清原以来39年ぶりの快挙を成し遂げた「1年生4番」の素顔 | FRIDAYデジタル

清原以来39年ぶりの快挙を成し遂げた「1年生4番」の素顔

Next Generation Star 第25回「夕飯では必ず白米1200gを食べています」 二松学舎大附属の1年生4番 憧れは逆方向にも本塁打を打てる巨人・岡本和真

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千葉県柏市の二松学舎大附属の野球部グラウンドにて。大好物の生姜焼き弁当をほおばる
千葉県柏市の二松学舎大附属の野球部グラウンドにて。大好物の生姜焼き弁当をほおばる

「ヨッシャー!」

逆方向のライトへ本塁打をはなった二松学舎大附属(東京都)の主砲は、右手を高々と上げて吠えた。

同校野球部のグラウンド(千葉県柏市)で行われた、試合形式の打撃練習。1年生で4番を任されている片井海斗(かいと)(16)は、軽々と打球を外野まで飛ばす。最下級生だという引け目はない。

「(4番を)任されたからには、やってやろうという気持ちです。ホームランも大切ですが、チャンスで確実にヒットを打てるようなバッターになりたい」

片井が野球を始めたのは、小学校1年の時だ。強い打球を飛ばしたいと、小学校4年から食事の量を増やしたという。

「毎食、白米を600g食べるようにしていました。今もノルマはありますよ。朝は600g、昼は800g、夕飯では必ず白米1200gを食べています。好きな料理は生姜焼きです。カレーの店に行けば、1㎏の大盛りも平らげます」

現在、身長175㎝で体重97㎏。まだ成長過程だが、旺盛な食欲のおかげもあり打球の強さはチーム随一。それを見た前主砲は、自ら4番の座を譲ったという。

「主将だった小林幸男さんです。自分から(市原勝人)監督に、『片井のほうが結果がいい』と進言したそうです。4番としてのプライドもあったでしょうが、感謝しかありません。小林さんはベンチに退いてからも『ストレートを狙っていけ』など、よくアドバイスをくれるんです」

清原以来39年ぶりの快挙

今秋の東京大会では決勝で東海大菅生に敗れたが今夏に続き来春のセンバツ出場の可能性は残る
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片井は、今夏の東東京大会5回戦から4番に座っている。真価が発揮されたのが、8月14日に行われた甲子園の2回戦(兵庫県・社(やしろ)高戦)だ。3回一死の場面で直球を振りぬくと、3万9000人の観衆が見つめる打球は左中間スタンドへ。右打者の1年生4番による本塁打は、’83年夏の清原和博(大阪府・PL学園)以来39年ぶり史上2人目の快挙だった。

「今までで一番の感触でした。前の打席でチャンスを潰(つぶ)していたので、とり返してやるという気持ちでした。超気持ち良かったです」

片井の特長の一つが強心臓だ。6月の関西遠征の宿舎では、先輩たちと同部屋になるも大イビキをかいてスヤスヤ。練習のノックでエラーをすると、「すいません」と言いながら笑っているという。

「あんまり緊張したことがないですね。甲子園の初打席ぐらいかなぁ。いつも楽しめています。エラーして落ち込んでいても、仕方ないでしょう。ミスしたら、やり返してやろうという気持ちになります。強い相手ほど燃えますよ」

そんな片井が憧れる選手がいる。巨人の4番・岡本和真だ。

「逆方向に本塁打を打てるのがスゴイ。岡本さんの打球は自分の理想です。岡本さんに近づけるよう、最近はウェイトトレーニングにも積極的に取り組んでいます。全体練習が終わってから、上半身を鍛えているんです」

1年生主砲の活躍に、市原監督も目を細める。

「センターから右へ打てるのは、(OBでカブスに所属する)鈴木誠也に似ていますね。誠也でも、1年生のうちはここまでの活躍はできませんでした。どんなボールにも対応できるのは頼もしい。物おじしない性格も実戦向きです」

片井には、明確な目標がある。

「甲子園での優勝です。(二松学舎大附属は)まだ経験がありません。来春のセンバツに出て、全国制覇を成し遂げたい」

プロへの挑戦も視野に、片井が再び聖地での本塁打を狙う。

Profile
かたい・かいと/’06年8月、埼玉県朝霞市生まれ。4兄妹の長男で全員が野球にたずさわる。二松学舎大附属を選んだ理由は「一番最初に声をかけてくれたから」。右投げ右打ち。1年春の関東大会からベンチに入る

『FRIDAY』2022年11月25日号より

  • 撮影小松寛之

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