<figure id="attachment_273459" aria-describedby="caption-attachment-273459" style="width: 1478px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="6bcf2ce5"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/11/e175277faf05b5659c9704ba35965401.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-273459" class="wp-caption-text">2020年3月、コロナ禍による「買い占め騒動」が起き、介護していた母・瑛子さんの紙おむつが不足する事態に。奈美似さんが窮状を訴えた記事を公開すると読者から紙おむつ、マスク1500枚が届けられ、1000枚を高齢者施設や個人に寄付した</figcaption></figure>
<p>2014年に急性硬膜下血腫で倒れ、今年7月25日に亡くなるまで母・瑛子さんの介護を続けてきたモノマネタレントの安室奈美似さんが困窮者支援のためにチームを結成した。新型コロナウイルスの感染拡大がはじまった2020年以降、ステージなどでの営業活動が大幅に抑えられ、仕事の中心をＴikTokライブに移行させた奈美似さんはフォローワーが43万人を超え、公式TikTokerにも任命された。同じくＴikTokでバズっている仲間など10人を集め、神奈川県内にある電気工事会社「Electro　Dimensions」の長澤駿社長とともに「<a href="https://www.3piece-japan.com">スリーピース</a>」というチームのURLも作った。</p>
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<p>コロナ禍によるエンタメ界への打撃は大きく、奈美似さんの収入も最盛期の４分の１ほどまで落ち込んでいる。にもかかわらず、なぜ今、人助けのために動こうと考えたのだろうか。</p>
<p><span class="strongInContent">「コロナの感染が落ち着いていた時期に老人施設などからお声がけいただいて屋外で営業活動をやらせてもらうこともありました。お年寄りと直に触れ合ってお話する中で、コロナによって人が笑顔になる遊び、娯楽が極端に少なくなってしまって、そのことがお年寄りの方々にとってもストレスになっているな、と感じたんです」</span></p>
<p>奈美似さんもコロナ禍の真っただ中では自宅で瑛子さんの介護をしながら、ライブ配信の日々。ただ、視聴者との交流が、新たな仕事を生み出すきっかけとなった。</p>
<p><span class="strongInContent">「私のライブの熱心な視聴者の中に長澤社長がいらっしゃって、５年ほど前に私のショーを主催していただきました。長澤社長は、母が植物人間の状態から復活しようと頑張っていることや、母の介護と仕事を両立させるために、少ないときは睡眠時間１、２時間しかとれない私のおかれた境遇の話も聞いてくれました。その中で『エンタメを通して世の中で困っている人を助ける活動を何かできませんか』という話に進んでいったんです」</span></p>
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<p>長澤氏の祖父・黒川秀次氏は栃木県在住で、社会貢献の分野で平成天皇から叙勲を受けたほどの人物だった。しかしその後、長澤氏の父が会社役員をしているときに騙され、莫大な借金を背負うことになり、そのまま破産。長澤氏は22歳のころ、家の電気を止められ、真冬に水風呂しか入れないこともあり、当時の実家がなくなるなどの経験もした。今からわずか13年ほど前のことだ。長澤氏が明かす。</p>
<p><span class="strongInContent">「当時、電気を止めに来た方に『ウチ以外にも払えない人はいますか』と聞いたら、『今日だけで百何十件、止めてきました』と言われたんです。私が電気を止められたから『同じ境遇にある人がたくさんいる』と気づくことができただけで、世の中には自分の知らないところで苦労している方がたくさんいることを痛感した瞬間でした。人助けのために（安室さんと）一緒に活動していく根底には、私が味わった地獄のような思いを、もう周りの方には味わってほしくない、という願いもあります」</span></p>
<p>そこで、奈美似さんと長澤社長が話し合い、同じように「人助けをしたい」と考えている同志のTikTokerを10人集めて『スリーピース』が結成された。『スリーピース』には平和（peace）、尊さ（precious）可能性（possibility）の３つの単語が由来になっている。平和を願うのはもちろんの事、命に限らず存在する全ては尊いもので、この団体の可能性を追求する「可能性」という単語もいれた。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="家族がかつて叙勲を受けた長澤氏の思い"></div>
