山際更迭は「恥辱」…岸田首相ご乱心で始まる”カウントダウン” | FRIDAYデジタル

山際更迭は「恥辱」…岸田首相ご乱心で始まる”カウントダウン”

岸田は「もうめちゃくちゃ」側近たちが暴露する政権の末期症状

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衆院予算委員会で答弁に立つ岸田首相。その目に覇気は見られない。後ろに控える山際前大臣に至っては… 写真:つのだよしお/アフロ
衆院予算委員会で答弁に立つ岸田首相。その目に覇気は見られない。後ろに控える山際前大臣に至っては… 写真:つのだよしお/アフロ

山際大志郎経済再生担当大臣が「ついに」更迭された。

旧統一教会との関係を国会で追求され、知らぬ存ぜぬを繰り返す姿にお粗末さが際立ち、韓鶴子総裁との証拠写真を突きつけられてもなお「資料がないので…」「記憶が定かではありません」では、しのげるはずもない。ついに道を踏み外し、閣内から転落した。

山際の指は震えていた

側近によると、岸田首相はこの1か月、山際大臣の一挙手一投足をつぶさに観察していた。山際の震える指先、緊張して乾いた唇、一定しない視線を見て、更迭を決断したという。

「先週18日の夕方、岸田首相と麻生太郎副総裁が2人きりで、官邸首相執務室で20分以上にわたって話し込んでいました。このとき、山際大志郎経済再生担当大臣の人事について合意。国会での答弁次第として起死回生を期待しつつも、不調の場合は山際罷免はいたしかたないという結論でした。

岸田がオーストラリアに向かう機中で、更迭は決定的となっていたんです」(麻生副総裁側近)

会談で麻生副総裁は、

「野党の質問攻めで国会が荒れたら政権はもたない。会期は延長できない」

と切り捨て、返す岸田首相は

「月末の総合経済対策取りまとめへの影響はなんとしても避けないとならないですね。もはや限界。辞任してもらうしかないな

と、返した。自民ツートップの間でこのようなやり取りがあったとこの側近議員は証言している。

山際前大臣は安倍元首相銃撃事件以降、ストレスでまともに眠れない日々が続いていたという。地方国立大学で獣医学を修めた山際。もともと社交的な政治家ではなく、この間、ますます寡黙になったと同じ麻生派の議員は言う。

「山際は、小林鷹之前経済安全保障担当相、牧島かれん前デジタル相などとともに、元幹事長の甘利チームの『若手三羽ガラス』といわれた。岸田改造内閣で、甘利は3人のうち誰かを留任させたくて、麻生さんを通じて山際の閣内残留を強く求めたそうです。そうして留任を果たした山際ですが、旧統一教会との関係を岸田首相や茂木幹事長に報告していなかった。今にして思うと、結果として岸田首相と自民党を裏切ることになってしまったんです」(麻生番全国紙政治部幹部)

恥辱の「本会議場謝罪」

岸田首相は任命責任を認め、本会議場で深々と頭を下げ謝罪した。極めて異例なことである。泉健太立憲民主党代表はこう言う。

「もはや、これ以上隠しきれなくなって辞任ということでしょう。と同時に、岸田首相の決断力がいかに乏しいかということもはっきりしました。円安物価高で国民生活は我慢の限界に達しているというこのときに経済対策を担当する大臣が辞任し、経済財政諮問会議が中断したことは大きな混乱を招いています。岸田政権に経済対策を任せていればまたこのような遅滞が発生するのではないでしょうか。信頼を失った政権は即刻、退陣すべきです」

たしかに岸田首相は混乱の極みにいると、経産省キャリアも言う。

「電気代、都市ガス代高騰対策はまだスキームができ上がっていないのです。どうしたらいいものか。しかも、LPガス対策はしないことが決まっているのに、岸田首相は対策を講じるような発言を繰り返してしまい、経産省は混乱しています。

新資本主義の柱に据えるはずだったNISA売り出しシステムも暗礁に乗り上げ、金融庁は途方に暮れていますよ」

また、別の官僚はこう懸念する。

「あれっと思ったのは、旧統一教会の解散請求について答弁が二転三転していること。民法違反でも解散請求できるのかできないのか、あの答弁ではなにも分からない。官邸の事務秘書官たちは頭を抱えています」

岸田首相ご乱心の噂は自民国対からも上がっている。そもそも、閣僚交代の任命責任を予算委員会で追及されることはあっても、本会議場で詫びた首相は過去にいないからだ。自民党国対関係者は極めて不機嫌にこう言い放った。

「山際更迭は、野党の手柄になってしまった。岸田首相は慣例にない大臣交代説明を行い、お詫びをしたんですよ。会期延長が人質にとられた格好です。こんなことあり得ない。岸田政権は死に体だということを世間に晒しているような、大きな恥辱です。

岸田首相の腰砕けに自民国対や議運は付き合わされ、野党にいいように振り回されているんですよ。しかも、山際後任の後藤茂之前厚労相は訴追委員に就任していたから、入閣となってまた人事のやり直しです。岸田首相はいったい、どうしちゃったのか、めちゃくちゃだ」

政治の作法を逸脱して、なりふり構わぬ「対応」を繰り出している岸田首相。就任から1年経った今、国民生活は円安物価高に喘ぎ、旧統一教会に汚染された自民党政治への不信感を払拭できない。長男の秘書就任も効果がなかった。政権のカウントダウンが聞こえる。

  • 取材・文岩城周太郎写真つのだよしお/アフロ

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