<figure id="attachment_273358" aria-describedby="caption-attachment-273358" style="width: 1707px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="8cbfe267"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/11/709f4927793d16eeaa76e569fc255c97.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-273358" class="wp-caption-text">インタビューに応じた安室奈美似。母・瑛子さんの死をまだ完全には受け入れられていない</figcaption></figure>
<p>元歌手でダンサーの安室奈美恵や抜群の歌唱力で今も熱狂的なファンを持つ中森明菜の一挙手一投足を「完コピ」するものまねタレント、安室奈美似（中森あきない）さんは2014年11月に脳挫傷で深刻なダメージを負った母・瑛子さんの介護を続けてきた。だが7月25日、瑛子さんが亡くなっていたことが明らかになった。その後、納骨などの法要を終えてこのたびインタビューに応じた奈美似さんは「母が最期を迎えるときの私とのやりとりもSNSで公開したい」と明かした。なぜなのだろうか。</p>
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<p><span class="strongInContent">「母が突然病に倒れてからは、自分のことで母に余計な心配をさせたくなかったので、少なくとも母の前では泣かずに過ごしてきました。さすがに最後の最後は泣いてしまいましたけど……。</span></p>
<p><span class="strongInContent">今まで公表を控えていたのは、自分の中でまだ母の死を認めたくない気持ちが残っていたからです。時間がたてばたつほど、苦しく、悲しみが増しています。今でも家のドアを開けたら『母がいるんじゃないか』という錯覚が抜けないんです」</span></p>
<p>そう明かした奈美似さんは15歳の時、TV局の番組企画でスタートしたアイドルユニット「桜っ子クラブ」の第１期メンバーとしてデビュー。同クラブの卒業生には、女優の中谷美紀、菅野美穂、井上晴美など錚々たるメンバーがいた。</p>
<p>ステージやグラビアで活躍していた20歳の頃、当時一世を風靡していた安室奈美恵の「そっくりさんタレント」として「全日本そっくり大賞」を皮切りに、「ものまね王座決定戦」などメジャーな番組に出演してブレイク。ものまねタレントとして一本立ちする足掛かりとなったが、多忙を極めていた2014年11月下旬、仕事中の奈美似さんに衝撃の知らせが届いた。</p>
<p><span class="strongInContent">「飲食店を営んでいた母が地下1階の店舗を閉めて帰宅する際、約20段の階段を真っ逆さまに転落し、救急搬送されたという電話でした。医師からも『娘さんの許可がないと手術ができないし、このままでは命が危ない。今すぐに戻ってきてほしい』といわれたのですが、私はステージに穴をあけられない。なので『終わったらすぐに駆け付けますので手術してください』とお願いしました」</span></p>
<p>ステージを終えて病院に向かうと、手術の最中に間に合った。だが、手術室から出てきた母は、ピクリとも動かなかった。診断は、脳挫傷と左鎖骨骨折。意識は戻らず、「脳のダメージで、今後は眼球運動と瞬きしかできない『ロックドイン症候群』（閉じ込め症候群）になる。回復は望めない」と告げられ、「99％意識は戻らない」とも言われた。</p>
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<p>だが非情の宣告から約2週間後、希望の光が差し込む。「大好きだった父の歌を聞けば、母が反応するかもしれない・・」と奈美似さんの亡くなった父、三男（みつお）さんの歌を流すと、一瞬、瑛子さんの目が開いた。すぐに閉じてしまったが、その目が奈美似さんに焦点が合った一瞬を見逃さなかった。</p>
<p><span class="strongInContent">「父の歌声が聞こえている！　脳が反応している。元気な母に戻してみせる！」</span></p>
<p>手術後、転院したリハビリ施設を訪れては反応がなくても「ママ、大丈夫だよ。絶対に治すから」と言葉を投げかけ続けた。母を勇気づけながら、自身をも鼓舞するキーワードは「大丈夫」だった。</p>
<p>懸命の介護の甲斐あって、手術から２か月経過した頃、瑛子さんはジャンケンすると必死になってグーやチョキを出そうとするまで回復。2017年にリハビリ施設から退院後は自宅介護となり、夫の雅也さんや事務所スタッフ、奈美似さんの付き人などと交代制で自宅で介護を続けていた。</p>
