NHK朝ドラ主人公に演技派女優・趣里が選ばれた納得の理由 | FRIDAYデジタル

NHK朝ドラ主人公に演技派女優・趣里が選ばれた納得の理由

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来秋のNHK朝ドラ『ブギウギ』の主演に決まった趣里。オーディションで披露した笠置シヅ子の代表曲『東京ブギウギ』の歌唱力の評価も合格の要因だとか(写真:共同通信イメージズ)
来秋のNHK朝ドラ『ブギウギ』の主演に決まった趣里。オーディションで披露した笠置シヅ子の代表曲『東京ブギウギ』の歌唱力の評価も合格の要因だとか(写真:共同通信イメージズ)

橋本環奈(23)が今年のNHK『紅白歌合戦』の司会に決まったことが業界をざわつかせたが、もう一つNHK関連のニュースで注目を浴びたのは来年後期の朝ドラ(連続テレビ小説)『ブギウギ』のヒロインに趣里(32)が選ばれたことだ。

朝ドラのヒロインに新人女優が選ばれることがなくなって久しい。昔は新人の登竜門と言われ、朝ドラが初主演であることはもちろん、ドラマ経験のない女優もいたが、最近はすでにドラマや映画で主演を努めたり、映画賞の受賞歴まである女優が選ばれたりしている。

今放送中の『舞いあがれ!』のヒロイン福原遥(24)はご存じの通り、小学生の時にNHK E テレの子ども向け料理番組『クッキングアイドル アイ!マイ!まいん』で主人公の少女・柊まいんを演じて注目を浴びた。朝ドラの前には、山下智久(37)が主演のドラマ『正直不動産』(NHK)にもヒロイン役で出演している。『ちむどんどん』の黒島結菜は、朝ドラでは『マッサン』(15年)『スカーレット』(20年)に出演済みだし、『おかえりモネ』の清原果耶(20)は、朝ドラはもちろん連ドラで主演を務めた経験がある。

研究生が朝ドラヒロインに抜擢されたことがある劇団に所属していたという元舞台監督はこう語る。

「昔は藤田弓子さんや高橋洋子さん、鈴鹿景子さん、藤田三保子さんなど割と劇団所属の女優さんが選ばれることが多かった気がします。オーディションはありましたが、自分で申し込むというより、NHKのプロデューサーが直接劇団を訪ねてきて、新人の研究生に参加するように促していました。劇団をひとつひとつ回っていると言っていましたから、そうやって新人を発掘していたんでしょう」

最近はオーディションさえ行われないこともある。『まんぷく』の安藤サクラ(36)以来6作連続でオーディションは行われておらず、戸田恵梨香(34)、広瀬すず(24)らはオファーされてヒロインになっている。『カムカムエヴリバディ』の川栄李奈(27)はオーディションで主演の座を勝ち取ったが、新人ではない。朝ドラが新人女優を選ばなくなった理由は何なのか。長年、キー局でドラマ制作に携わっているプロデューサーによれば、

「朝ドラが大河や紅白と同じように常に高視聴率が言及される看板番組になったからでしょうね。失敗が出来ないわけです。となると無名の新人女優を使うのはリスキーです。実力も人気もある女優のほうが視聴者を引き寄せることが出来ますから。昔の朝ドラは、演技も拙い新人がドラマの進行と並行して成長していく過程を見守り、そして送り出す。その過程を視聴者もヒロインに感情移入しながら楽しんでいました。しかし、今はそんな余裕はありません。ヒロインを演じる俳優が名前もよく知らないうえに演技も下手だったら、たとえ視聴習慣があったとしても離れていく視聴者は多いでしょう」

今回、2471人の応募の中から選ばれた趣里は4度目の挑戦でヒロインの座を勝ち取った。年齢は32歳で年齢制限ギリギリだった。彼女は’11年に女優デビューして、朝ドラ出演経験もある。

「すでに映画やドラマ舞台に数多く出演していてベテランと言ってもいい。ですが印象が薄い。でもそこがいいんでしょうね。手垢が付いた感がなく新鮮です。それでいて演技は定評があり、朝ドラにはピッタリじゃないでしょうか。両親が水谷豊と伊藤蘭というのもアドバンテージだと思います。事務所の力なんて話も出ていますが、最終審査で同点で2人残ったら、力のある事務所に所属している方が有利になるのは仕方ないことです」(前出・プロデューサー)

趣里が選ばれるべくして選ばれたということか。

 

  • 佐々木博之(芸能ジャーナリスト)

    宮城県仙台市出身。31歳の時にFRIDAYの取材記者になる。FRIDAY時代には数々のスクープを報じ、その後も週刊誌を中心に活躍。最近は、コメンテーターとしてもテレビやラジオに出演中

  • 写真共同通信イメージズ

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