父の出場から38年 清原次男「聖地甲子園での親子本塁打」の日
清原勝児 慶應高1年 「お父さんが来てくれるだけで嬉しい。他の人にはないプレッシャーをプラスに変えたい」
ショートゴロで最後の打者となったが、背番号「5」の選手は満足そうな表情をみせる。三塁側内野スタンドに座った父親は、笑顔で拍手を送った。
10月29日、埼玉県の大宮公園野球場で行われた秋季高校野球・関東大会の準決勝。慶應高(神奈川県)は専大松戸(千葉県)に3対5で敗れたものの、来春のセンバツ出場を確実にした。
「次のセンバツは、95回目の記念大会です。『関東・東京』の枠は例年の6から7に増えます。ベスト4に残った慶應高は、5年ぶり10回目の春の甲子園出場が当確となりました」(スポーツ紙担当記者)
「他の人にはないプレッシャーはある」

注目は三塁を守る清原勝児(17、1年)だろう。西武や巨人などで活躍した清原和博氏(55)の次男だ。父親の観戦について、勝児は報道陣へこう話している。
「お父さんが来てくれるだけで嬉しい。(父が清原氏という)他の人にはないプレッシャーはあります。自分のメンタルで、プレッシャーをプラスに変えたい」
勝児が注目されるのは、けっして親の七光りではない。清原氏の母校・PL学園(大阪府)の後輩で、巨人では中継ぎとして活躍した橋本清氏が語る。
「勝児君が中学生の時、千葉県の御宿で清原さん主催の野球合宿をしたんです。私はピッチャーをしましたが、勝児君のスイングは力強かった。広角に打てて、右方向に本塁打も放っていました。身長173㎝と小柄ですが、巨人にドラフト1位指名された浅野翔吾(高松商)のようなパンチ力のある打者になるでしょう」
清原氏が甲子園で放った本塁打は、史上最多の13本だ。橋本氏が続ける。
「聖地での親子本塁打の可能性は十分ありますよ。勝児君は伸び盛りですから」
父親が’85年夏に全国制覇してから38年の春――。親子の夢が実現しそうだ。


『FRIDAY』2022年11月18日号より
撮影:足立百合