ポカリC Mで注目！八木莉可子「満島ひかりさんから学んだこと」

「満島ひかりさんに『台本を読み込みすぎないほうがいいかもね』とアドバイスをいただいて、ハッとしたんです」

女優・八木莉可子（21）は、先輩と共演した体験をそう振り返る。’15年に７８５１名が参加したオーディションを勝ち抜き、宮沢りえや綾瀬はるかも出演した「ポカリスエット」のＣＭでデビュー。今月から配信予定のＮｅｔｆｌｉｘオリジナルドラマ『Ｆｉｒｓｔ Ｌｏｖｅ 初恋』では、満島ひかり演じる主人公の青年時代の役に抜擢された。

「撮影前、ひかりさんが演者を集めてワークショップ（体験型の演技の勉強会）を主宰してくださったんです。役を入れ替えて演じたり、『体の動きと感情は一致している』ということを学んだりしました。

たとえば、穏やかにセリフを言いながら、激しくカーテンを開ける動きをするのってすごく難しいんですよ。それを実際に試して、体と心が深く関係していることを実感しました」

実際に現場入りしてからは、大先輩と同じ人物を演じることへの緊張から、台本を何度も読み返していたという。

「そんな時にひかりさんからいただいたのが、『読み込みすぎない』というアドバイスでした。自分のなかで配役の演じ方を決めつけてしまうと、相手に合わせて間合いや目線の動きを変えることができなくなってしまう、と気づいたんです。台本を大事にしつつも、対話の臨場感を見せなければいけないと教わりました。

ひかりさんは他にも、『莉可子ちゃんのありのままのキラキラした部分が画面に映るといいね』と声をかけてくださいました。今でもすごく大切な言葉です」

最近は、ＮＨＫ大河ドラマ『鎌倉殿の13人』にも出演。話題作の撮影を重ねるなかで、悩みも生まれた。

「周りのことを気にしすぎちゃうタイプなので、『私のミスで少し時間が押したな』とか、細かいことが心に引っかかって……。監督に『役に入り込むのが役者の仕事だから、周りに気を遣いすぎちゃいけないよ』と言ってもらえたんですけど、性格上、どうしても気になる（笑）。本格的に上京して、お仕事の幅が広がるほど、考えることが増えますね」

東京にやってきたのは18歳の時。大学進学を機に地元の滋賀県から上京した。

「夏になるとカエルの大合唱が聞こえるような場所で、季節によって風の匂いが変わる、自然が豊かな場所です。人ものんびりした雰囲気の町なんですよ。中学生で『ポカリスエット』のＣＭに出演していた時も、学校の友達はそれまで通り普通に接してくれたので、そのあたたかい雰囲気がありがたかったです。
今でも年に何度も帰省するくらい滋賀が好きなので、地元を離れるのは寂しくて……。上京する前に友達みんなでカラオケに行って、レミオロメンさんの『３月９日』を歌いながら、『東京行きたくない！』ってみんなに甘えました（笑）」

現在は大学３年生。キャンパスライフと芸能活動を両立させている。

「新型コロナでオンラインだった授業がようやく対面形式になって、『人間の幸福度』についての勉強をしています。幼い頃から勝ち負けを決めるのが得意じゃなくて、『勝負より、みんな一緒に楽しめるほうがいい』と思って生きてきたので、平和主義とか、人がどんな時に幸福を感じるのかに興味があったんです。芸能の仕事が好きなのも、作品は?チームで協力して作るから?だと思います。自分、共演者の方、スタッフさんと全員で楽しみながら、ひとつのエンターテイメントを作っていきたいです」

『FRIDAY』2022年11月18日号より