エンゼルス争奪戦に日本企業も参戦！候補に挙がる「3人の実業家」

8月に突然発表されたアート・モレノ球団オーナー（76）のエンゼルス売却。大谷翔平（28）が所属するチームということもあって、日本でも大きく報道されたが、オフシーズンに入り、売却への動きが本格化している。

9月中旬には地元有力紙『ロサンゼルス・タイムズ』のオーナー、パトリック・スーンショング氏（70）が買収に名乗りを上げた。さらにNBAのウォリアーズのオーナー、ジョー・レイコブ氏（66）も近々買収に乗り出すと見られている。

そんな中、現地では驚きのニュースが報じられた。米紙『ニューヨーク・ポスト』が「日本企業がエンゼルス買収に興味を示している」と報じたのだ。具体的な企業名は明かされなかったものの、人気球団の獲得に向け、すでに交渉が進んでいるという。

「エンゼルスは放映権料だけで年間約2億1000万ドル（約310億円）を誇るモンスター球団です。その収入はMLB全30球団の中でもトップクラス。球団の買収にはMLB史上最高額となる25億ドル（約3700億円）以上が必要といわれています」（スポーツ紙メジャー担当記者）

球史に残る球団売買へ名乗りを上げる日本企業とは、どこが考えられるのか。米経済誌『Forbes』の資産情報を手掛かりに、スポーツジャーナリストの友成那智氏が解説する。

「最右翼はソフトバンクグループの孫正義氏（65）です。孫氏の純資産は2兆7270億円と資金力は十分。2005年に福岡ソフトバンクホークスを買収し、野球に並々ならぬ関心を持っていることも伺えます。ホークス買収後、金に糸目をつけずFA選手を獲得しまくったので、同様のチーム強化をはかるのではないでしょうか。大谷がFAになるのは2023年シーズン終了後なので、それまでに長期契約を結ぶ流れとなるでしょう。来年オフにはコービン・バーンズ投手（28）など、サイヤング賞クラスのピッチャーが複数FAに出てくるので、その中から一人は獲得に動くはずです。

対抗馬となるのは、楽天グループの三木谷浩史氏（57）でしょうか。5690億円の純資産があり、こちらも買収できる余力はあります。三木谷氏は2004年に楽天イーグルスのオーナーとなりましたが、買収後は野村克也さん（享年84）、星野仙一さん（享年70）など非常に良い監督を就任させました。メジャーでも名将を連れてくることが予想されます」

友成氏は、忘れてはならない候補として『ZOZOTOWN』の創業者・前澤友作氏（46）を挙げる。話題に事欠かない人物だけに有り得ない話ではないが、その就任は、必ずしも大谷にプラスに働かない可能性もある。

「前澤氏は『ZOZO』社長時代、千葉ロッテマリーンズのスタジアム命名権を取得したりするなど、野球への情熱をもっている。ただ資産は19億ドル（約2800億円）と、単独での取得は難しいと思われます。それでもビジネスとして成立すると踏めば、球団を買う可能性はある。2017年にマイアミ・マーリンズを12億ドル（約1800億円）で買収したブルース・シャーマン氏（74）は、そのうち4億ドルを借り入れでまかないました。

ただ借金で購入した場合、チーム強化より目先の利益に走る人が多いのも事実です。たとえ前澤氏が借入金で買収できても、多額の支払金利が負担となれば、目先の利益を確保しようとするあまり、大谷をトレードに出してしまうなんてこともないとは言い切れないのです」

日本時間11月19日には、今年のメジャーリーグのMVPが発表される。多くのファンが、大谷の偉業達成に期待をこめる一方で、水面下の球団買収合戦も同様に過熱していきそうだ。