フォロワー160万超…インフルエンサー・ひかりんちょが語る「ずっと10代の代弁者でありたいです」
Next Generation Star 第29回
「今は10代として”10代の代弁者”と言われているんですけど、自分が20代、30代になった時も、新しい10代の子が抱えている悩みのために何かできたらと思っています」
そう語るのは、”10代の駆け込み寺”として若者から圧倒的な人気を誇り、同世代だけでなく親世代、教育関係者からも注目を集めている、ひかりんちょ(19)だ。
総フォロワー数が160万人を超えるSNSを生かし、インフルエンサーとして活動する一方、NHKの福祉番組や東京ガールズコレクションにモデルとして参加。タレントとしては、今年10月『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)に出演し、高校1年生の時に出版したエッセー本『ありのままの私を受け入れずに批判する奴には、心の中で中指を立てればいい』は4度の重版となっている。マルチな才能を発揮しているのだ。
一体彼女は何者なのか……。”ひかりんちょ”誕生の裏側と、知られざる素顔について語ってもらった――。
’03年、静岡県に生まれた彼女の近くには、Z世代の例にもれず、幼いころからスマートフォンがあった。
「小学校3年生の時に、親にスマホを買ってもらいました。当時はYouTubeとか動画アプリが流行り始めていて、興味本位で動画を投稿したのが”ひかりんちょ”としての活動のスタートです」
小学校高学年から多くの動画を投稿していたことでちょっとした有名人となり、中学入学時には上級生が彼女見たさに教室へ詰めかけたという。そんな状況も楽しみながら動画投稿に励んでいたが、翌年、不登校になってしまう。
「中学2年生のクラス替えのタイミングで、クラスメイトと馴染めなくなってしまい、学校に行けなくなったんです。家族とも上手くいかなくて……。色んなことが重なって、自分の居場所はどこにもないんだと絶望しました」
居場所がなくなった彼女を救ったのは、似た境遇の人々とのSNS上での交流だった。こうした体験から、彼女はフォロワーのお悩み相談に積極的に乗るようになる。900件ものお悩み相談をまとめた書籍『17歳 自分のことを愛せないと誰のことも愛せない』を、’20年に上梓した。
「こんなに10代の悩み相談に乗った人もいないと思います(笑)。私もそうなんですけど、対面(リアル)での相談は相手の反応が怖いと思う10代が多いんです。『この相談をしたら相手にどう思われるかな』って。友達や親ならなおさら不安。だから私にお悩み相談が来るんだと思います」
Z世代の悩みを聞くうちに、ある使命感を持つようになったという。
「口にあまり出さないだけで、10代って実はしっかりとした考えを持っている人が多いんです。若者はこんな意見を持っているんだよ、ちゃんと考えているんだよ、と世の中に伝えていくことが私の使命なんじゃないかと。より多くの大人に伝えるために、テレビやモデルなどマルチに活躍をして、ひかりんちょという人がいることを知ってもらいたいですね」
メディア露出が増える中で、ぶつかった悩みも告白してくれた。
「バラエティ番組に出たときに”10代っぽいアゲアゲな感じ”を求められるんです。動画撮影とかプライベートならハイテンションなんですが、そういうキャラを出すのにはまだ慣れていなくて……。見た目はギャルだけど内面はしっかりしてます、みたいなキャラで本当はやっていきたいですね(笑)」
“ひかりんちょ”=”代弁者”と大人から認知される日も、そう遠くないだろう。



『FRIDAY』2022年12月30日号より
PHOTO:濱﨑慎治