日銀も近い都心で100kgのフタが吹き飛び…46歳男がマンホール内で爆破「戦慄の現場写真」

死傷者が出なかったことが、不幸中の幸いだろう。

12月８日、警視庁捜査１課は千葉県船橋市に住む無職・釜付敦史容疑者（46）を逮捕した。建造物等以外放火や威力業務妨害などの疑い。ＮＴＴ東日本が地中に埋めた通信設備を、ガスを充満させたうえ火をつけてマンホール内で爆破。重さ約100kgのフタが吹き飛んだのだ。

「事件が起きたのは東京・日本橋のビジネス街です。近くには、日本銀行や日本橋三越本店がある繁華街ですよ。しかも爆発したのは11月20日の日中。100kgのフタが吹き飛んだのに、ケガ人がいなかったのが不思議なくらいです。

当該の施設には点検のために、マンホール内へ『ハンドホール』（縦60cm、横120cm、深さ135cm）というコンクリート製のボックスが設置されていました。釜付容疑者は『ハンドホール』の地上の穴からガスを注入。充満させ火をつけたと思われます。現場からは、カセットボンベ１本と、固形燃料の燃えカスが見つかりました。警察は防犯カメラの映像などから、釜付容疑者をわり出します。調べに対し、釜付容疑者は『覚えていません』と犯行を否認しているそうです」（全国紙社会部記者）

革命家気どりのツイッター

爆発により通信ケーブル６本が焼けたことで、180もの回線に障害が発生。復旧までに約17時間を要した。釜付容疑者の犯行は、突発的ではなさそうだ。釜付容疑者のものと思われるツイッターの書き込みからは、通信回線に関する造詣の深さがうかがえる。

「有名なアミューズメント施設の地下には２つの回線が通っている、マンホールのフタを開けるには万力が必要だなど、通信ケーブルへの豊富な知識が記されているんです。しかも戦前の日本軍や01年に米国で起きた同時多発テロを引き合いに、放電を止めれば大騒動になるとの趣旨も記しています。革命家気どりの内容なんです」（同前）

事件の背景を、神奈川県警元刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が解説する。

「もともと容疑者は、通信設備に強い興味を持っていたのでしょう。ネットや書物で調べるうちに、どんどん関心が高まっていった。通信設備を破壊すればどうなるのか知りたいという欲求がエスカレートし、犯行につながったと考えられます。本気でテロを起こそうとは、思っていなかったはずです。

ただ今回の事件は、変わった趣味のイチ個人のトラブルでは済まされません。100kgのフタが吹き飛んでいるんです。ケガ人が出ていたら、容疑者は殺人未遂の疑いでも取り調べを受けていたでしょう。犯行の重大さに想像がいたらず、安易な気持ちで大変な事態を招きかねなかったんです」

「関連画像」の現場写真をご覧いただきたい。写真に写った重厚で重いマンホールが吹き飛び、頭上から落ちてきたことを考えると戦慄を覚える。