「プール金」に手をつけ…人気アナウンサーが起こした「労働組合費」4000万円横領事件

名古屋を中心とした中部地方を対象とするＴＢＳ系放送局・ＣＢＣテレビで、衝撃的な事件が起きていたことが明らかになった。現役社員、それも人気アナウンサーが労働組合費を横領していたのだ。

その額、実に4000万円。着服していたのは、入社10年目の江田亮アナ（33）だ。

江田アナは早稲田大学を卒業後、’13年にＣＢＣテレビに入社。ＣＢＣの看板番組である『キユーピー３分クッキング』や『ゴゴスマ』に出演し、プロ野球中継などで活躍していた。’18年にライバル局であるテレビ愛知のアナウンサー・岡田愛(めぐみ)マリー（32）と結婚したことでも知られている。

人気アナウンサーが横領とはいったいどういうことなのか。内情をよく知る関係者が語る。

「発覚したのは今年９月頃、労働組合の役員改選があり、組合長と財務部長が交代したことがきっかけでした。新しい組合が、’18〜’21年に財務部長だった江田に組合費を確認したいから通帳を出してほしいと伝えたところ、『破棄した』と言う。不審に思い電子記録を確認すると、ストライキに備えるためのプール金が無断で入出金され、そのうち500万円が消えていたことが明らかになった」

組合が江田に500万円の行方を尋ねると「組合員の飲食費に使った」と説明。しかし労働組合での飲食は多くても年に数回しかなく、500万円もの大金がかかることはあり得ない。矛盾を追及された江田は最終的に驚くべき額の横領を認めたという。

「500万円にとどまらず、なんと4000万円も着服していたことを認めたのです。財務部長だった江田がキャッシュカードと通帳を管理しており、’18年からの４年間、複数回にわけて労働組合費を引き下ろしていたことが組合の調査で分かりました。組合費のほかにも、タクシーチケットや、会合費の私的利用なども発覚しました」（内部関係者）

4000万円もの大金を江田は何に使っていたというのか。

「江田は組合の調査に対し『投資に使った』と言っています。しかも投資の才能があったのか、横領したお金を溶かすことなく、なんと1000万円以上の利益を出していたと聞いています」（同前）

江田は発覚を恐れてか、横領していた4000万円のうち3500万円を今年の９月には返金していた。最終的には不足していた500万円についても横領を認め、返金。ただ、投資で儲けた約1000万円は返金していないという。

企業法務に詳しい加藤・浅川法律事務所の加藤博太郎弁護士は、こう指摘する。

「会社のお金に手をつける行為は業務上横領罪にあたり、10年以下の懲役が科されます。返金していたとしても、横領罪には変わりません。また、不当に得た金銭を利用して利益を得た場合、民事上ではその利益を返還する必要があります」

前出の内部関係者が語る。

「すでに組合からは組合員全員に対し、江田による横領の事実を確認した旨が今年11月24日付で通達されています。会社は自社のアナウンサーの不祥事が表沙汰になることを恐れてか、刑事告訴はしない方針だと聞いています。社内では緘口(かんこう)令が敷かれているようです」

江田の普段の様子を知るＣＢＣ社員は驚きを隠せなかったという。

「地方局といえど江田はテレビ局の花形であるアナウンサーです。少なくとも年収1000万円ほどはもらっていると思います。ブランド物や車などに散財するというタイプではありませんし、お金には困っていないはず。横領はさすがに驚きました。そもそも労働組合のプール金というのは、社員の給料から天引きされたお金なんです。名前が江田亮(えだりょう)なので、社内では″オウリョウくん″と呼ばれています」

事実関係を確認するため、FRIDAYは12月上旬、大きなトランクを転がしながら妻と二人で帰宅した江田を直撃。横領について質問を重ねたが、江田は「会社のほうに聞いてください」と何度も繰り返し、足早に自宅である高層マンションに入っていった。

後日、ＣＢＣテレビに質問状を送付したところ、

「ＣＢＣテレビは労働組合からの報告を受け、現在、事実関係の調査中です。適切に対応をいたします」

との回答だった。

業務上横領は立派な犯罪行為。世の不正を報じるメディアが、臭いものに蓋では済まない話だ。

『FRIDAY』2022年12月23日号より