KOC優勝!ビスケットブラザーズ激白「もう年末まで休みがない」
「歴代最高得点での優勝は、3人の恩人たちのおかげです」
「一瞬にしてスターになった感じがあります。もう30件も仕事が入っていて、年末まで休みがないことが本当に嬉しい」
そう語るのは『キングオブコント2022』で第15代王者に輝いた『ビスケットブラザーズ』のツッコミ・きん(31)だ。
ボケの原田泰雅(たいが)(30)の強烈なキャラクターとバツグンの演技力を武器に、歴代最高得点で栄光をつかんだ。決勝翌日、興奮冷めやらぬ二人を直撃すると、口から溢(あふ)れ出たのはお世話になった「3人の恩人」への感謝の言葉だった。
原田「優勝直後からお祝いの連絡が鳴り止(や)みませんでした。400件くらい来て、携帯が壊れるかと思いましたよ」
きん「お世話になった人たちにやっと恩返しできます。僕らのお笑いの基礎を作ってくれたのは、『ハイヒール』のリンゴ姉さん(61)でした。無名時代から何度、番組に呼んでくれたか……」
原田「初めて番組に呼ばれたとき、初対面で『汚いな?』って言われて(笑)。驚いていたら、『芸人ならガッと来なさい!』って一喝。初めてお笑いのフリとツッコミを教えてもらいました。お笑いのイロハは、ほとんど姉さんに叩き込んでもらいました」
決勝前、同期芸人にかけてもらった言葉も力になった。
原田「『霜降り明星』のせいや(30)は事あるごとに気にかけてくれました。決勝前に決起集会を行ったときは、『お前らすげえよ、ファイナリスト2回ってえぐい』って褒(ほ)めてくれて。『俺と食事したらチャンピオンなんねん。前な、飯食った後輩が、劇場で1位やったもんな』って背中を押してくれたんです」
きん「『劇場かよ!』って思ったけど(笑)。実際に勝てたし、感謝しています」
芸人以外にも、二人には欠かせない存在がいる。優勝後、真っ先に感謝を伝えたのは長年支えてくれたマネージャーだ。
原田「僕たちが自信をなくしたときも、マネージャーがいつも『優勝しますから』って言ってくれた。だから変に気負わずにすんだというのが大きかったですね」
きん「決勝で着た特注のセーラー服などの衣装も、手配してくれたのはマネージャーです。ネタ以外の事を全部してくれるんで、本当に助かってます」
原田「コンビでやってますけど、たまにトリオじゃないかと錯覚するときもあるよね。マネージャーがリーダーで、そこに僕たち平芸人がついていく感じ(笑)」
きん「マネージャーが勝たせてくれたと言っても過言ではありません。感謝しかないです」
恩人たちに支えられ、結成12年目で悲願の優勝を成し遂げた二人。賞金1000万円の使い道を聞くと、意外な答えが返ってきた。
きん「僕、89歳になるばあちゃんがいるんです。歳で遠出できないって嘆いてるから、40万円の電動車椅子を買ってあげたい。僕の取り分は500万円あるので、12台買います。友達の分も必要なので(笑)」
原田「僕は、出身の岸和田市に実家の土地があるんですけど、1000万円かけて『ビスブラ公園』を作りたいですね」
きん「おい! 俺の分も使うなよ!」
今後の目標を聞くと、きんが「ゆくゆくは東京進出したい」と本音を明かせば、原田が「バカリズムさん(46)みたいに脚本家もできるマルチタレントになりたい」と目を輝かせる。二人の快進撃は、まだ始まったばかりだ。
『FRIDAY』2022年10月28日・11月4日号より
- PHOTO:足立百合