いま「円安」で儲かっている人たちが”必ずやっていること” | FRIDAYデジタル

いま「円安」で儲かっている人たちが”必ずやっていること”

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「円安」を追い風に

円安が止まらない。2021年の終盤は1ドル=115円台だった円は、直近で1ドル=149円台まで上昇し、昨年末よりおよそ30%の円安に。街では「光熱費や食品の値段が上がって家計が大変」という声が聞かれる一方、羽田・成田空港には水際対策の大幅な緩和で「安い日本」を目掛けてインバウンドが詰めかけている。

10月17日のニューヨーク外国為替市場では、一時1ドル=149円台まで値下がりして1990年以来32年ぶりの安値を付けた(写真:共同通信)
10月17日のニューヨーク外国為替市場では、一時1ドル=149円台まで値下がりして1990年以来32年ぶりの安値を付けた(写真:共同通信)

そんな中、円安を追い風にビジネスを拡大している人たちがいる。

「越境ECを始めた当初は『日本製品は優秀だが、高い』というイメージだったかと思いますが、日本製の切れ味の素晴らしいハサミを製造する<職人さんの技術力>が高く評価されるようになったと思います」

こう話すのは、シャンプーやコンディショナーなどの美容室に向けた卸し商品の開発を始め、その流れで、海外向けに日本製のハサミを取り扱うようになり、昨年パリにショウルームをオープンしたというAURAFIC INC.の代表取締役・岩永友和さんだ。

岩永さんが、海外へ販路を広げようと考えたのはコロナ禍がスタートする以前、急激な円高が始まる前だった。

「海外の美容師らはシャープな切れ味を求めているので、日本の職人さんが培ってきた技術力には自信がありました。ヘアケア製品のショウルームで実際に日本製のハサミを手にとり、素晴らしい評価をいただいていましたが、当社のハサミは他のアジア諸国製品に比べると4倍近い価格だったので、購入を躊躇されるケースも多々あったんです。

そこで今年春の円安が始まった時期に、インスタグラムで『円安だから、今ならお得に買えるよ!』と繰り返し発信するうち、だんだんと潮目が変わって来るのを感じました」

「ヘアケアにも環境に配慮する欧州美容界。製品の成分やボトルの素材も国際基準となる製品開発を進め、来春には国内外で発売予定」と、岩永友和さん。「ハサミを製造する職人さんの技術を絶やさないことも目的でした」(AURAFICのグローバルサイトより)
「ヘアケアにも環境に配慮する欧州美容界。製品の成分やボトルの素材も国際基準となる製品開発を進め、来春には国内外で発売予定」と、岩永友和さん。「ハサミを製造する職人さんの技術を絶やさないことも目的でした」(AURAFICのグローバルサイトより)

既にECサイトに搭載されている「越境ECをサポートする」システムとは 

とはいえ海外進出ともなれば、言語や法規制などの障壁は避けられない。メルカリなどのECサイトを利用しても、海外とのやり取りは決してカンタンではないのでは?

そこで今回は「企業や個人の越境ECをサポートする」というBeeCruise株式会社の執行役員である、本間哲平さんに「越境ECって、実際にどんなものを、どうやって売ってるの?」という、単刀直入かつ素朴な疑問をぶつけてみることにした。

「これまで、一般企業や個人事業をされている方々が『輸出』をお考えになった場合、様々なリサーチや、税制などの手続きに関して、莫大な手間と、費用、時間を要していたと思います。しかし弊社では、自社ECを簡単に越境化するシステム《Buyee Connect を採用し、タグを埋め込むだけで、 世界118余の国と地域に販売可能なシステムを、独自に構築しています」 

つまり、国内向けECと同じような感覚で“タグを埋め込むだけ“で海外向けのECをスタートできるというのだ。しかも実はヤフオク!やメルカリなどの日本の主なショッピングモールは既にBuyeeのシステムと連携している。しからば、後は「出店するのみ!」と考えるのが、正しいビジネス目線だろう。

「おかげさまで、この3月からのいわゆる円安の加速で、弊社のBuyeeを経由した流通は、上昇傾向へと伸長しています。 

ジャンルは様々ですが、日本もしくはアジアの美術品、アニメや特撮映画などのキャラクターフィギュアやプラモデル、カメラ関連、ブランド時計、また日本酒やウイスキーなどの酒類などにも、注目が集まっているようです」 

なるほど。EC=電子商取引が行われるインターネットの世界は、“売りたい人”と“買いたい人”のマッチングで実現する、オンライン上の小売サービスだ。たしかに、自社製品がオンライン上のマーケットを経由して海外への販売が実現すれば、物理的に販路は拡大するし当然売り上げも上がる、という理屈は尤もだろう。

しかも、驚きなのはその手軽さだ。商品の発注を受けた販売側はBuyee側に商品を発送するだけ。海外の購入者へ商品が届くまでの手続きは、Buyeeがその一切を請け負う、という流れだ。利用手数料は、販売側は無料で、購入者がおよそ300円を支払う。

創業6年目にして40億円を売り上げる中小企業も 

ちなみに経済産業省によれば、2020年の越境EC市場は約114兆円規模にまで成長。中小企業が積極的な動きに出ており、創業6年目にして40億円を売り上げる企業も登場しているというのも、聞き逃せない情報だろう。

とくに中国と日本間の取引では、圧倒的に中国の【購入額】が高くなっており、日本は300億円超え程度なのに対して、中国側は1兆を超え、日本の製品に対する興味が見てとれるという分析になっている。

「円安のメリットを最大限引き出し、国民に還元する」と岸田首相は唱えるが…(写真:アフロ)
「円安のメリットを最大限引き出し、国民に還元する」と岸田首相は唱えるが…(写真:アフロ)

一番大切なのは「SNS」活用した集客活動 

しかし、ECを始めただけでは集客ができるわけじゃない。

そこで重要なのが『海外向けのプロモーション活動』だ。それぞれのオンライン店舗が、自社アカウントを運用して周知集客をはかるのが当たり前だ。前述の岩永さんも、販路が海外へと拡大したきっかけになったのは、自身のInstagramアカウントからのストーリー投稿だった。

「オンライン上のショッピングモールにただ商品を並べても、そのままでは情報が届きません。

Instagramなどで地道に投稿を続けてファンを獲得したり、SNS広告を出して越境ECのために【ソーシャルな集客活動】をすることで収益につながるのは、もはや周知の通りです。あくまでも、海外のお客様に周知をはかるための努力は、当然必要ということになります」

前述の本間さんも、SNS活用の重要性を説いている。

「買う」側から「売る」側に、そして「越境EC」へーーオンライン販売は、ガレージセール感覚から輸出店舗へと変貌を遂げている。うちにも何か売れるものはないか? 探してみれば、意外な成果が生まれるかもしれない時代である。その可能性について確実にいえることは、やはり「やってみなけりゃ始まらない!」ということだろう。

BuyeeのHPはコチラ

AURAFICのHPはコチラ

  • 取材・文仁礼めぐみ

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