが楽しみになるようなチームにしたい』と口にしています。ギスギスした雰囲気がなく、選手たちも年齢関係なくとても仲が良い。22歳の主砲・村上宗隆が、30代の山田哲人や40代の青木宣親をイジっていますからね。</span></p>
<p><span class="strongInContent">高津監督の根底にあるのは、恩師・野村克也さんの考えです。ノムさんは、人が一番の財産だと考えていました。野球でいえば選手です。ノムさんが好んでいた、明治から昭和初期にかけて活躍した政治家・後藤新平の格言があります。『財を遺すは下、仕事を遺すは中、人を遺すを上とする』と。ヤクルトにはノムさんの教えが浸透しているのでしょう」（スポーツ紙担当記者）</span></p>
<p>平田の退団を巡っては、確かに本人の問題もあるが、同時に「盛大なセレモニーはできない」と通告した際の球団側の伝え方にも原因があったのではないかとみられている。退団を巡る「明と暗」。奇しくもそれが２年連続でリーグ制覇をした球団と、最下位に沈んだチームで起きたのは、偶然ではないかもしれない。</p>


共同通信社　時事通信社

中日の平田良介が球団から盛大なセレモニーはできないと言われたと不満を表明。退団の一因だという。一方でヤクルト内川聖一や嶋基宏らは引退試合で感激！　チームを去る選手に明暗分かれた意外な理由とはーー。

中日・平田は不満タラタラも内川や嶋は感激「退団で明暗のワケ」

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