『舞いあがれ!』福原遥にバトンを渡した子役・浅田芭路の存在感 | FRIDAYデジタル

『舞いあがれ!』福原遥にバトンを渡した子役・浅田芭路の存在感

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NHIK朝ドラ『舞いあがれ!』でヒロインを務める福原遥。子ども時代を演じた浅田芭路(はろ)の存在感も無視できない
NHIK朝ドラ『舞いあがれ!』でヒロインを務める福原遥。子ども時代を演じた浅田芭路(はろ)の存在感も無視できない

女優・福原遥がヒロインを務める朝ドラ『舞いあがれ!』(NHK)が11月21日から第8週『いざ、航空学校へ!』に突入した。

大学の人力飛行機サークル“なにわバードマン”で大空を飛ぶ夢に目覚めたヒロイン・岩倉舞が航空学校を受験。1次試験、2次試験を突破してついに最終の面接試験に臨み、航空学校への入学を果たす姿が描かれる。

「前作の朝ドラ『ちむどんどん』では、《#ちむどんどん反省会》のハッシュタグで連日、作品に対する批判が殺到して大炎上。女優・黒島結菜にとって朝ドラが“黒歴史”になるという悲劇に見舞われました。しかし今作ではそういったアンチの声も盛り上がりを見せず、番組の好感度は右肩上がりのようです」(ワイドショー関係者)

『舞いあがれ!』の好感度が上がったのは一体、何がきっかけだったのか?

そのターニングポイントになったのが、幼少期の舞を描いた五島列島編ではなかったか。特に舞の子役時代を演じた浅田芭路(はろ)の存在は忘れることができない。

「浅田が朝ドラに出演するのは『なつぞら』、『ちむどんどん』に続く3作目。これまでも民放各局の連ドラやCMに出演。2020年に公開された長澤まさみ主演の映画『MOTHERマザー』では、毒親・秋子(長澤)に育てられる幼子・冬華役を演じて涙を誘うなど、早くから天才子役として注目を集めてきました」(制作会社プロデューサー)

幼少期の舞は人の気持ちを敏感に察してしまうために、中々自分の思っていることを口にできない難しい役どころ。第1週ではそんな舞を連れて、母・めぐみ(永作博美)が故郷の五島列島に里帰りするシーンが丹念に描かれている。

「おとなしか子たいね」
「人一倍気持ちが繊細やけん。せかさんでゆっくりやらせてあげたかとです」

祖母の祥子(高畑淳子)に、めぐみはそう悩みを打ち明ける。しかし過剰に舞を心配しているめぐみを見て、舞は自分が預かるから大阪に帰るように促す祥子。

「舞はお前に遠慮ばして、自分の気持ちば言えんとさ。じゃけん熱ん出るとじゃなかとか」

という母の言葉をはじめは受け入れられなかっためぐみも、やがて、

「舞はもうちょっと五島にいてるほうがええと思う。舞のペースでゆっくりやってたら元気になれると思う」

そう言い残して、舞を置いて帰る決心をする。舞は、切なげに「うん」とうなずくばかり。

そんな複雑な心境を表情ひとつで語ってみせる浅田の演技は、回を追うごとに視聴者の心を鷲掴みにしていく。

そして迎えた第1週のラストシーン。母親のめぐみが島を去る場面で、舞は自分の気持ちを初めて祥子に打ち明ける。

「お母ちゃん、私にここ残ってほしいて思てる。そやから、帰られへん」

そう思いを口にして涙ぐむ別れのシーンには、心奪われる視聴者が続出している。

視聴者から絶大な支持を受けた子役時代の舞。そんな浅田芭路からバトンを渡された福原は、子役時代の舞の現場にも熱心に通っている。

「五島列島のロケにも同行した福原は、浅田演じる舞の演技をつぶさに見て『現場で芭路ちゃんが芯になる部分を作ってくださった。この素敵な魅力をそのまま受け継げるように私も頑張りたい』と心境を語っています。10月19日に放送された第13話では、父・浩太(高橋)が舞を連れて遊園地に行くシーンが登場しています。

その撮影現場にも立ち会い高橋、浅田、福原の3ショット写真がドラマの公式ツイッターにも公開されました。『土曜スタジオパーク』に出演した高橋克典は、ゆっくりとした喋り方で時折、幼少期の舞を思わせるような福原の演技を見て『彼女(福原)と芝居をしていても、あの舞(浅田)と芝居している気がするんですよ』と話していました。これも子役出身の福原だからこそできる役作りなのかもしれませんね」(制作会社ディレクター)

子役時代を3週間にわたって丁寧に描いた今作。これは朝ドラ史上、異例なこと。

しかし五島列島編なくして、向かい風を受け高く高く舞い上がるヒロイン・岩倉舞のキャラクターは生まれてこなかったはず。五島列島の空に舞い上がったバラモン凧のように、さらなる希望と勇気を私たち視聴者に与えてほしい…。

  • 島右近(放送作家・映像プロデューサー)

    バラエティ、報道、スポーツ番組など幅広いジャンルで番組制作に携わる。女子アナ、アイドル、テレビ業界系の書籍も企画出版、多数。ドキュメンタリー番組に携わるうちに歴史に興味を抱き、近年『家康は関ケ原で死んでいた』(竹書房新書)を上梓。電子書籍『異聞 徒然草』シリーズも出版中

  • 写真Pasya/アフロ

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