メジャー挑戦の吉田正尚 ドラフト時に語っていたMLBへの思い | FRIDAYデジタル

メジャー挑戦の吉田正尚 ドラフト時に語っていたMLBへの思い

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青山学院大学硬式野球部時代の吉田。体重は当時より3キロ増えたが、体型はほとんど変わっていない
青山学院大学硬式野球部時代の吉田。体重は当時より3キロ増えたが、体型はほとんど変わっていない

『SMBC日本シリーズ2022』でオリックスがヤクルトを4勝2敗1分で破り、26年ぶりの日本一を達成した。主砲としてチームを牽引してきた吉田正尚(29)は、第5戦で今シリーズの自身第1号となるソロホームランを放ち、最終回では、この日2本目となるサヨナラホームランでシリーズの流れを一気に手繰り寄せた。シリーズMVPこそ杉本裕太朗(31)に譲ったが、主砲としての重責を十分に果たしたといえる。

翌日のスポーツ紙には、『オリックスの26年ぶりの日本一』を祝う言葉が一面を賑わしたが、一方で『吉田正尚がポスティング直訴へ』という記事が掲載された。

「吉田は野球を始めた幼少期の頃からメジャーへの強い憧れがあり、夢はメジャーで活躍することだと公言しています。確かに、身体が小さいということは大きなハンディになりますし、そこは吉田自身が一番感じている。その反骨精神で諦めずにやってきた結果、これまで掲げてきた目標を全て達成してきました。だからこそ、次は最高峰のメジャーに挑戦したいという思いが人一倍強いのだと思います。彼は、野球界きっての理論派でもあるので、今が絶好機だと確たる根拠があって声をあげたのだと思います」(スポーツ紙記者)

2015年10月。当時、大学日本代表の4番を務め、その年のドラフト1位候補選手の一人として、フライデーは吉田選手の独占インタビューを行っている。そこで、彼が語った野球理論、メジャーへの思いとは…。

足が速くないから、球を遠くに飛ばすしかなかった野球少年

当時の吉田の身長は173センチ、体重82キロと、プロ野球選手の平均値を大きく下回っていた。それでも吉田は、球を遠くに飛ばすことにこだわり続けていた。その理由は、

「もっと足が速かったら、コツコツヒットを量産する選手になっていたと思います。でも、足が速くなかったので。小学1年生から野球を始めたんですが、とにかくバットを振ってました。ひたすらバットを振っていたんです。それで、父にバッティングセンターに連れていってもらって、打った球がどんどん遠くに飛ぶようになっていったんです。そのときの喜びというか、その感じが忘れられないんです。バットを振り続けていたら、ちょっとずつでもボールが遠くに飛ぶようになるのが実感としてわかるんです。それが楽しくて、気がついたら遠くに飛ばしたいと思うようになっていました。体はずっと小さかったですが、高校になって体幹をつければ追いつけると思っていたので、全然焦ることはありませんでした」

ウェイトトレーニングも、バッティング練習も、身体が小さいからという理由で他の選手よりも多くこなそうとは思わなかったという。

「ただ重たいものを持ち上げるとか、見せる筋肉を作っても意味がないので、野球に必要な筋肉をつけるということだけを意識してずっとやってきました。バッティング練習も特別なトレーニングは全然していなくて。ただ、意識しているのは、ボールにアジャストする瞬間に自分の10の力を無駄なく出せるようにというのを理想として、ありとあらゆることを試しながらやっています。例えば、最初から力を入れて打つとどうなるんだろうかとか、変化球の場合は、こういうタイミングでこういう力の入れ方をするとどれくらい飛ぶのだろうかとか。自分なりの幅を試しながらやっているというイメージです。

インパクトのこつだとか、手首を返すタイミングだとか、いろんなことを試して、これだ!と思ったことを徹底的にやってきたということかもしれません。ただバットを振るだけではわからないんです。ティーバッティングでボールにしっかり当てて、そのあとフリーで素振りをするとか、段階を踏んで大事なところを徹底的にやるということだと思います」

そんな吉田が理想とする自身の将来像は、

「ホームランバッターではありません。打率2割で30本を打つのではなくて、打率3割で20本を常にキープできるような、そういうバッターを目指しています。初球からいい球がくれば、それをしっかり叩いてホームランにできる。追い込まれたら同じスイングをするのではなくて、ピッチャーのウィニングショットをしっかり叩いて打ち返すような、ピッチャーから『いいバッターだな〜』と思ってもらえるような、そういうバッターになりたいです。

3割打てるバッターはほんの一握りなので、それを1年間だけでなくコンスタントに打てるようになって初めて長く活躍できる選手になれます。もちろん、1年目から目標にして、コンスタントに打てる安定感のある選手になりたいです」

最後に、将来的にメジャーを目指すのかと聞くと、このような答えが返ってきた。

「もちろん、メジャーへの憧れはあります。今年、テキサスレンジャーズのキャンプに行かせてもらったんですけど、スケールがデカすぎて…。ボールのスピード。バットスイングのスピード。全然違いました。自分が子供のころ感じたようなインパクトでびっくりしました。いまの僕じゃ、もう全然…」

その後、吉田は宣言通り、ここ5年間で3割20本を4度も達成した。確固たる実績と自信を持って、吉田はメジャーに向かおうとしている。

カメラマンの「笑顔をお願いします」の声に、「学生時代ほとんど注目されてなかったので慣れてないんです」と、はにかむ吉田
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学生時代の宣言通り、毎年、3割20本を常にキープし続ける努力と技術は、イチローにも引けを取らない(写真:時事通信社)
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  • PHOTO濱崎慎治(1,2枚目)時事通信社(3枚目)

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