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<figure id="attachment_273369" aria-describedby="caption-attachment-273369" style="width: 869px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="a21158f1"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/11/80d567f09cd5c29fa05c84f96c898174.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-273369" class="wp-caption-text">2014年に倒れた瑛子さん（右）を奈美似さん（左）は2017年から自宅で見続けた</figcaption></figure>
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<p>2020年、新型コロナウイルスが世界的に蔓延すると、瑛子さんへの感染を避けるための生活スタイルを最優先して考え、奈美似さんの仕事の軸も自宅でのTikTokライブに変わった。そんな娘を見ていた瑛子さんは『自分の存在がお荷物になってしまっている』と感じてふさぎ込む時期もあったという。そこで、瑛子さんの体調がいい時は奈美似さんのTikTokライブ配信に登場させることで瑛子さんも明るさを取り戻し、瑛子さんと同じような闘病をしている視聴者やその家族への励みにもなっていた。</p>
<p>そんな瑛子さんに異変が訪れたのは、コロナ感染者が急増した今年7月。発熱はなかったが、痰が取れなくなって酸素濃度が下がっため、奈美似さんは救急車を呼び、瑛子さんは久しぶりに入院生活がはじまった。</p>
<p>奈美似さんは自宅と病院の往復を繰り返していたが、高熱が下がらなくなった7月25日、病院から呼び出しがかかり、急いで駆けつけると、瑛子さんはすでにぐったりとしていた。</p>
<p><span class="strongInContent">「（最期の瞬間に）間に合わないかもしれない、と焦りながら病院に駆けつけ、何とか間に合いました。今思うと、母は最後、私を見たくて頑張ってくれたと思います。ただ、顔をみてほっとしたのかな、とも思うんです。面会できてから、心拍数や酸素濃度の数値がだんだん下がっていって、それでも母は何とか意思表示しようとして体を動かしていました」</span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="愛する母との最期の瞬間"></div>
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<figure id="attachment_273359" aria-describedby="caption-attachment-273359" style="width: 559px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="d42fb377"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/11/45c2dcddf851ddf2a45eb549817578f3.jpeg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-273359" class="wp-caption-text">7月25日、瑛子さんが息を引き取った瞬間、合掌して頭を垂れた奈美似さん。左は夫の雅也さん</figcaption></figure>
<p>本当にこれが最期になるかもしれない。そう感じた安室さんは瑛子さんが静かに息をひきとる瞬間まで、絶叫するような大声で母に語り掛けた。瑛子さんは目を開けて安室さんを見ていたという。</p>
<p><span class="strongInContent">「ありがとうね！」</span><br>
<span class="strongInContent">「私にみんなついているからね！私は大丈夫だから！」</span></p>
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<p>コロナ禍で病院での面会に制限がある中、愛する母の最期の瞬間に立ち会うことができた。８年前に母が突然倒れてからは、母とは常に楽しい雰囲気を作りながら看病することを心がけてきた。日によっては夜通し看病してそのまま地方興行へ出発。睡眠は移動中という生活もあり、母との時間を十分作ってきたが、それでも今、自問自答の日々だ。</p>
<p><span class="strongInContent">「『最期の瞬間』を病院で迎えたほうがよかったのか、自宅がよかったのか、ということです。病院の方がいろんな設備が整っていますので、突発的に何か発生したときの安心感はありますが、冷静に考えると、母のような大きな病気を抱えた人にとっては病院は限られた命を少し延ばすだけの場だったのかもしれない。それならば、住み慣れた自宅のほうが『最期の瞬間』は少し早く来たかもしれないけれど、家族みんなに囲まれてやすらかにいけたのかな、とか……」</span></p>
<p>そんな中、「これだけはやりたい」と決めていることがある。</p>
