「岸田下ろし」が始まった!防衛費増税に「全面反発」高市・西村・秋葉らチーム安倍の目論見 | FRIDAYデジタル

「岸田下ろし」が始まった!防衛費増税に「全面反発」高市・西村・秋葉らチーム安倍の目論見

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岸田首相の強引な政策に「内閣の一員」である高市経済安保相が啖呵を切って「岸田下ろし」開幕のベルが鳴った 写真:つのだよしお/アフロ
岸田首相の強引な政策に「内閣の一員」である高市経済安保相が啖呵を切って「岸田下ろし」開幕のベルが鳴った 写真:つのだよしお/アフロ

防衛費の大幅増額。そのために必要となる財源は、法人税、たばこ税、復興所得税から賄うとして、最大1兆円2千億円の増税を打ち出した岸田文雄首相。統一地方選を年明け4月に控え、閣僚、自民党はこの「岸田政策」に猛反対の嵐となった。

閣内からは、高市早苗経済安保相が、いち早く反対を表明。

「閣僚の任命権は総理にあるので、罷免をされるのであれば、それはそれで仕方がない。覚悟をもって申し上げています」

クビを切るならいつでもどうぞと啖呵(たんか)を切った。続いて西村康稔経産相は、

「法人税の増額は、企業が賃上げと投資をしようとする機運に水を差すことになる」

と、このタイミングで法人税増税という間の悪さ、流れが読めていない岸田首相のKYぶりに困惑と不信感をあらわにした。さらに秋葉賢也復興大臣は会見で、

「東日本大震災からの復興財源を、それ以外の目的へ流用することは断じてない」

と、顔色を変えて猛反発を示した。そもそも、防衛費の大幅増額について十分な議論がなされたとはけっして言えない。

「岸田下ろし」が不可避な理由

「岸田首相批判」の火の手はさらに広がる。13日、保守系有志議員20人が衆院議員会館で開いた会合では「内閣不信任に値する」という過激な声も飛びだした。

「増税方針を決めるまでのプロセスが乱暴すぎる。税調幹部だけで決めれば政局になる。そもそも、税の目的外使用は許されないルール違反だ」

政局、つまり内閣辞職か改造か、いずれにしても「このままでは済まない」というのが大勢の空気なのだ。党内では「岸田政権では自民党が潰れてしまう」という危機感が日々募っている。「この際、急先鋒の高市を担ぐ」と、「岸田下ろし」の具体的行動へ、容赦ない発言もあった。自民税調幹部がこう明かす。

「防衛費財源の増税案は11月下旬、岸田首相が麻生副総裁、菅元首相と相次いでサシの会談を行ったときに相談していた案件です。おそらく、萩生田政調会長にも事前に伝えられていたでしょう。いずれも、岸田首相に翻意を促しましたが、国防を自分事として国民に理解していただきたいと首相は主張、臨時国会終了後のタイミングで増税表明したのです。

しかし、防衛費を増額してその金で『何を買うのか』という中身を示さないまま、ただ『兵器を買う金をよこせ』では、みんな怒るのは当たり前。岸田首相にしては、やり方が、やや乱暴だった」(自民党幹部代議士)

岸田首相のトップダウンを受けて9日、緊急招集となった自民党政調全体会議は、50人以上の怒声、罵声が飛び交う大荒れとなった。

税制改正が選挙に直結する議員にとって、増税は痛い。それがなくても支持率が低落するばかりの岸田首相から飛び出した増税方針に議員らは危機感を募らせている。

今、関係者は、首相の乱心をなんとか力ずくでも阻止しようとしている。が、防衛費増額の本質を見なければならないと警鐘を鳴らすのは自民党リベラル派の重鎮だ。

「財源」など、どこにもないのに

「防衛費の積算根拠が示されないまま、不足の1兆円分の『増税』だけが争点になっています。しかし、残る3兆円の財源ですら確保されているのか怪しい。今回用意されるのは、外国為替特別資金特別会計やビルの売却などからかき集めた金で、恒久財源ではないのです」

岸田首相が当てにしている財源、『防衛力強化資金』は、外国為替資金特別会計、財政投融資特別会計、新型コロナウイルス対策費余剰金に加え、東京・大手町の政府保有分ビル「大手町プレイス」売却で「かき集めた」もの。2027年度以降の防衛費については、その財源はまったく確保されていないのだ。

「国債発行をしない方向であれば、財源は再増税に頼るしかない。鈴木俊一財務相は疲れ切っています。『なんとか工夫して、防衛費をひねり出すしかないな』とため息をついていました」(財務省キャリア)

財源に関する議論以前に、「防衛費の大幅増額」についてもっと議論を尽くす必要があることは言うまでもない。岸田首相は防衛費問題の年内決着を指示した。何があろうと通そうという態度である。経済を重視してきた宏池会の岸田首相が、中国、ロシア、北朝鮮の恐怖を煽り、有事を喧伝する政権運営は本意なのか。国民は、何が何でも戦争を回避する政治を求めているのではないだろうか。

今年2月、衆議院本会議。笑顔で語りかける高市に耳を傾ける岸田。首相の「聞く力」は、いつ失われたのか…
今年2月、衆議院本会議。笑顔で語りかける高市に耳を傾ける岸田。首相の「聞く力」は、いつ失われたのか…
  • 取材・文岩城周太郎写真つのだよしお/アフロ

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