『エルピス』にフジ政治部が不満、『サイレント』ヒットで局内で便乗商法…話題ドラマの裏話一挙公開! | FRIDAYデジタル

『エルピス』にフジ政治部が不満、『サイレント』ヒットで局内で便乗商法…話題ドラマの裏話一挙公開!

撮影現場密着レポート 688万回再生で新記録樹立の『silent』 世帯&コアともに強い『相棒』 キンプリ退所騒動で失速した平野紫耀版『クロサギ』 『アトムの童』で株が上がった名優 意外なクレームが寄せられた『エルピス』ほか

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目黒と川口の恋が泣けると話題の『silent』。見逃し配信の累計再生回数が11月1日時点で2200万回を突破
目黒と川口の恋が泣けると話題の『silent』。見逃し配信の累計再生回数が11月1日時点で2200万回を突破

「今期は『silent』(フジテレビ系)の一人勝ちの様相を呈しています。20代〜40代女性への訴求力と話題性が断トツで、見逃し配信の記録を次々と樹立。第4話では688万回再生を叩き出しました。フジ社内も沸いていて、情報番組などの番組表には積極的に『silent』と『目黒蓮』の文字を入れるようになっている」(キー局プロデューサー)

累計再生回数の記録を持つ『ミステリと言う勿れ』の1話あたりの再生回数が約300万だったことを考えれば、いかにモンスター級のヒットなのかがわかろう。

ライターの大山くまお氏は成功の裏に「新人脚本家の存在がある」と指摘する。

「生方美久さんは現在29歳で、『ヤングシナリオ大賞』を受賞して脚本家デビューするまでは看護師として勤務。仕事として脚本を書くのは本作が初めてなのですが、ありふれた言葉を丁寧に重ねることで人物の心情を表現し、何気なく聞いた言葉に実は別の意味があったことが後からわかるような仕掛けをさりげなく施すことができます。これまでのドラマでありがちな過剰な演技やストレートすぎるセリフなどがなく、それでいて感情を揺さぶられてしまうのは素直にすごい」

制作会社スタッフによれば、脚本以外にも本作ではリアリティが追求されており、「川口春奈(27)と鈴鹿央士(22)の電話シーンは、実際に別々の場所で通話してもらって、撮影チーム2班で撮る徹底ぶり」なのだという。

世帯視聴率とコア視聴率(13〜49歳男女の視聴率)がいずれも1位と最高のスタートを切ったのは人気シリーズ『相棒season21』(テレビ朝日系)だ。

「”亀山効果”でしょう。亀山薫役の寺脇康文(60)復活の話題性、イベント性が貢献したと考えられます。一方、同局の『ザ・トラベルナース』は、コア視聴率が高い『ドクターX』の中園ミホを脚本に起用。同じく病院が舞台のドラマですが、コア視聴率が取れていない。『ドクターX』との関連性を打ち出して、コア世代の視聴者に浸透させるべきだったかもしれません。高齢層は時間帯などの視聴習慣でドラマを観ることが多いですが、コア層は話題性で興味を持つ傾向があるので」(大山氏)

だが、亀山効果は長続きせず、『相棒』のコア視聴率は下落。11月第3週は2.4%で、尻上がりに上昇した『silent』の4.9%とはダブルスコアとなった。

『クロサギ』(TBS系)も出だし好調だったが、思わぬ形で冷や水を浴びせられた。『King & Prince』平野紫耀(25)のジャニーズ事務所退所発表である。「中押しのための番宣が打ちづらくなった」とキー局ディレクターが嘆く。

「同作は16年前に山下智久(37)が主演して18%超の数字を取った人気作。リメイクにあたり、ジャニーズ事務所に配慮しての平野起用だったのですが……。今後、各局の編成が変わってくるかもしれません。〝ガラパゴスアイドル〟ジャニーズの扱いは、配信での海外展開がトレンドとなりつつある日本のテレビ局にとって、頭の痛い問題だと思います」

退所発表以降、『クロサギ』のエキストラ募集に記載されるロケ地がこれまでの「東京都〇〇区」から「都内〇〇地区」にボカされたが、それでもコアなファンがSNSの目撃情報を頼りにロケ先に殺到。今後、風当たりが強くなることを察知してか、平野は撮影の合間ファンサービスに精を出しているという。

