松原千明さん　ハワイで初めて石田純一との離婚を「口にしたとき」

《芸能リポーター・石川敏男の芸能界“あの出来事のウラ側は……”》

女優の松原千明さんが、現地時間10月8日にハワイの自宅マンションで亡くなっていたことが11月16日に分かった。

64歳という早すぎる死。17日付の『サンケイスポーツ』によれば、精神安定剤の過剰摂取が原因との情報もあるという。

元夫で俳優の石田純一さんが、女優・長谷川理恵さんとの不倫の真っ最中の頃、ふたりを直撃取材したことがあった。石田さんの不倫について松原さんから返ってきた言葉は、今も忘れられない。

「俳優の妻ですから…」

と、本当にけなげだった。

不倫してまで続けていた長谷川さんとの恋だったが、8年間で終止符が打たれた。相談なく物事を進めていく石田さんに長谷川さんが

「愛想をつかした」(業界関係者)

といわれたが、真実は分からない。ふたりの不倫の最中に大きく話題になったのが、

「不倫は文化」

だった。石田さんはその一言で、テレビのキャスターの仕事など、多くの仕事を失ってしまう。当時のことを石田さんに聞くと、

「言い訳はしませんでしたが、あれは誤解なんですよ。そこだけ切り取られてしまいました。

多くの著名人が小説の中で不倫を取り上げていて、その不倫が文化になって伝えられている、という意味だったんですよ。自分が不倫を文化にしていると考えたことなんて一度もありませんよ」

と話してくれたことがあった。石田さんはマスコミに、とてもサービス精神が旺盛で、人がいいんだよな。自分というよりも、取材に来た記者を大切にすることで誤解が生まれる人なのだ。

このことが大きく響き、松原さんと別居することになる。松原さんは後に女優となる長女のすみれさんを連れてハワイに渡る。

所属事務所が了解してくれて、ある日、ハワイ生活を続ける松原さんを現地で取材させてもらえることになった。’98年ごろだったと思う。’99年に石田さんとの離婚が成立するわけだから、その1年ほど前に彼女の覚悟を聞けることになった。

ハワイのワイアラエカントリークラブに隣接した豪華ホテルの一室。そこで松原さんは、

「落ち着いたら日本に行って芸能生活もしよう」
「ハワイの生活は、マスコミが来ないのでのびのびできています」
「離婚することは決めています」
「これからは娘の成長を楽しみに生きていきます」
「彼（石田）との生活で苦しいとは思ったことがなかったですよ。恨んでもいない。いい人なんです。正直で」

なんて話を聞いた。彼女が石田さんとの離婚への決意を初めて語ったスクープインタビューだった。

それにしても、浮気されても許される石田さんって、どんな人だろうと思ったね。真っ黒に日焼けした顔が、生き生きとしていたのははっきりと覚えている。

石田さんとの離婚が成立すると、娘の米国人家庭教師と再婚することになる。すぐに長男が生まれた。事務所の関係者に

「幸せに暮らしていますよ」

という話を聞いたころは、松原さんは日本のテレビにも出始めた。生活が安定したんだろうな、と漠然と考えていた。

だが、その2～3年後にハワイに住む日本人の友人から

「松原さん離婚するみたい。別居が始まっているそうです」

という情報が寄せられた。松原さんの自宅に電話を入れると、電話口に出た松原さんから

「そんなことないですよ。今、そばに（夫が）いるから替わりましょうか？　どこでそんなウワサが流れるんですかね」

と完全否定されたこともあったが、’08年にその米国人と離婚協議を始め、翌年に成立している。経済面で松原さんに寄りかかり、性格の不一致もあったようだ。

石田さんにはすみれさんから

「パパ、ママが8日に亡くなりました」

とメールが来たという。16日夜に自宅前で取材陣に対応した石田さんは、

「忸怩たる思いです。ごめんなさいと、ありがとうと伝えたいです。考えてもみなかった。自分が先に逝くと思っていた。言葉で言い表せないほど驚きました」

と、涙を浮かべていた。

石田さんと出会って、まさに波乱万丈の人生を送った松原さん。書き切れないほど、彼女にはいっぱい想い出があるなあ。ああ、合掌…。