お笑い界震撼のチャンネル…!ケンドーコバヤシの元相方YouTuber村越周司が言いたいこと
インタビュー 「オモロない奴をオモロいと言う芸人たちへ」 「松本人志は芸人として死んでいる」という衝撃発言まで飛び出した
今年8月末に人知れず引退を発表した、ある元芸人のYouTubeがお笑い界を震撼させている。村越周司(むらこししゅうじ)(50)の『お笑いネタディスりチャンネル』だ。
今年10月の『キングオブコント』後には、決勝進出者のネタを辛口批評する動画を公開。優勝した『ビスケットブラザーズ』について、「今どきセーラー服にブリーフの衣装なんて文化祭レベルのセンス」とこき下ろした。ディスりは後輩芸人にとどまらず、『FUJIWARA』の原西孝幸を「ギャグの前振りが長すぎる」と酷評したかと思えば、極めつけには、芸人界では神と崇(あが)められる松本人志まで「笑いのセンスが錆びてる」と指摘し、お笑いファンを驚愕させた。
村越といえば、かつて「孤高のギャガ—」としてカルト的な人気を誇った芸人だ。芸人という職業を意識したのは小学6年生の頃だったという。
「当時は『8時だョ!全員集合』や『オレたちひょうきん族』が全盛でしたが、僕はどっちもオモロいとは思わなかった。すねた子供だったんです。でも、その頃にちょうど売り出し中だった『ダウンタウン』のラジオを聞いて、『こんなオモロい人がおるんか!』と衝撃を受けた。そこから芸人を目指すようになりました」
高校卒業後の’92年にNSCに入学。「花の11期」と呼ばれる同期には、ケンドーコバヤシや陣内智則、『中川家』、ハリウッドザコシショウ、たむらけんじなど現在のお笑い界を支える中堅芸人がズラリと並ぶ。
’95年にはケンコバに誘われて『モストデンジャラスコンビ』を結成、レギュラー番組を持つなど売れっ子の道を歩むかに思えた。しかし、村越の極度の「あがり症」によって、徐々に人気は衰え、’00年に解散。村越は吉本を退社した。
「ケンコバはNSC時代から、僕のことを『お前はオモロい』と言ってくれてました。僕がコンビ解散を切り出した時もコバは『俺らは絶対に売れる』と何度も説得してくれた。たぶんお笑いのセンスが似てると感じていたんだと思います」
その後、ピン芸人として吉本に戻るが、今年8月、再び芸人引退を発表した。
「もちろん、食えなかったというのが理由の一つです。ただ、芸人って固定給をもらってるわけではないので、わざわざ引退宣言をしなくてもいいんです」
それでもあえて公表したのは、抱え続けてきたお笑い界に対する本音を明かすためだったという。
「『この芸人、オモロないなあ』と思う場面はいくつもありました。でも周りの芸人たちは『面白かった!』とSNSで呟いたりしてる。それがどうも嘘くさくて。オモロないならオモロないと言ったらいいのにって。そのモヤモヤがずっと自分の中にありました。50歳という年齢もあり、やりたいことをやろうと考え、『お笑いディスリ家』を始めました。といっても無理にくさすつもりはなく、自分としては芸人時代からずっと思っていた本音を語っているだけです」
インタビュー中も終始、お笑いディスりが止まらなかった。
「僕は松本さんに憧れて芸人になった身ですから元は松本信者です。だからこそ最近のコント番組を見て、昔のセンスはどこに消えたのかとショックでした。松本さんは芸人としては死んでると思います。アンチからは『偉そうに言うな』って攻撃されますが、それでも結構。今が人生で一番楽しいですね」
ディスるのは人格ではなく、あくまでネタについて。お笑い界から解き放たれた男は、これからも吠えまくる。




『FRIDAY』2022年12月16日号より
PHOTO:加藤 慶(1枚目)