「船が沈みよる」「今までありがとう」と乗客の悲痛な肉声が…知床遊覧船・社長「驚きの今」 | FRIDAYデジタル

「船が沈みよる」「今までありがとう」と乗客の悲痛な肉声が…知床遊覧船・社長「驚きの今」

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事故直後、報道陣に囲まれる桂田社長。不快そうな態度を示すこともあった(画像:時事通信社)
事故直後、報道陣に囲まれる桂田社長。不快そうな態度を示すこともあった(画像:時事通信社)

〈船が沈みよる。今までありがとう〉

〈足までつかっている。冷た過ぎて泳ぐことはできない。飛び込むこともできない〉

今年4月に北海道の知床半島沖で26人が犠牲となった、遊覧船「KAZU 1(以下、カズワン)」の沈没事故。12月15日に運輸安全委員会が公表した経過報告書には、乗客たちの悲痛な声が記されていた。当日の海水温は2℃ほど。船内の惨状がうかがえるだろう。

沈没直前には、船長が同業者に無線でこう絶叫していたという。

〈船が浸水してエンジンが止まっている。前のほうが沈みかけている。救助してくれ!〉

報告書によると、沈没の原因となったのが「カズワン」前方にあった約50cm四方のハッチだ。フタが開いていたため海水が入り込み、浸水が始まったとみられる。

「網走地方気象台は事故当日、最大風速15m、波の高さは3m以上になるとし強風・波浪注意報を出していました。『カズワン』の甲板は水面から96cmの高さにあり、容易に水が入ってきたと思われます。ハッチのフタは、高波による揺れで開いたのでしょう。操舵室から死角になっており、フタが開いても船長は確認できなかったようです」(全国紙社会部記者)

〈本当に腹立たしい〉

荒天のため他の遊覧船が出航を取りやめるなか、運航を強行した「カズワン」。運営会社の「知床遊覧船」(斜里町ウトロ)は6月に、国土交通省・北海道運輸局から事業許可取り消しの行政処分を受けた。「フライデーデジタル」の記者が、夏に事務所を訪ねるとシャッターが閉まり人の気配がなかった。脇にはゴミが放置され廃墟に。近くで飲食店を営業する女性従業員は、こう語っていた。

〈夏前に看板を撤去し、事務所を引き払ったようです。ただ(桂田精一)社長(59)は、事故後私たち地元民へ正式に謝罪をしていません。(事故の影響で観光客が減り)街に大きなダメージを与えながら、本当に腹立たしいです〉

当時、桂田社長は自宅に引きこもり街で姿を見かけることは、ほとんどなかったという。しかし今は状況が違うようだ。「知床遊覧船」の元従業員A氏が語る。

「普通に街を歩いていますよ。コンビニで買い物する姿を見かけます。以前は人目を避けている様子でしたが、今では社長のほうから話しかけてくる。あまり反省した様子がうかがえず、こちらが驚いてしまうぐらいです。行きつけの居酒屋で、よく酒を飲んでいるという話も聞きます」

第1管区海上保安本部(小樽市)は、悪天候で出航させた判断やハッチの不具合などについて桂田社長を業務上過失致死容疑で来春にも立件する方針だ。

  • 写真時事通信社

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