深酒して酩酊も…「寺田の首を差し出した」岸田総理が仕掛けた罠 | FRIDAYデジタル

深酒して酩酊も…「寺田の首を差し出した」岸田総理が仕掛けた罠

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12日、予定から遅れてカンボジアに到着した岸田首相。このとき辞任ドミノがさらに続くとは予想していなかったのか…。行きの飛行機では”痛飲”していたという 写真:ロイター/アフロ
12日、予定から遅れてカンボジアに到着した岸田首相。このとき辞任ドミノがさらに続くとは予想していなかったのか…。行きの飛行機では”痛飲”していたという 写真:ロイター/アフロ

山際大志郎経済再生担当大臣、葉梨康弘法務大臣、そして、寺田稔総務大臣と続く閣僚の「辞任ドミノ」。第2次岸田改造内閣はスタートからわずか3ヶ月で3人の閣僚が辞任という極めて異常な事態に陥った。

政界一の酒豪が…

8日間の海外滞在の間にも、岸田内閣の支持率は下がっていった。官邸スタッフが漏らす。

「まず、葉梨さんの件で出発が遅れました。これ自体、本来あってはならないことです。予定を変更して深夜、政府専用機に乗り込んだ岸田総理は、席に座るなりネクタイを外して、大きなため息をついていました。午前1時発、10時間近いフライトでは、節制していた酒を”痛飲”。このところ寝酒を控えているようですが、駆けつけ3杯どころじゃない飲み方でした」

カンボジア・プノンペンに予定より10時間遅れで到着。東アジア首脳会議には開催直前に滑り込みで間に合った。日韓首脳会談後、インドネシア・バリへ移動。宿所となったホテル「アプルバ・ケンピンスキー・バリ」では、いつもの時間に起きられず、寝過ごしたという。

「じつは、国内に留め置いた木原誠二官房副長官の電話で起こされたんです。首相は、腹心である木原副長官を随行させず、留守中の国会対策を任せていました。なので、国内の状況は岸田木原ホットラインで昼夜問わず伝わっていました。帰国後の予算委員会準備など、やるべきことは山積みですから。さらに、辞任ドミノといわれる閣僚たちの不始末です。正直、外交に専念できる状態ではありませんでした」(岸田首相周辺キャリア)

岸田−木原のホットラインで決断

アジア歴訪の重要な外交日程とはいえ、不祥事続きで支持率も激減する国内にいるよりは、精神的にいくらか「楽」だったのだろうか。岸田首相の表情はさほど切羽詰まった感じはなく、一方で日々の酒量は少なくなかったともいう。しかし、

「木原さんからの『寺田総務大臣が閣僚でいる限り、立憲民主党は政治とカネを究明し続けざるを得ないと強行姿勢』という報告に『ちゃんと説明できているのか?』と迫った岸田首相ですが、『公選法に抵触する案件が報道されました。公選法所管大臣で、改正区割り法案(1010減)を指揮する大臣が公選法を犯していいのかと指摘されています。紛糾するかもしれません』という返答に、更迭を決断したようです。税制大綱、防衛3文書改訂でこれ以上、国会延長はできません。コロナの第8波もある。岸田首相は最後に『そうかわかった』と。決断の瞬間だったようです」(首相周辺)

19日深夜に帰国、東アジア首脳会議、ASEAN、G20と続いた外交日程を終え記者会見した岸田首相は、寺田総務相人事に言及した。

「年末にむけて国会は、勝負の時が続きます。これから2ヶ月間は、岸田政権すべての力を一つ一つの課題に集中していかなければならない。政権はこの方針を最優先いたします。閣僚においても、説明責任は徹底的に果たしていただき、その上で、内閣総理大臣として判断していきます」

そして翌20日、”寺田更迭”となった。

「木原官房副長官の野党折衝は過酷でした。立憲は『救済法』と『政治とカネ』問題に対して一切譲歩のない強硬姿勢で、寺田更迭を勝ち取るまで矛を収める気は全くなかった。岸田首相は国会延長を最小限に食い止めることで頭がいっぱいで、自派の閣僚を守る余裕もない。結局、寺田総務相の首を差し出すことになったんです」(同前)

岸田が仕掛けた「トラップ」

寺田総務相自身は週末、地元広島で関係者と進退問題を話し合い、20日午後、帰京するまで辞任を否定し続けていた。自らの去就が「野党との折衝」で決められることにも強い反発があったのだ。たしかにこれは、岸田首相にとって禍根となる可能性がある。

「判断が遅く、任命権者の腹三寸で人事が行われる不満は、いずれ『岸田下ろし』に直結するでしょう」(宏池会議員)

寺田更迭をあっさりのんだ形の岸田首相だが、一方でしっかり「トラップ」を仕掛けることができたと自民党幹部が言う。

「会見の締めで『最後に一言。与野党の意見を参考にして法案を提出していきたいと思っています』とわざわざタメをつくる演出で、野党に配慮した旧統一教会被害者救済法案を提出すると言い切った。だから、お手柔らかにねという阿(おもね)りにも見て取れます。が、阿ったと見せて『野党案を取り入れたのだからあなたたちも共犯ですよ。これ以上、国会審議を遅滞させたら、野党も批判されることになる』というメッセージを含んでいるんです」(岸田側近)

「辞任ドミノ」が止まらない。「次は岸田本人」という声も聞こえてくる。

政界一の酒豪だが「酒に弱くなった」という。政治とカネ、円安物価高、コロナ第8波、旧統一協会問題…政権が迅速に対処しなければならない問題は山積している。適任ではない大臣は辞めるほかないが、これだけ辞任が続くと政治が滞るだろう。決断しない、実行しない、宥めすかしてやり過ごそうとする岸田政権に付き合っている余裕は、もうない。

  • 取材・文岩城周太郎写真ロイター/アフロ

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