抽選倍率7倍超!「自衛隊音楽まつり」の人気を支える3人の歌姫
11月18・19日、日本武道館においてコロナ禍で開催が見送られていた「自衛隊音楽まつり」が3年ぶりに開催された。2日間で計6回行われた公演の観客数は、各公演約3000人。すべて抽選で、そのチケットは倍率7倍以上という「プラチナチケット」だ。なぜ、「自衛隊音楽まつり」はこれほど人気なのだろうか。
「自衛隊音楽まつり」は、自衛隊記念日行事の一環として毎年11月頃に開催されている、自衛隊最大の広報イベントだ。陸海空の各音楽隊を中心に編成され、自衛隊ならではの独自演奏、パフォーマンスが次々と繰り広げられる。
「美しい隊列でフォーメーションを変えながら演奏する『マーチングバンド』はもとより、外国の来賓を歓迎する『特別儀仗』も行われます。陸自の『特別儀仗隊』が行う来賓に最大の敬意を表す国家の儀式で、その隊員は、『容姿端麗な男子』のみで構成されています。ミリ単位で理想を追及した動きは、息をのむ美しさです。これらが、間近で見られるのです。言うまでもありませんが、無料です。当日は、席指定にもかかわらず、公演を待ちきれないファンの行列が武道館前にできていました」(長年自衛隊を取材しているジャーナリスト)
この他、公演で人気を集めているのが、隊員150人による「自衛太鼓」。音楽隊と違い、全国の自衛隊でクラブ活動的に行われている太鼓隊から選ばれた隊員が、鍛え抜かれた肉体で振り下ろすバチの迫力は圧巻だ。
そして、まつりの「華」といわれているのが、各音楽隊の「歌姫」による共演である。
「自衛隊は、’03年頃から音楽隊の公募を行っています。それまでは、各隊で個別に採用していました。自衛官の採用試験に受かることが大前提で、その上で音楽隊に入るための試験のようなものも行われます。音楽隊には定員があり、芸大・音大卒でも採用されるとは限らない狭き門。欠員が出なければ公募しないこともあります。そうした中、自衛隊初の『歌姫』となったのが、今公演でもオープニングを担当した海上自衛隊音楽隊の三宅由佳莉さん。陸自からは鶫(つぐみ)真衣さん、空自からは森田早紀さんが出演し、3人とも凛々しい制服姿で抜群の歌唱力を響かせていました。鶫さんは、テレビで特集が組まれるほどの人気です」(同前)
「歌姫」は陸海空音楽隊併せても数人といわれている。自衛隊音楽隊の独自のパフォーマンスに加え、その3人の共演を堪能できるとあって、抽選倍率が「7倍以上」となっているのだろう。
このほか、在日米陸軍軍楽隊、パプアニューギニア軍軍楽隊、パキスタン陸軍軍楽隊など、友好国の楽隊も出演している。ネットでは全編ノーカットの映像も流れているので、気になる方はチェックしてみてはいかが。
- 写真:野口卓也