明菜、聖子…今年の『紅白歌合戦』が歴史的視聴率になりそうなワケ

「今年の大みそかは千載一遇のチャンスになりそうです」

そう興奮気味に語るのはＮＨＫ関係者だ。

大みそかの恒例番組『ＮＨＫ紅白歌合戦』が今年も12月31日に放送される。かつては視聴率50％超の“お化け番組”だったが、時代の流れとともに「オワコン化」が囁かれてきた。

昨年の同番組の視聴率は前年比６ポイント減の平均視聴率34・3％で、２部制となった1989年以降で過去最低だった（ビデオリサーチ調べ）。今春には一部メディアで同局の前田晃伸会長が紅打ち切りを検討しているとも報じられた。

そんななか、ひと足早く今年の紅白司会者が発表された。１人目はＮＨＫの看板アナ・桑子真帆、２人目は大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で源頼朝を演じた俳優の大泉洋。

サプライズだったのは、３人目の司会に女優の橋本環奈が抜擢されたこと。そして新設されたスペシャルナビゲーターに活動休止中の『嵐』櫻井翔が起用されたことだ。

「紅白の出場歌手および司会者は、知名度や人気とともにＮＨＫへの貢献度が重視されてきました。しかし、橋本さんは大河ドラマに出ているわけでもなければ、朝ドラで主演したこともない。ある意味、外様からの起用で驚きをもって受け止められています」（テレビ局関係者）

橋本本人も司会決定の報にツイッターで

《もしかしたら夢なのかな？ってまだ思ってます。お話を伺った時にまず、え？司会？私が？そもそも何で私なんだろう。と耳を疑いました》

と率直に反応。続けて

《発表になった今は、紅白の司会という大変光栄な役目をしっかり全うせねば！という気持ちです》

と意気込みを綴った。

たしかに女優としての実績だけ見れば、歴代司会者と比べると若干見劣りする感は否めない。しかし橋本はＮＨＫが重視する若年層に抜群の人気を誇る。

今年発表された『高校生が選ぶ今１番好きな俳優（女性）ランキング』で１位、10～24歳のZ世代を対象にした『好きなZ世代俳優・女優調査』で２位、『なりたい顔ランキング』でも２位と、飛ぶ鳥を落とす勢いだ。前出のテレビ局関係者は

「ＮＨＫが若年層取り込みに力を入れているという証明でもあります。もちろん大役に抜擢したのだから、来年以降、橋本さんは“ＮＨＫ推し女優”になることは確定的です」

と語る。

同様に嵐の櫻井についても、Ｚ世代より上の若者・中年世代のニーズを意識したキャスティングだ。

「明らかに櫻井さんを引っ張り出すためにスペシャルナビゲーターというポストを用意したとしか思えません。来年の大河ドラマ『どうする家康』に主演するのは嵐の松本潤さん。

きっと彼が審査員席に座り、ステージを挟んで櫻井さんと掛け合いを見せるのではないでしょうか。嵐ファンはこうしたやりとりを楽しみにしていますからね」（ワイドショー関係者）

10代～40代を橋本と嵐メンバーでカバーしたあとは、シニア世代だ。ここは出場歌手のサプライズが期待されている。音楽関係者が声を潜めて明かす。

「昨年大トリが予想されたものの、愛娘・神田沙也加さんの急死で辞退した松田聖子さん。さらに個人事務所を設立し、復帰に向けて動き出した中森明菜さんの名前が挙がっています。

前者は天国の沙也加さんのために作った新曲を披露するのではないか？と言われています。後者は事務所設立をめぐるゴタゴタはありますが、ＮＨＫとは大筋で出場は合意済み。あとは本人の体調面だけでしょう」

さらに今年ソロデビュー35周年を迎えた工藤静香も有力候補に挙がっている。スポーツ紙芸能記者は

「静香さんも紅白を意識してか、ＮＨＫの歌番組に積極的に出演していますからね。局的にもウェルカムのようです。本人もノリ気と聞いています」

と話す。

紅白を迎え撃つ他局は、“強敵”だった日本テレビ系の『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで！絶対に笑ってはいけない』シリーズが今年も放送予定はない。男性視聴者の多い格闘大会『ＲＩＺＩＮ』にしても、一連の“黒い交際”報道でフジテレビが撤退し、有料放送になる見込みだ。

「いつも以上に他局が手薄になる。ＮＨＫの鼻息は荒い」

とは前出のテレビ局関係者。紅白のオワコン返上なるか、注目だ――。