「9割が病気」「酷寒も防寒着がない」兵士の不満爆発!窮地のプーチン大統領「予測される最悪の未来」
ロシアのSNS「テレグラム」には、ウクライナ戦線に送られた兵士たちの不平不満が溢れている。
〈酷寒にもかかわらず、毛布や防寒具もない〉
〈多くの兵士は寒さに耐えるため、アルコールを飲み過ぎている。そのまま寝て凍傷になる人も多い。医薬品が足りず部隊の9割以上が病気だ〉
不足しているのは防寒具や医療品だけではない。フランスのAFP通信は、米国のオースティン国防長官の談話としてロシア軍の惨状を伝えている。
「欧米諸国の制裁やウクライナ軍の最新兵器による武器保管庫への攻撃で、弾薬が圧倒的に不足しているようです。すでに前線への補給も途絶えがちだとか。オースティン長官によると、北朝鮮やイランからの補給がなければ年明け早々にも備蓄が尽きると考えられます。やむをえず、倉庫に眠っている40年以上前の古い砲弾を使う可能性もあるそうです」(全国紙国際部記者)
戦慄の2つのシナリオ
ロシア軍が頼みとする精鋭部隊も壊滅状態だ。
「プーチン大統領の信頼厚い『オリガルヒ(新興財閥)』のプリゴジン氏が創設した、民間軍事会社『ワグネル傭兵部隊』です。彼らの残忍さは有名で、ロシア軍の士気が下がっても活発に活動していた数少ない部隊です。
しかし12月11日、ウクライナ東部ルガンスク州のガイダイ知事はSNSでこう発表しました。〈ワグネルの本部があるホテルの攻撃に成功した。医療品や治療設備の欠如により、負傷者の半分は死亡すると予測される。ロシア軍にとっては大損害だ〉と」(同前)
武器弾薬もなく「ワグネル」は大損害――。英国国防省によると、ロシアがウクライナに奪還された地域を再制圧するのはほぼ不可能だという。反対にウクライナが全土奪還を果たす可能性もある。窮地に追い込まれたプーチン大統領はどうなるのか。ロシア情勢に詳しい、筑波大学名誉教授の中村逸郎氏は2つのシナリオがあると考える。
「1つは、やぶれかぶれの行動に出るとの見方です。米国の調査によると、武器弾薬が尽きつつあるロシアは来年1月末に最後の総攻撃に出るようです。しかし兵器の量も質も十分ではなく、陸や空からの通常攻撃ではウクライナにダメージを与えられない。
考えられるのが、首都キーウへの核攻撃です。最終手段である核兵器を使い首都を焦土にすることで、休戦にもち込むというシナリオですよ。プーチン大統領も今年10月に70歳になりました。平均寿命が65歳といわれるロシアでは、高齢の部類に入ります。焦りを感じたプーチン大統領が、やぶれかぶれの選択に出てもおかしくありません」
2つ目のシナリオは、プーチン大統領の命に関わる。
「暗殺です。プーチン大統領が核の使用を躊躇すれば、手ぬるいと考えた強硬派が行動に出るかもしれません。プーチン大統領は、これまで暗殺やテロを恐れ会議の大半をオンラインで行ってきました。しかし最近は対面での打ち合わせや、演台に立ってスピーチすることが増えている。暗殺されるのを覚悟しているようにもみえます」(中村氏)
年明け早々、プーチン大統領は運命の時を迎えそうだ。
写真:ロイター/アフロ