「肉」と呼ばれ人間の盾、訓練わずか数日…ロシア兵「末期的惨状」 | FRIDAYデジタル

「肉」と呼ばれ人間の盾、訓練わずか数日…ロシア兵「末期的惨状」

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ウクライナ軍に拘束され惨状を訴えるロシア兵(画像・AP/アフロ)
ウクライナ軍に拘束され惨状を訴えるロシア兵(画像・AP/アフロ)

「オマエら、まとめて銃殺し穴に埋めてやるぞ。親族には、行方不明になったと伝える」

ロシアの独立系メディア『アストラ』は11月5日、プーチン大統領の部分動員令により招集された兵士が上官からこう脅されていると報じた。『アストラ』によると、動員兵の多くが戦闘参加を拒否。中には逃亡する兵士も。上官が説得してもきかなかったため、80人ほどの兵士が全裸で地下室に入れられ、食事も与えられなかったという。

ロシア兵の惨状が次々と明らかになっている。

「ロシア系独立メディア『メドゥーザ』によると、戦闘能力の低い動員兵は、『肉』と呼ばれウクライナ軍との最前線に配置。『人間の盾』にされているそうです。支給されるのは70年代の旧式銃で、サビて使い物にならないとか。

ロシアのSNS『テレグラム』には、動員兵に支給された穴の開いた防弾チョッキやボロボロの銃の画像が多数アップされています。中には、招集状が届いた日に上官から『武器や止血品は自前で調達しろ』と命じられた兵士もいるそうです」(全国紙国際部記者)

戦死者の60%が同士討ち

動員兵には当初3ヵ月の訓練期間が約束されていたが、なし崩しに。わずか数日の訓練で前線に投入されるケースもあるという。

「多くの動員兵が、ウクライナ東部の激戦地に配置されています。満足な兵舎もなく、0℃を下回る酷寒の草原で地べたに横になり夜もロクに眠れない状態だとか。小銃と刃物ていどの装備で、欧米が供給する最新兵器で武装したウクライナ軍と対峙しなければなりません。

ロシアの独立系メディアによると、東部ルハンシク州に送られた約570人で編成する動員兵の一個大隊はほぼ全滅したそうです。逃亡する兵士が大勢いるというのもうなずけます。さらに深刻な問題もある。米国のテレビ局『CBSニュース』によると、ロシア軍の被害の60%が同士討ちだというのです」(同前)

第2次世界大戦やベトナム戦争での、同士討ちによる米軍の戦死者は14%ほどだ。ロシア軍のパーセンテージの異様な高さがわかるだろう。

「前線のあまりの混乱ぶりに、ロシア軍の指揮系統もズタズタです。英国国防省によると、プーチン大統領によりロシア軍中央軍管区のラピン司令官が解任。リンコフ少将が、急きょ司令官代行に任命されたそうです。被害の拡大で、前線でも正規の指揮官が足りていません。動員兵の指揮は、軍曹級がとっているといわれます」(同前)

ロシア国防省によると、戦死者は約6000人、重傷などによる戦闘不能者は9万人以上にのぼるという。ロシア情勢に詳しい、筑波大学名誉教授の中村逸郎氏が語る。

「政府に反抗的な人物や、重病者が招集されるケースが目立っています。ロシア軍の兵士不足は、彼らを登用しなければならないほど深刻なんです。統率はまったくとれていません」

もはやロシア軍に、欧米諸国の支援をうけるウクライナへ太刀打ちできる力は残っていないようだ。

  • 写真AP/アフロ

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