あだ名は「オオカミ中年」…徳島県知事選出馬の後藤田正純議員に「地元が総スカン」のワケ | FRIDAYデジタル

あだ名は「オオカミ中年」…徳島県知事選出馬の後藤田正純議員に「地元が総スカン」のワケ

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’21年の衆院選では比例で復活当選。地元での評判は芳しくない
’21年の衆院選では比例で復活当選。地元での評判は芳しくない

“予期された”保守分裂により徳島が揺れている。

旧統一教会問題、相次ぐ閣僚辞職の影響もあり、支持率が急降下している岸田政権にとって、さらなる頭痛の種が首長選でも顕在化した。

舞台となるのは、来年4月に予定される徳島県知事選挙。候補者達の動向がにわかに注目を集めている。その理由は、かねてから出馬意向を表明していた三木亨参院議員(53)に加え、12月9日には後藤田正純衆院議員(55)が立候補することも明らかになったからだ。これにより現職の自民党国会議員2名が争うという異例の構図が出来上がり、現職の飯泉嘉門(62)を含め、最大4人が知事を争う形となる。

自民党徳島県連関係者がこう解説する。

「今秋頃から後藤田議員の立候補が地元では噂になっていましたが、さすがにないだろう、という見方が強かった。というのも、’19年の県知事選挙の際、後藤田さんは県連の飯泉知事推薦に反発し、新人を応援したという過去があり、県連と後藤田さんの関係は最悪だったからです。ただし、先月に後藤田議員のポスターが地元でも一斉に外されたことで、見方が変わった。三木議員も優先的に当選できる比例区特定枠で当選しているため、任期中の辞任となるとまったく地域と関係のない候補者が繰り上げ当選となる。そのため県連は三木議員に出馬断念を説得してきましたが、聞く耳を持たない。頭が痛い限りですよ」

県知事選挙の動向を占うキーマンとされてきたのが、後藤田議員だ。後藤田議員は大叔父に官房長官などを歴任した後藤田正晴を持つサラブレッドで、当選回数は8回を誇る。妻に女優の水野真紀を持つことでも知られる。だが、少なくとも永田町での評判は芳しくない。

ある自民党の国会議員はその人物評をこう話す。

「当選8回、稀代の政治家とも言われた後藤田正晴さんの血筋ながら、大臣経験がないということがすべてを物語っています。その理由は『オオカミ中年』と揶揄されるほど、態度がコロコロ変わることです。これまでいくつも派閥を渡り歩き、現在は茂木幹事長にすり寄っています。県知事選挙に関しても、10月の段階で茂木幹事長を含む党4役に出馬への事前面談をしたそうです。

とにかく気が小さい人なので、三木議員に関しても、党本部から出馬を断念させるように直訴して、自身の出馬表明を引き伸ばしたのではないか、という話も聞いています」

後藤田議員は11月25日に支援者を集めて開いた会合で、自身の県知事選挙出馬を匂わせる「徳島再生 県政刷新への覚悟」と題された文書を地元で配付している。本誌が入手した現物を見ると、オリエンタルランドの会長やローソンの社長をはじめとした、主要閣僚や知事との後藤田議員のツーショット写真がここぞとばかりに散りばめられているのだ。

徳島再生、県政刷新に向けての決意が語られる形で、文章は締められている。しかし、県知事選挙に伴う駆け引きの裏で、ある“事件”も起こっていたという。前出の県連関係者が続ける。

「後藤田さんの地元後援会の幹部が、どうやら三木さんの陣営に移ったようなんです。同県でなおかつ、ライバル陣営に移るということは前代未聞で、思わず耳を疑いました。衆議院選挙で後藤田さんは票を落とし続け、前回はなんとか比例復活を果たした。次回は比例復活も危ないと言われるほど地元からの支持は離れていたんです。いまだ県連との溝は深く、県知事選挙は後藤田さんでも、三木さんでもない独自候補を出す可能性もある。その状況が面白くないのか、次回の県議選挙では自身の腹心4人を立候補させる動きもあるんです」

奇しくも自民党内でドロ仕合が繰り広げられることになったが、後藤田議員には強烈な援軍がいるという。それは、他ならぬ妻・水野真紀の存在だ。後援会の関係者によると、地元での水野真紀の人気は非常に高いという。

「後藤田さんが地元で挨拶回りを行う際、以前は水野さんも一緒について回っていたんです。’09年の衆議院選挙では、後藤田さんが危ないという声もあったなか、奥さんが首長周りに挨拶にいき、票がまとまったという逸話も残っているほど。政治家の妻としてはこれ以上ないほど完璧な存在で、むしろ自転車で応援に回る姿の奥さんのほうが地元では有名なくらいです。

近年は保育士試験の勉強などが忙しかったのか、前のように徳島に入る機会は減っているようですが、もし抜群の好感度を持つ水野さんも一緒に徳島で動くとなると、無党派層の票が確実に流れるでしょう。ただし、前回の衆議院では応援に入らなかったこともあり、県知事選挙では現場に入るかは読めませんね」

徳島の地で起きた保守分裂騒動は、コントロールが利かない自民党の現状をそのまま反映しているようにも映る。そして、その余波はまだまだ収まる気配はなさそうだ。

後藤田議員が配布した文書。著名人との写真がふんだんに盛り込まれている
後藤田議員が配布した文書。著名人との写真がふんだんに盛り込まれている
  • 写真(1枚目)共同通信社

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