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<figure id="attachment_273460" aria-describedby="caption-attachment-273460" style="width: 1108px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="c4314e2c"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/11/e8cef5ad86531d61d43afd42813ded19-1.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-273460" class="wp-caption-text">長澤社長の祖父・黒川秀次氏は社会貢献の分野で叙勲を受章。いただいた記念の品は長澤氏の会社に置かれていて、祖父の足跡を受け継いで社会貢献したいと考えている（写真：長澤氏提供）</figcaption></figure>
<p>10人の中にはフォロワー数43万人を超える<a href="https://www.tiktok.com/@nakamoriakinai?_t=8WybP3dJdXm&amp;_r=1">奈美似さん</a>をはじめ、同じくフォロワー38万人の｢<a href="https://www.tiktok.com/@daidougeininhand">大道芸人ハンド</a>｣なども名を連ね、それ以外にもピアノ演奏者やTVに出演経験のある元芸人など、同じエンタメでも分野が多岐にわたっている。長澤氏は続ける。</p>
<p><span class="strongInContent">「TikTokで有名な方の影響力でより多くの人に活動内容が届くようにしたい。スリーピース独自でYouTube開設して、活動当初はそこで生み出される広告収益、イベントを企画して、その財源を使って社会貢献活動をしていくイメージです。</span></p>
<p><span class="strongInContent">NPO法人という選択肢も考えましたが、お金の補助をしていただける分、制約も多い。私たちは世の中の困っている様々な事例に対応できるようにしたいので、会社の中の１セクションとして動けるようにしました」</span></p>
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<p>支援を希望する人は公式Lineの問い合わせフォームから申し込み、奈美似さんや長澤社長らとの面接などを経て決まる。</p>
<p>スリーピースが本格的な活動を準備する段階ですでに人助けをした事例もある。コロナ禍で経営に行き詰った洋食店Aの複数の従業員、別の洋食店Bのシェフがいる情報を得て、彼らが働ける新たな洋食店を東京都内に立ち上げた。奈美似さんもTikTokライブでお店の紹介をして、一部の視聴者も足を運んだことも手伝ってコロナ禍でもその洋食店は継続しているという。奈美似さんはこう明かす。</p>
<p><span class="strongInContent">「コロナでお店が立ち行かなくなって、もう一度頑張りたいと考えていたのに、働く場所がない、という人たちでした。何度も話し合いを重ねる中で私たちが助けられる手段が見つかった一つの例です。</span></p>
<p><span class="strongInContent">私は仕事で多忙を極めていた2014年11月に母が倒れて病院に運ばれた一報を受けたときはステージの最中でした。病院の方の尽力で一命をとりとめましたが、母は一時、植物状態に陥って、医師からも『99％、意識は戻らない』と言われて、そこからもう一度這い上がって指で意思表示ができるところまで回復しました。極端な言い方をすれば母は一度、落ちるところまで落ちてしまい、奇跡の回復をとげられるよう伴走してきた私も、生活は一変しました。ただこの生活を続ける中で、私が経験したことや感じたことがほかの人の役にたつのであれば、喜んで話をしたいし、悩んでいる人の話を聞いてあげたい気持ちも日に日に増してきました。</span></p>
<p><span class="strongInContent">今は、言ってきてくださった方すべてを助けてあげられるわけではないので、その点は心苦しいですが、自分と縁があった困っている人を支援できる活動をずっと続けていきたいです」</span></p>
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<p>目指すのは、日本でもあまり例を見ない「人助けインフルエンサー」。コロナや円高などの影響もあって開放的な雰囲気がまだ戻らない日本で、人々の笑顔を取り戻すための活動を少しずつ広げていく。</p>


ものまねタレントの安室奈美似さんは仕事と並行して９年近く介護を続けてきた母・瑛子さんを7月に亡くした。そのことをきっかけに、困った人たちを助けるためのプロジェクトを立ち上げた。

母の死で決意…安室奈美似がはじめる「困窮者支援」とは

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