森保一監督 後任人事で“にわかファン”よりもヒドかった日本サッカー協会の「手のひら返し」
サッカー日本代表のワールドカップ(W杯)が終わった。
“死の組”と呼ばれたグループE組で強豪ドイツとスペインを撃破。決勝トーナメント1回戦でクロアチアと120分間の死闘を戦い抜き、最後はPK戦で散った。
次なる関心事は4年後の代表監督を誰が務めるか。その過程では“大人たち”の思惑が激しく交錯している。
「ドイツに勝利したあと、格下と見られていたコスタリカに足をすくわれ、日本代表には手の平返しともいうべきブーイングが飛びました。でもこれはまだかわいい方で、本当に手の平返しがひどかったのは日本サッカー協会ではないでしょうか」
そう語るのはテレビ関係者だ。というのも、スペイン戦が行われた12月2日前後に日本代表監督の後任人事に関する話が複数のメディアで流れたのだ。
それによると、後任監督で名前が挙がっているのは、前ドイツ代表監督のヨアヒム・レーヴ氏、アルゼンチン代表などを率いたマルセロ・ビエルサ氏、現ベルギー代表のロベルト・マルティネス氏、ほかにも複数の外国人指導者がリストアップされ、その中にはカタールW杯でセルビアを率いる元J1名古屋監督のドラガン・ストイコビッチ氏の名前もあるという。
なかでもビエルサ氏には日本サッカー協会の反町康治技術委員長が直接コンタクトを取り、正式な就任要請ではないものの、監督就任の意欲を確認したという。
「日本代表が勝ち進んでいる段階で次の監督人事に関する話が出たことが信じられない。せめて日本の終戦を待ってからでも良かった。そのタイミングで流れるのだから、スペイン相手に『負ける』と決め打ちしていたのではないか」(スポーツ紙記者)
結果はご存知の通り、日本の大金星。森保監督の采配もハマり、世界がその手腕を称賛した。
すると翌3日、日本サッカー協会は火消しに走った。田嶋幸三会長がマスコミの取材に応じ、森保監督の続投について
「間違いなく次の候補の一人になる」
と断言。後任人事については
「大会が終わるまで封印することに決めている」
としつつも
「(反町技術委員長が)今いろんなことを考えるのは当然のこと。(次期監督候補に)いろんな名前があるのは当然で、その中に森保が入っている」
と語った。あるサッカー誌のライターは
「こんな手の平返し見たことないですよ」
と言い切る。
とはいえ、後任人事は感情論で決めるものではない。強豪国を撃破し、絶望視されていた決勝トーナメントに進出した手腕を買うのか、それとも目標だった『ベスト8』に届かなかった結果を取るのか。
前出のスポーツ紙記者は
「すごく難しい選択になるが、協会の内心はやはり外国人監督なんだろう、と見ている。ずいぶん前から動いていたようですしね。
森保ジャパンの決勝T進出は嬉しい誤算。ベスト8にいっていれば、森保監督の続投だっただろう」(前出・スポーツ紙記者)
森保監督は続投要請に前向きな姿勢を見せているが、W杯に同行したサッカー記者によると
「内心はよくわからない。W杯で見せた“森保マジック”で海外の強豪クラブからお声がかかる可能性もある」
という。果たして4年後に“侍ブルー”を率いるのは誰になるのか――。
- 写真:森田直樹/アフロスポーツ