スペイン撃破でGS1位通過!最強・日本代表「勝因とキーマン」
「みなさんの気持ちが伝わって勝てた。前半の頑張りが後半につながった。ベスト8以上の新しい景色をつかみ取りたい」
試合後の会見で、森保一監督(54)は力強い表情で、こう語った。
まさに歴史的な快挙だ。カタールW杯グループリーグ第3戦で、日本は無敵艦隊・スペイン代表と対戦。前半11分にFWアルバロ・モラタ(30)のゴールで失点するも、後半に堂安律(24)、田中碧(24)の連続ゴールで逆転。W杯で優勝経験のあるドイツ、スペインを破って、「死の組」を首位通過した。サッカージャーナリストの中山淳氏が語る。
「やはり一番の勝因は森保さんの采配でしょう。この試合は5バックで入りました。守備からしっかり入り、まずは失点を最小限に止めるということを重視した。スペイン相手に90分を通じてアグレッシブにいくことは厳しいですからね。そして後半から攻撃にシフト。ハーフタイム明けから三笘(薫・25)と堂安を入れたことがその意思の表れだと思います。森保さんのプラン通りに進められたことが勝利を呼び込みましたね」

試合のキーマンには3人の選手を挙げた。
「前半と後半で戦術が違うので、それぞれ挙げさせていただきたいですね。まず前半のキーマンはFWの前田(大然・25)と中盤の守田(英正・27)です。この2人がとにかく粘り強く守備に奔走した。特に、スペインの攻撃の起点である中盤のセルヒオ・ブスケツ(34)を自由にしなかったことは大きいです。
後半はなんといっても堂安でしょう。最初のチャンスを個の力で見事に先制点に結びつけたことは本当に大きかった。あの1点で、ゲームの流れが日本に傾きましたからね」(中山氏)
日本の決勝トーナメント初戦は、日本時間12月6日0時にキックオフとなる。相手は前回大会準優勝のクロアチアだ。強豪との一戦だが、中山氏は「日本の本来のスタイルを出せば結果はついてくる」と言う。
「今までなかなか交代カードを切らなかった森保さんが、今大会では積極的に戦術の変更や選手交代を行なっている。そして、その森保さんのプランがことごとくハマっています。ベンチワークもいいですし、選手、監督ともに自信を持って戦えている。クロアチアとの試合ではドイツやスペインに見せた守備から入る戦い方ではなく、前半から自分たちのスタイルで戦ってほしいですね。実力を出せれば、決して勝てない相手ではないと思います」
ジャイアントキリングを巻き起こす森保ジャパンなら、悲願の「W杯ベスト8」を必ずや成し遂げてくれるに違いない。






写真:JMPA代表撮影