『半沢直樹』などメガヒットを次々放ってきたTBSの看板枠、日曜劇場『アトムの童(こ)』は苦戦が続いている。

「希望に満ち溢れているはずのゲーム業界が、まるで夢のない世界になっている。オダギリジョー(46)率いる悪役どもの所業が酷すぎて……。香川照之(56)が不祥事で降板せずに敵の大ボスのままだったら、楽しめたのかも――と香川の需要に思い至りました。もちろん、オダギリは悪役を完璧に演じているだけで罪はない」(ドラマウォッチャーの北川昌弘氏)

TBS関係者が言葉を継ぐ。

「撮影済みだった香川の登場シーンが撮り直しになり、ロケを予定していた場所も急遽NGになるなど、ドタバタ続きでしたが、唯一の収穫が代役のオダギリさん。たしかな演技力、現場での真摯な態度にドラマ班の好感度が爆上がりで、今後、TBSドラマで大事にされるでしょう」(キー局プロデューサー)

数字は振るわないが、多くのドラマウォッチャーたちが「今期ナンバーワン」と推すのが『エルピス—希望、あるいは災い—』(フジ系)である。

「『カルテット』『大豆田とわ子と三人の元夫』『17才の帝国』ら名作を手掛けた、今もっとも注目を浴びるプロデューサーの佐野亜裕美の作品。しかも主演・長澤まさみ(35)&演出・大根仁という映画『モテキ』の黄金コンビ。テレビ局を舞台にした業界ドラマで、冤罪事件を追及するという凄い内容でディティールが細かい。カメラワークも刺激的で、長澤のラブシーンはかなり生々しい」(北川氏)

マスコミへの皮肉も利いており、「攻めたドラマ」と評判だが、意外なところから逆風が吹いているという。

「カンテレ制作なのですが、キー局のフジテレビ政治部や報道部から『なんでこんな自己卑下みたいなドラマをやるのか』と不満が囁かれているのです。局内の会議でも抗議の声が上がったとか。この騒動を耳にした佐野氏はカンテレに嫌気がさしている――とウワサになっています」(キー局プロデューサー)

本田翼(30)主演の『君の花になる』(TBS系)は、昨今流行りのボーイズグループがテーマだが、大山氏は「オーディションを観続けてグループに感情移入していくものですが、その過程がカットされている。取ってつけたような感動シーンも興ざめ。本田翼が寮母という設定にも無理がある」と手厳しい。

制作会社スタッフはこう弁護する。

「劇中に登場するグループ『8LOOM(ブルーム)』のグッズは下手なアイドルグループより広く展開されています。狙ってコア視聴率を獲りに行った意欲作ではあります」

今クールで目立つのは日本テレビ系ドラマの不調。『ファーストペンギン!』は「コメディ色はあるものの、男性優位社会の閉塞感と陰湿さがドロドロに出ていて、それに対する拒否感が視聴率の伸び悩みにつながったかもしれません」と大山氏は分析するが、救いとなっているのが主演に抜擢された奈緒(27)の奮闘だ。20歳まで下積み時代を過ごした彼女は早朝ロケでも笑顔を絶やさず、子役のケアに努める余裕を見せていた。

「主人公が多重人格という設定でわかりにくく、混乱する。残酷なシーンも多くてキツかった」(北川氏)と脱落者が続出した『親愛なる僕へ殺意をこめて』(フジ系)という誤算もあったが、今期顕著なのがフジテレビ勢の健闘だ。

「6月に就任した港浩一社長&大多亮専務コンビが『とにかくドラマに力を入れろ!』と大号令を発したのです。トレンディドラマの大家の大多氏が口を出しすぎて現場は困惑しているそうですが、新人脚本家の起用などの挑戦がコア層に刺さっている」(民放ディレクター)

稼げるコンテンツと再評価され、激戦地帯となっている連続ドラマ。レジェンドの戦線復帰はひとまず、フジに勢いをもたらしたようだ。

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『FRIDAY』2022年12月16日号より

  • PHOTO近藤裕介(目黒&川口、平野、奈緒) 菅原 健(長澤) 村田義人(本田、山田&門脇) 柚木新平(山﨑)

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