市が調査して事実と認定…!愛媛・松山市公設卸売市場で横行する「高校野球賭博」の実態
1000人以上が参加、数百万円規模のカネが動いていたという証言も……
愛媛県松山市の公設卸売市場で高校野球を対象とした野球賭博が横行している――。そんな情報がFRIDAYに入ったのは、11月中旬のことだった。
賭博が蔓延している市場には、毎日数百人規模の漁師や仲買人が出入りしているという。松山に向かったFRIDAYは、賭博の胴元を務めるベテランの小売店経営者に接触。彼は詳細をこう証言した。
「年2回の甲子園を対象に賭けをやっている。もう20年以上前からです。以前は場内の居酒屋が胴元をやっていたが、私が10年ほど前に引き継ぐようになった。野球賭博と言っても、仲間内でやっているもので、一口100円とか200円とかですよ。賭け金の総額で20万円も集まれば盛況なほうじゃけん。大阪桐蔭が優勝したときなんて、1900円くらいしか勝てなかった」
FRIDAYは、胴元が作成したという賭博に使用する口数の書き込み表も入手した。この人物は、「あくまで仲間内だけの趣味」と語ったが、このペーパーが出回っている可能性は否定しなかった。実際、賭博に参加したことがあるという別の漁師は次のように明かした。
「市場内でやっていない人はいないというくらいですよ。卸売、仲買人、買参(ばいさん)人、漁師、軽く数百人はやってると思う。みんな平均的に1万〜3万円は賭けるので、1000万円近く集まっているはず。20年以上前から行われていることが、今さらになって問題になっているのは、市場内のゴタゴタが関係しているような気がしますね。昔から一部の市場関係者が不当な価格で魚の取引をしていると、不満を持っている漁師は多いですから」
「公設」という名のとおり、卸売市場を管轄しているのは松山市だ。野球賭博の蔓延はすでに市も把握し、調査を開始しているという。松山市産業経済部市場管理課の池田浩樹・水産市場担当は取材にこう答えた。
「(10月末頃に)情報提供があり、名前が挙がった方に伺ったところ、(賭博を)やっていると。卸売業者、仲卸、あとは小売店などの方々。捜査機関ではないので金額などの規模については聞いていませんが、警察には情報を提供し、必要であれば捜査に協力をしていく予定です。不思議に思われるかもしれませんが、私らとしては(賭博については)まったく知りませんでした」
警察に届け出をすると強調した担当者。野球賭博は暴力団の資金源となるケースも多いだけに、全容解明が待たれる。


『FRIDAY』2022年12月16日号より