”独裁者”習近平が「台湾武力統一」に動き出すXデー | FRIDAYデジタル

”独裁者”習近平が「台湾武力統一」に動き出すXデー

異例の3期目に突入 胡錦濤前総書記をあからさまに排除するパフォーマンスで自らの力を誇示 党中枢を側近で固め恐怖政治に突き進む

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異例の3期目となり「中国共産党旗」の前で新体制について説明する習氏。李首相など温度差があるといわれる人物は大半が退任した
異例の3期目となり「中国共産党旗」の前で新体制について説明する習氏。李首相など温度差があるといわれる人物は大半が退任した

象徴的なシーンだった。

10月22日に北京の人民大会堂で行われた、中国共産党大会の閉幕式。前総書記の胡錦濤(こきんとう)氏が、職員にうながされ退席させられたのだ。胡氏は、「2期10年まで」という慣例を破り異例の3期目に突入した習近平(しゅうきんぺい)総書記への権力集中に、反発しているという。あからさまな排除ともとれるパフォーマンスだ。中国情勢に詳しい、拓殖大学教授の富坂聰氏が語る。

「最高指導部からは、胡氏と同じエリート養成機関『中国共産主義青年団』出身の李克強(りこくきょう)首相など、バランス感覚を持った人物が退きます。習氏の周囲は側近で固められ、ブレーキ役がいなくなってしまったんです。独裁色を強める習氏の暴走につながりかねません。言論封殺、反対する知識人や富裕層の粛清……。中国を発展させ自身の名前を歴史に残すためなら、恐怖政治も厭(いと)わないでしょう」

習氏は、20年以上にわたり権力の中枢にいるロシアのプーチン大統領を指導者像の参考にしているとされる。プーチン大統領も、周囲をイエスマンで固め暴走。ウクライナへの侵攻を、誰も止めることができなかった。習氏で懸念されるのが、「台湾武力統一」だろう。

「今年8月に対立する米国のペロシ下院議長が台湾を訪問した際、李首相は『過激な軍事行動をする必要はない』と習氏を諫(いさ)めました。しかし習氏は無視します。報復として、台湾近海で史上最大規模の軍事演習を実施したんです。習氏は10月16日の共産党大会の活動報告で、台湾への武力行使を『放棄することはない』と強調。22日に採択された党規約には、『台湾独立に断固反対し抑え込む』と明記されました」(全国紙国際部記者)

今回の中国指導部の刷新で、人民解放軍トップの顔ぶれも変わった。台湾と軍事的に対峙する南東部・福建省出身の幹部や、8月の大演習を指揮した人物が抜擢されたのだ。中台の緊張関係は一気に高まっている。中国人ジャーナリストの周来友(しゅうらいゆう)氏が解説する。

「これまで中国は、台湾統一を三つの段階で考えていました。一つ目は、対話などによる平和的統一。二つ目は、海域の封鎖など圧力による統一。最終手段が、武力を行使した統一です」

習氏が態度を硬化させたことにより、最終手段が実行される「Xデー」は一気に具体化しそうだ。可能性が高いのが台湾総統選と米大統領選の、二つの重要な選挙が行われる年だという。軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏が語る。

「『だいぶ先だろう』という予測をしていた米国政府が、最近しきりに『’24年に中国が台湾に侵攻する』という情報を流しています。おそらく、中国の精度の高い内部情報を掴んだのでしょう。艦艇や爆撃機、空挺部隊を使い一気に侵攻し、米国との限定的な衝突も起きるかもしれません。そうなれば、日本も他人事ではいられない。沖縄や九州にある米軍基地が、ミサイル攻撃の対象になるんです」

日米台を巻き込んだ東アジアの紛争危機は、日に日に現実味を帯びていく。

拒否する素振りをみせながら職員の誘導で退席した胡氏(中央)。習氏に厳しい表情で声をかける場面もあった。権力が集中する習氏に抗議しようとしていたという説もある
拒否する素振りをみせながら職員の誘導で退席した胡氏(中央)。習氏に厳しい表情で声をかける場面もあった。権力が集中する習氏に抗議しようとしていたという説もある

『FRIDAY』2022年11月11日号より

  • PHOTOAP/アフロ

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