<figure id="attachment_275667" aria-describedby="caption-attachment-275667" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="550049cc"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/11/IMG_3838.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-275667" class="wp-caption-text">麻生副総裁と壇上で言葉を交わす松本純前議員。二人が昵懇の仲であることは永田町では広く知られている</figcaption></figure>
11月14日午後３時、横浜中華街にほど近い「ロイヤルホールヨコハマ」にはおびただしいほどのSPや警察官が警備をしていた。
菅義偉前首相、麻生太郎自民党副総裁という二人の首相経験者に加え、鈴木俊一財務相、加藤勝信厚労相、河野太郎デジタル担当相の３人の現職大臣、萩生田光一政調会長とSPの付く警護対象者が６人も集結したからである。
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ここで開催されたのは「松本純後援会総会及び自民党神奈川１区支部設立総会」である。
松本純前衆議院議員（72）といえば、昨年２月、コロナ禍の緊急事態宣言下にもかかわらず深夜まで銀座のクラブに出入りしていたことが報じられ、離党を余儀なくされた人物である。閣僚経験者でもあるが、昨秋の衆院選で落選している。
「松本さんは麻生副総裁の最側近として知られています。また、長らく国会対策委員会で活躍し、『国対族』として永田町では存在感を示してきた。昨年の総選挙前には、麻生さんが復党させようと何度も画策したが、地元からの反発も大きく断念した。その結果、無所属で出馬した総選挙は立憲民主党候補に約２万４０００票の大差をつけられ落選しました」（全国紙政治部記者）
落選後には党本部で復党が認められたものの、これに対して神奈川県連が抗議文を出す騒動となった。結局、今年に入りようやく県連からも承認が得られ、10月にようやく支部長就任に漕ぎ付けたのである。これにより、次の衆院選で神奈川１区の自民党公認候補として立候補する運びとなった。
支部設立の代表世話人には「菅義偉」「麻生太郎」の名前が並ぶ。マスコミにはクローズで行われたこの総会で最初に挨拶したのは菅前首相だった。
「横浜市会議員、そして国会議員と、松本さんとは30年を超える付き合いであります。市会議員当時から選挙区が隣でお互い切磋琢磨して支え合ってきました。『純ちゃん、菅ちゃん』の仲であります」
「いま足元を見るときに、新型コロナ、さらにはウクライナ情勢、物価高、極めて危機的な状況が続いています。こうしたことを乗り越えて次の世代にこの国を確かなものとして引き渡すにはどうしても松本純、支部長が必要なんです」
横浜市議会議員としても衆院議員としても同期で隣の選挙区だっただけに思い入れは強いのだろう。首相時代は「用意された原稿を棒読みしている」と批判された菅前首相だが、この日は原稿も用意せずに挨拶をしていた。
<figure id="attachment_275668" aria-describedby="caption-attachment-275668" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="52a0668c"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/11/3602c0ea5d8270a1aba77d4d9e3b9962.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-275668" class="wp-caption-text">「『純ちゃん、菅ちゃん』の仲であります」と挨拶した菅前首相</figcaption></figure>
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続いて挨拶に立ったのは麻生副総裁だ。
「国会対策委員会、いわゆる国会を動かしていく通称『国対』。この国会対策委員会というのは野党とも話をできないといけないし、法案もわかっていないといけない。間違いなく国会を運営していく上で最もキーとなる役職。その役職をやれる人はそうはおりません。政策がわかるだけでなく、人付き合いができないといけないし、交渉ができないといけない。普段から仲間の付き合い、プラス野党との付き合いもきっちりできないと国対は務まりません。そういった意味で、我々は長いこと松本純という人柄、この人が持っているキャラに頼って国会を運営してきたが、こういう人がたびたび出てくるわけではない。その結果、成功し花開きつつあるときに残念ながらつまずいてご存じのような事態となりました。えらく国会全体にも影響が出ました」
現在行われている臨時国会は自民党・高木毅国対委員長の段取りが悪く、異例の国会運営が続いている。そのことに対する皮肉も交えて「最側近」の復帰を熱望した。
その麻生副総裁の「松本純ロス」は意外なところに波及していたようだ。続いて挨拶に立った萩生田政調会長が明かす。
「麻生先生の右腕といえばマツジュン（松本純）。永田町で知らない人はいません。松本さんがいないために今、面倒くさい相談が全部私に降りてくるんです。迷惑してるんです（笑）」
派閥の先輩でもある鈴木財務相の挨拶を挟んで登場したのが加藤厚労大臣だ。ここでは大臣としての本音も飛び出した。
「私は３回目の厚労大臣を務めてますが、２回までは後ろに松本さんがいた。先ほど挨拶された鈴木大臣は社会保障のことをわかっているが、所属してる財務省は全然わかっていない。こんな中で戦っていかないといけないなか、強力な後ろ盾がないというのは本当に寂しいことです」
続いて現れたのは松本氏と当選同期で、同じ麻生派の河野デジタル担当大臣だ。
「松本純の弟分の河野太郎です。昔、そこに座っている麻生太郎さんから『お前、いろんなことガチャガチャやるのはいいけど、この人に言われたら撃ち方やめ、という人をちゃんと作っておかないとお前、糸の切れたタコみたいになっちゃうぞ』とご指導いただき、それ以来、松本純さんに何か言われるとそこで撃ち方を止めるということを10数年やって参りましたが、今その人がいないもんですから、結構いろいろございます（笑）」
しばらくの間は河野大臣を止められる人はいなさそうだ。
挨拶の機会はなかったが、会には森英介、田中和徳、稲田朋美といった閣僚経験者をはじめ、三原じゅん子、首相補佐官の村井英樹など数多くの議員が駆けつけ、松本氏の人望を見せつける形となった。
会の最後に挨拶に立った松本氏はこう語った。
「次期選挙に向けてスタートラインに立ったということで大変緊張しております。これから先、どんな活動ができるのか、皆様にどれだけ受け入れていただけるかということの努力を重ねていく決意であります」
菅前首相をはじめ、閣僚や党役員は挨拶を終えると会を後にしたが、麻生副総裁だけは総会の最後まで見届けた。
「麻生さんは次の総選挙でも引退しない可能性がある。その理由の一つが『もう一度松本純と一緒に仕事がしたい』というものです。麻生さんはそのくらい松本さんを可愛がっている」（前出・記者）
しかし、松本氏を取り巻く環境が厳しいことに変わりはない。
「松本さんは来年４月で73歳になる。自民党では73歳以上は比例との重複を認めない『定年制』を設けており、年内に解散でもしない限り松本さんは小選挙区で勝つしかない。自民党公認で出られるといっても現職でない以上、前回の２万４０００票差を跳ね返すのは相当厳しいでしょう」（神奈川県連関係者）
重鎮たちから持ち上げられまくった「麻生の最側近」だが、政界復帰には茨の道が続きそうだ。
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<figure id="attachment_275671" aria-describedby="caption-attachment-275671" style="width: 3553px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="431354ec"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/11/1-2.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-275671" class="wp-caption-text">河野デジタル担当相は自らを「松本純の弟分」と名乗った</figcaption></figure>

麻生副総裁と壇上で言葉を交わす松本純前議員。二人が昵懇の仲であることは永田町では広く知られている 11月14日午後３時、横浜中華街にほど近い「ロイヤルホールヨコハマ」にはおびただしいほどのSPや警察官

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