<p><span class="strongInContent">「私はこれまで、母が病に倒れてから、奇跡的に意識を回復するまでの様々な場面の映像をとって編集して、TikTokやYouTubeで公開してきました。同じ境遇にある人にとっても少しでも参考になればありがたい、という思いがあるからです。今回、母との最期の瞬間も映像におさめたので、それも公開したいと考えています」</span></p>
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<p><a href="#" data-ident_hash="c1f49b60"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/11/a855e8336e92b42110f747d9979b4020-1.jpg" alt=""></a></p>
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<p>家族や親しい人が息を引き取る瞬間は、どんな人にとっても非常にセンシティブな場面だ。胸の中にしまっておきたい、と考える人が多いのではないだろうか。それをあえて一般の方がみられるように公開したい、と奈美似さんが決めたのはなぜだろうか。</p>
<p><span class="strongInContent">「可能であるならば、最期の瞬間を皆さんに看取ってほしい、と希望していますし、見てくださった皆さんが考えるきっかけになってくれればいいな、と思うからです。</span><br>
<span class="strongInContent">　死が迫っている人は大なり小なり、心配事を抱えているんです。『私が居なくなっても子供は大丈夫かな』とか『飼っている犬は誰が面倒見てくれるのかな』とか……。看取る、というのはその心配を解いていく作業だと気づきました。</span></p>
<p><span class="strongInContent">私は2008年に父をガンで亡くしました。私は当時、まだ30代半ばで、仕事が忙しかった影響もあり、父に頻繁に会うことはできませんでした。がんで弱っていく父の姿を見るのが怖い、という感情もありました。</span><br>
<span class="strongInContent">亡くなる１，2週間前に父に会いにいったときに『もし俺が亡くなったらママ（母・瑛子さん）にこうしてほしい』とか言われていたんですが、最期の瞬間に私が立ち会えなかったので、父の意識があるうちに心配事を解いてあげることができなかった。その後悔が私の心の中にずっとあったので、母の時は必ず看取りたい、と思っていました」</span></p>
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<p>父を亡くしたときに抱いた後悔が、母の死を迎えるにあたって教訓になった。それでも拭えない思いがある。</p>
<p><span class="strongInContent">「私は母がいつ亡くなってもいい、と思えるぐらいのことはやってきたつもりですが、それでも今、私は自問自答している。つまり、どんなに頑張ったとしても『やり切った』という感情は持てないのかもしれなません。それぐらい、身近な人を失うという事実は重く、大きいことなんだと思います。</span></p>
<p><span class="strongInContent">　誰にとっても死はいずれ訪れますから、特に介護をされる方は、少しは残るかもしれない『後悔』が極力少なくて済むよう、楽しく介護してほしい。そして、死が目前に迫っている方が心配していることに対して、すべて『大丈夫』という気持ちにさせてあの世に送ってあげてほしい。私は見てくださった方を少しでも元気づけられてお役に立てる母の動画をこれから公開していくつもりですし、それ以外でも今後、少しでも社会のお役に立てるようなSNSを立ち上げられないかな、と考えています」</span></p>
<p>人目のつかないところではいまだに悲しみの渦中にいる奈美似さんは母・瑛子さんが生前過ごしていた部屋の壁、電気、キッチンをすべて新装している最中だという。深い悲しみをを胸の奥底にしまい、母の死に直面したからこそ決断できた新たな社会貢献にむけて、<br>
スタートを切った。</p>
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<p>◆中森あきない（安室奈美似）</p>
<p>https://www.tiktok.com/@nakamoriakinai?_t=8Wya0toyuBO&#038;_r=1</p>
<p>◆ママの気持ち</p>
<p>https://www.tiktok.com/@mamanokimochi?_t=8Wya47TWbMf&#038;_r=1</p>


安室奈美似

インタビューに応じた安室奈美似。母・瑛子さんの死をまだ完全には受け入れられていない 元歌手でダンサーの安室奈美恵や抜群の歌唱力で今も熱狂的なファンを持つ中森明菜の一挙手一投足を「完コピ」するものまねタ

安室奈美似さんが急死した母の「最期の瞬間」をSNSにあげる理由

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