佐倉綾音、梶裕貴…ドラマに「人気声優の出演」が増えているワケ | FRIDAYデジタル

佐倉綾音、梶裕貴…ドラマに「人気声優の出演」が増えているワケ

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『君の花になる』(TBS系)に出演している宮野真守氏や『リコカツ』(TBS系)に出演する三石琴乃氏など、近年ドラマにレギュラー出演する「声優」が増えている。

人気声優の宮野真守氏/アフロ
人気声優の宮野真守氏/アフロ

かつては裏方のイメージがあった声優だが、いまやそのイメージは完全に払拭されているようだ。言うまでもないが“声優”とは読んで字の如く、声の俳優のことを指す。日本でまだテレビ放送が始まる前、俳優と呼ばれていた人たちは舞台俳優か映画俳優と呼ばれていたし、庶民の娯楽だったラジオのドラマに出演していた人達もまた、俳優と呼ばれていた。

その後、アニメや洋画の吹き替えで声だけの出演をする俳優は声優と呼ばれるようになり、俳優と声優の“住み分け”がハッキリしてくると、顔を見ることができない声優に裏方のイメージが付き始めたのは言うまでもない。

だが、声優の活躍する場は大きく広がっていった。1960年代後半から70年代初めにかけて各テレビ局は『〇〇洋画劇場』や『〇〇ロードショー』といった外国映画のテレビ放送を始めた。作品は字幕スーパーではなく、日本語吹き替えで放送されたため、声優の出番が一気に増えていき、クローズアップされる機会も増えていったのだった。

それには、俳優それぞれのイメージに合った声優が吹き替えを担当することで、視聴者に声優の名前を印象付けることに成功したという背景がある。

例えば、アラン・ドロンやアル・パチーノ、ロバート・レッドフォード、ブルース・ウィリスなどの吹き替えを担当していた野沢那智氏。ジョン・ウェインやチャールトン・ヘストンの納谷悟朗氏、シルベスター・スタローンの羽佐間道夫氏、クリント・イーストウッドの山田康雄氏、ジョディ・フォスターの戸田恵子氏など洋画放送からは有名な声優がたくさん輩出された。

しかし彼らのほとんどが劇団出身であったり映画やドラマの出演経験があったりする“俳優”でもあった。

そのため、彼らの中には“声優”と呼ばれることに抵抗を感じる人もいる。実際に戸田氏やハリソン・フォードの声でお馴染みの村井國夫氏、納谷氏と同じくジョン・ウェインを担当した小林昭二氏、メル・ギブソンの磯部勉氏などは俳優でも活躍していた。

そして時は流れ、アニメブームが到来。ブームの到来とともにキャラクターの声を演じる声優たちが注目されるようになった。

特に近年はアニメ声優たちの若返りが進みアイドル化する傾向が強くなっている。さらにインターネットの発達とSNSの普及によってアニメ声優たちの露出が増えていったことでファンも激増。SNSのフォロワー数が100万を超えるのはザラだ。元毎日放送のプロデューサーで同志社女子大メディア創造学科教授の影山貴彦氏は、

「人気の声優さんはファンサービスが非常に丁寧で熱心なファンも多いです。今放送されている『君の花になる』に出演している梶裕貴さんは、特に丁寧なファンサービスをすると聞いたことがあります。そして、声優のファンはSNSでの発信を積極的に行うので、制作側はできれば起用したいと考えているのでしょう」

と分析する。

そんな彼らをテレビやラジオが放っておくわけがない。バラエティー番組やトーク番組などに引っ張りだこになり、ラジオで冠番組を持つ人まで出てきた。それだけではない。俳優デビューする人も増えている。

「声優というのは声だけで演技をするという点で、かなり高度なテクニックが必要です。それにもともと劇団や声優学校で演技の基本を学んでいますので、アイドルやモデルなど異業種の人に比べたら役者に適していると思います。ですから制作サイドとしても声優さんに出演してもらうことに不安は感じないですね」(ドラマ制作会社ディレクター)

そして、最近も人気声優が続々俳優デビューを果たしている。『ミュージックステーション』のナレーションを担当している超人気アイドル声優の佐倉綾音氏は、『イザミと東京03』(日本テレビ系)で、三澤紗千香氏は『科捜研の女 Season21』に出演中だ。

声優が俳優業に進出することについて、俳優を多く抱える芸能事務所のマネージャーはこう語る。

「それだけライバルが増えるわけですから、危機感はあります。しかも彼らはすでに基本ができていて演技力がありますから、タレントやモデルから転向した俳優と違ってボイストレーニングや演技の勉強をする必要がない。加えて多数のファンを持っています。ドラマ制作サイドとしては願ったり叶ったりだと思います」

最近では、逆に俳優が声優として活躍する場も増えていて、今後は声優と俳優の垣根はなくなるだろうと語る。

アイドル声優の活躍によって声優たちの活躍の場が増えている。あなたの「推し」がドラマに出る日も近いかもしれない。

ドラマ『君の花になる』で宮野真守氏と共演している梶裕貴氏/アフロ
ドラマ『君の花になる』で宮野真守氏と共演している梶裕貴氏/アフロ
『イザミと東京03』(日本テレビ系)に出演している佐倉綾音氏/アフロ
『イザミと東京03』(日本テレビ系)に出演している佐倉綾音氏/アフロ
  • 佐々木博之

    宮城県仙台市出身。31歳の時にFRIDAYの取材記者になる。FRIDAY時代には数々のスクープを報じ、その後も週刊誌を中心に活躍。最近は、コメンテーターとしてもテレビやラジオに出演中

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