自民党が急遽「ボクシング議連」を立ち上げた狙いと背景 | FRIDAYデジタル

自民党が急遽「ボクシング議連」を立ち上げた狙いと背景

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11月7日、自民党本部で、「プロボクシングの発展を応援する国会議員の会」が開かれた。

名誉顧問に菅義偉前総理(73)を据え、元東大ボクシング部の西村康稔経産相(60)、「顔はやめなよ。ボディだよ」の決め台詞を持つ、三原じゅん子元厚労副大臣(58)ら25名の自民党国会議員が名を連ねた。

ボクシング界と政界から、錚々たるメンツが集まった
ボクシング界と政界から、錚々たるメンツが集まった

同議連ではプロボクシング競技人口の縮小やジムの経営難などの問題について、国会議員とジム・選手と連携を図りながら、ボクシング界への支援策を議論していくという。

加藤勝信厚労相(66)は会長就任の挨拶で、ボクシング界にこうエールを送った。

「日本人初の世界チャンピオンが白井義男さんで、チャンピオンになった5月19日はボクシング記念日と制定されました。私が子どもの頃はファイティング原田さんがチャンピオンで視聴率が60%を超え、日本中が釘付けとなり、夢を共有できた。

しかし、最近はテレビ中継も減り、競技人口も減り、ボクシングジムの経営も厳しくなっている。12月には井上尚弥選手の4団体統一戦もある。この時期に会を立ち上げて、選手の皆さんを応援して、ジムを支えて、思いを共有していきたい」

一方のボクシング界からは、日本プロボクシング協会でセレス小林こと、小林昭司会長(49)、大橋秀行元協会会長(57)らも出席。議員から12月13日にバンタム級4団体統一戦を控える井上尚弥(29・大橋)の近況を問う声があがると、所属の大橋ジムの大橋会長がこう語った。

「アメリカでのスパーリング合宿ではフェザー級の選手にも打ち勝っていた。8日から3階級制覇王者の田中恒成選手とスパーリングをする。4団体統一に向けて万全の準備ができている。あとは油断することなく、コンディションを整えるだけ。技術面はまったく心配していません。来年はおそらく階級を上げて戦うと思います。上の階級は強い選手ばかりで、またビッグマッチになるので期待してください」

大橋会長の力強い発言に対し、会場から拍手が湧き上がった。

同議連には現役選手として、12月1日、京口紘人(28・ワタナベ)との日本人世界王者同士の統一戦を制したWBC&WBA世界L・フライ級王者の寺地拳四朗(30・BMB)が出席。

「次にまた大きな試合ができればと思っている。見に来てくださった方が感動できるような試合をしたいと思っているので、ぜひこれからもよろしくお願いします」

とそつなく語ったが、終了後、「ちょっと喋っただけでも汗をかきました。違う緊張感でした。もっと勉強しないといけない」と笑った。

拳四朗選手の父の寺地永氏は元日本ミドル級王者で、引退後には京都府城陽市市議(民主党)を2期務めた過去もある。拳四朗選手は「選挙には行ってます。期日前投票でも」と語っていた。

三原じゅん子氏は「拳四朗選手はあんなに可愛い顔をしているのに、試合になると強い。あのギャップも魅力的。私の地元・横浜には井上尚弥選手もいる。日本のチャンピオンは世界に発信できる。どんどん手の届かないところに行ってしまうのではないかという思いがありますが」と讃えた。

時期は未定だが、2度目の議連には4冠王者となった井上選手を是非とも呼びたい、と力強く語った。

自民党ベテラン秘書によると、同議連が政界でも注目を集める理由は、なにも政界にボクシングファンが多いから、だけではないとしてこう説く。

「非常に和気あいあいとした雰囲気ですが、東大ボクシング部出身の西村経産相が欠席したのは、(この議連は)プロ色が強い、というもので、『プロ・アマの壁』が残るのが課題ですかね(苦笑)。

同議連はもともと竹下亘元総務会長(故人)が元気な時に設立を考えていたもの。竹下会長が食道がんを患ったために開催が延び、今日に至った。加藤厚労相が継いだことで、平成研究会(茂木派)内で、茂木幹事長への戦線布告か、ともとられていますよ」

いつか加藤氏と茂木氏の政治的な対決が実現した時の、強い後ろ盾となるかも!?

  • 取材・文岩崎大輔

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