元日本ハム・杉谷拳士「次は松岡修造&大泉洋を目指します!」 | FRIDAYデジタル

元日本ハム・杉谷拳士「次は松岡修造&大泉洋を目指します!」

スペシャルインタビュー 貴重なサブプレイヤーとして活躍した14年間の選手生活に終止符 引退試合から10日、パ・リーグのムードメーカーが語ったこれから

  • Facebook シェアボタン
  • X(旧Twitter) シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
事業下見のためオーストラリアを訪れる予定の杉谷。「『アナザースカイ』(日テレ系)に出たい」と話した
事業下見のためオーストラリアを訪れる予定の杉谷。「『アナザースカイ』(日テレ系)に出たい」と話した

「14年間、レギュラーもタイトルも獲(と)れず、唯一のレギュラーといえば『とんねるず』さんの番組内の『リアル野球BAN』でした(笑)。ただ、たくさんのチームメイトやファンの方々に支えられた野球人生だったので、第2の人生ではその人たちに恩返しをしたいと思っています。そのために、今は起業と英語の勉強に必死です」

そう語るのは、’08年、入団テストを経て帝京高校からドラフト6位で北海道日本ハムファイターズに入団した杉谷拳士(すぎやけんし)(31)だ。

貴重なサブプレイヤーとして存在感を発揮し、芸人顔負けのユーモアで野球選手の枠を超えてファンに親しまれていたが、10月28日、突然の「現役引退」を発表した。総出場試合数は777試合。現役最後の打席となった11月5日の侍ジャパン強化試合では、肝心の打席直前で地上波のTV中継が終了するというハプニングに見舞われるも、試合終了後には両軍が参加して胴上げが行われた。

そんな引退試合から10日、「引退会見」では語りきれなかった胸中と、これからの目標を本誌に語った。

「今シーズンは、バラエティー番組出演や『リアル野球BAN』を封印して、死に物狂いでチャンスをつかみにいきました。新庄剛志監督にも勝負するチャンスを頂きましたし、そこで結果を残せなかったことが、『引退』を決断するきっかけになりましたね」

とはいえ、一人では簡単に下せない決断だったという。

「栗山英樹前監督や吉村浩前GMなど、球団関係者にも相談を重ねて、今年で引退しようと総合的に判断しました。

『リアル野球BAN』でお世話になっていた石橋貴明さんには、貴明さんの誕生日である10月22日に直々にお会いして、引退の意志をお伝えしました」

石橋と帝京高校の先輩後輩の間柄であることから、毎年のように『リアル野球BAN』に呼ばれ、杉谷の出演は年始の恒例行事となった。それゆえに『野球の上手い芸人』と馬鹿にされることもあったが、彼にとっては褒(ほ)め言葉だった。

「小さい頃母親に言われた『人を笑顔にしなさい』という言葉が自分の核にあったので、自分の好きな野球を通じて人を笑顔にできるなんて素晴らしい、と誇らしく思っていました」

「起業するつもりです」

ひょうきんなキャラクターの印象が強い一方で、野球に対して誰よりも真摯(しんし)な努力家だったことも知られている。

「入団初期、中田翔さんに会って『才能』の差を感じました。身体が大きく、パワーもある。こういう人がレギュラーを将来獲るのだなと。でも自分は中田さんにはなれないし、同じ努力をしても意味がない。9人の中に入るために何を努力すべきか、バントなのかエンドランなのか。生存戦略を考え続けた14年間でした」

目の前の才能に負けまいと努力を続けてきた彼だからこそ、「挫折」も人一倍大きかった。

「初ヒットや両打席でのホームランなど、結果を出せた嬉しい体験も記憶に残ってはいますが、やっぱり骨折による挫折が、現役時代で一番の悔しい思い出ですね」

’15年に打率2割9分5厘という好成績を残し、いよいよレギュラー奪取という’16年4月、右手の有鈎(ゆうこう)骨を骨折した。懸命なリハビリにより約2ヵ月の離脱で復帰したが、成績は低迷。レギュラー獲得への最後の挑戦として、’17年のオフシーズンにオーストラリアへ武者修行に向かうも、その後満足な結果を残すことはできなかった。しかし、この時の体験が思わぬ第2の人生につながったという。

「オーストラリアのリーグ戦に出場した時、現地の日本人の方がたくさん観に来てくれたんです。これが忘れられないくらい嬉しくて、”スポーツの輪”ってすごいなって。将来はスポーツを通じて笑顔を増やしたいと思うようになりました。

バラエティー番組への出演にあたって事務所を設立(起業)するつもりですが、スポーツで北海道やオーストラリアを盛り上げる事業も計画しています」

今後の目標について聞くと彼らしい答えが返ってきた。

「バラエティーにもスポーツにも手を抜かないという意味で、目標の一人は松岡修造さんです。一方で、地元北海道への愛が溢(あふ)れる俳優の大泉洋さんも、14年間支えてもらった北海道へ恩返しをしたい僕にとって大きな目標です」

杉谷拳士のセカンドキャリアはまだ始まったばかりだ。

東京ドームでの引退試合後、スタンドに手を振る杉谷。打席のタイミングは新庄監督と相談したという
東京ドームでの引退試合後、スタンドに手を振る杉谷。打席のタイミングは新庄監督と相談したという
きつねポーズを披露。目線を外すよう依頼すると「(視線の先に)オーストラリアが見えます」と笑いを誘った
きつねポーズを披露。目線を外すよう依頼すると「(視線の先に)オーストラリアが見えます」と笑いを誘った
本誌未掲載カット 元日本ハム・杉谷拳士「次は松岡修造&大泉洋を目指します!」
本誌未掲載カット 元日本ハム・杉谷拳士「次は松岡修造&大泉洋を目指します!」
本誌未掲載カット 元日本ハム・杉谷拳士「次は松岡修造&大泉洋を目指します!」
本誌未掲載カット 元日本ハム・杉谷拳士「次は松岡修造&大泉洋を目指します!」
本誌未掲載カット 元日本ハム・杉谷拳士「次は松岡修造&大泉洋を目指します!」
本誌未掲載カット 元日本ハム・杉谷拳士「次は松岡修造&大泉洋を目指します!」

『FRIDAY』2022年12月2・9日号より

  • PHOTO小松寛之

Photo Gallery6

FRIDAYの最新情報をGET!

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事