被害総額1400億円!北朝鮮ハッカー集団「ラザルス」戦慄の正体 | FRIDAYデジタル

被害総額1400億円!北朝鮮ハッカー集団「ラザルス」戦慄の正体

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北朝鮮のIT技術は侮れない。サイバー攻撃の被害は世界中に拡大している(写真はイメージです。画像:AP/アフロ)
北朝鮮のIT技術は侮れない。サイバー攻撃の被害は世界中に拡大している(写真はイメージです。画像:AP/アフロ)

「北朝鮮が7回目の核実験などの挑発行為を行う場合、サイバー分野の制裁措置を検討する」

11月22日、定例会見で韓国外務省のイム・スソク報道官は強い口調で語った。

北朝鮮が、米韓への挑発行為として連発する弾道ミサイル。発射回数は、今年だけで60回を超える。ミサイル発射や核開発の資金源となっているのが、サイバー攻撃で外国から不当に奪い取った仮想通貨だという。

「韓国のシンクタンク『国防研究所』によると、北朝鮮の短距離弾道ミサイルの費用は1発6億円ほど。大陸間弾道ミサイルが約42億円といわれます。60発のミサイルを撃てば、少なくとも500億円以上かかることになるんです。

米国政府は、サイバー攻撃で得た莫大なカネがミサイル発射の資金源になっているとみています。同国の国土安全保障省の計算では、北朝鮮は過去2年間でサイバー攻撃により1400億円を超える仮想通貨を諸外国から奪ったとか。国連の制裁で経済が困窮しているにもかかわらず、武力による威嚇を続けられる理由です」(全国紙国際部記者)

人気オンラインゲームへの攻撃で870億円

11月17日に米韓合同で開かれた、北朝鮮のサイバー攻撃をテーマにしたシンポジウムでは様々な事例が紹介された。

「今年3月には、ベトナムのゲーム制作会社が開発した人気オンラインゲーム『アクシー・インフィニティ』へ北朝鮮がサイバー攻撃。870億円もの資産を盗んだとされます。仮想通貨の窃盗事件としては過去最大規模です。

目的はカネだけではありません。14年11月には米国の映画会社『ソニー・ピクチャーズエンタテインメント』がサイバー攻撃を受け、俳優やスタッフの個人情報などが大量流出しました。同社は、北朝鮮の指導者・金正恩氏の暗殺を題材にした作品を公開しようとしていた。金正恩氏のマイナスイメージを増幅させたことに対する、反発でしょう」(同前)

サイバー攻撃で暗躍しているのが、北朝鮮のハッカー集団「ラザルス」だ。

「北朝鮮がハッカー集団の育成に動き始めたのは、80年代半ばにさかのぼります。00年代には、すでに外国へのサイバー攻撃が始まっていたとか。金正恩体制になってから、さらに活動は活発化しているようです。韓国国防白書によると、現在『ラザルス』には7000人近い人員が所属しています。

北朝鮮当局は、有能なIT人材を10代前半から工作機関に集め徹底教育。親族を人質にとり忠誠を誓わせ、海外のIT企業などで働かせているんです。本名などの素性を隠し通常は普通に勤務していますが、工作機関から指示があるとサイバー攻撃をしかけているとみられます。『ラザルス』は、北朝鮮の恐るべき超エリート集団なんです」(同前)

サイバー攻撃の被害にあっているのは、官庁や金融機関、エンタテインメント企業など多岐にわたる。日本も米国と共同でサイバー対策を強化。メールなどで怪しいファイルが送られてきても、絶対に開かないように要請するなど注意喚起している。

  • 写真AP/アフロ

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