”解体危機”でなりふり構わぬ旧統一教会 切り札は「山上の母」か | FRIDAYデジタル

”解体危機”でなりふり構わぬ旧統一教会 切り札は「山上の母」か

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今年7月に安倍晋三元首相を射殺した山上徹也容疑者。母が旧統一教会の信者だが…
今年7月に安倍晋三元首相を射殺した山上徹也容疑者。母が旧統一教会の信者だが…

旧統一教会をめぐって、岸田文雄首相が「質問権」を行使し、組織を調査する方針を示した。場合によっては教団に対して「解散命令」が出される可能性がある。政界関係者によると

「当初、自民党は“痛み”を伴う旧統一教会への調査には及び腰だった。しかし、岸田内閣の支持率はダダ下がりで10月上旬の時事通信の世論調査では27・4%にまで落ち込んだ。そこで旧統一教会にメスを入れることになった」

という。

自民党と深い関係だった旧統一教会にしてみれば、急に手のひらを返されたカタチだ。危機感を持つ教団側は20日午後2時から都内で記者会見を実施。勅使河原秀行・改革推進本部長はその席で

「質問権が文化庁から来たときは、誠実に対応させていただく」

とアピール。同氏は元妻が信者の橋田達夫さんに面談を断られ、自宅を“アポなし訪問”し、批判を浴びたが

「言論を封殺するよう圧力をかけたというのは全く違う」

と反論した。

会見では2世信者の救済を目的に、全国68教区に新区長を置くことを提示。黒いスーツを着た20名の男性新区長が登場し、会場は騒然となった。さらに前出・橋田さんの元妻のインタビュー映像をVTRで流すなど、異様な展開となった。

生中継していた読売テレビ『情報ライブ ミヤネ屋』は、元妻のインタビューが流れる直前に中継を中止。表向きは元妻の「個人情報に関わる問題」ということのようだが、実際は

「お茶の間に流す内容ではないという判断。元妻が教団を擁護することは明らかだった」(番組関係者)

という。

これに旧統一教会側は「偏向報道だ」と反発している。

「教団とミヤネ屋は以前からバチバチにやり合っていますが、最近になって教団側は反対に『ミヤネ屋をうまく利用する』という戦略に変えたのではないでしょうか。会見開始はミヤネ屋の放送開始に合わせた午後2時。生中継で教団側の主張を広く世間に広めようという考えだと思われます」(全国紙記者)

教団側は「解散命令」がチラつき始めたことで、なりふり構っていられないようだ。今回は橋田さんのVTRインタビューだったが、然るべきタイミングで安倍晋三元首相を銃撃した山上徹也容疑者の実母を引っ張り出す可能性もあるのでは、とみられている。

「以前にも何度か母親の会見は浮上しましたが、世間の空気を考慮して取り止めてきた。教団側にとっては“切り札”と言えるでしょう。さすがのミヤネ屋も山上容疑者の母が出てきては、生中継せざるをえないと思います」(同・全国紙記者)

一方、教団への解散命令がアダとなる可能性も指摘されている。『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)の21日放送回では、元オウム真理教幹部でひかりの輪代表の上祐史浩氏がVTR出演。過去に解散命令が下ったのは2例あり、そのうちの1つが’95年に地下鉄サリン事件を起こして’96年に解散命令が最高裁で確定したオウム真理教だ。

当時、オウム真理教で緊急対策本部長だった上祐史浩氏は、解散命令が出た時のことを振り返り、

「活動には全く影響を与えなかった」

と断言。むしろ

「彼らは信仰をやめる気持ちにならないだろうし、先鋭化すると陰謀論的になる。自分たちが弾圧されていて、逆に信仰が悪い意味で深まる」

と語った。その上で

「もしかしたら、(岸田政権的に)こんなはずじゃなかったという状況になる可能性がある」

と指摘した。

玉川徹氏の“舌禍問題”で株を下げたテレ朝にしては“攻めた”内容で、今後も安易な解散命令のリスクを取り上げていくという。

岸田首相のひと声でこれまでのステージからワンランク上がった感のある旧統一教会問題。今後の応酬は激しいものになりそうだ。

  • PHOTO加藤 慶

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