<figure id="attachment_28159" aria-describedby="caption-attachment-28159" style="width: 1000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="6bd703ac"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/01/70c9a8ba06442d1790455674aaca7b66.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-28159" class="wp-caption-text">欧州遠征直前の12月22日、札幌の大倉山シャンツェで取材に応じた小林陵侑(りょうゆう)選手。ジャンプ週間の前にすでに4勝を挙げてW杯首位に躍り出ていた</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「『ジャンプ週間』の価値って、日本の人に説明するのがすごく難しい。W杯より古くから開催されているという歴史だけでなく、敬意の払われ方が特別なんです。僕も欧州のメディアでは、ジャンプ週間の優勝者であるということがプロフィールに必ず書かれていますから」（長野五輪金メダリスト・船木和喜選手）</span></p>
<p>スキージャンプ界に最強王者が誕生した。1月6日、オーストリアのビショフスホーフェンで行われた「ジャンプ週間」の最終第4戦。ここまで3戦すべてで優勝してきた小林陵侑(りょうゆう)選手(22)が、この日も130m越えの大ジャンプ2本を揃えて優勝したのだ。4戦完全制覇=グランドスラムは日本人選手としては初の偉業である。ジャンプ週間直前に小林選手を取材したスキージャーナリスト・岩瀬孝文氏は言う。</p>
<p><span class="strongInContent">「12月末に取材したときから静かなオーラに満ちていて、4連戦全部勝ってしまうような雰囲気がありました。小林選手は、よく会話の中で&#8221;自然体&#8221;という言葉を使うんですが、ジャンプの動作にしても心の持ち方にしても、今季は本当に自然にできている。一方、完全敗北した欧州勢は彼の一挙手一投足をいま必死で研究していますよ」</span></p>
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<h2>賞金がスター選手を作る</h2>
<p>ジャンプ週間では、長らくグランドスラムが達成されなかったことから7年前の60周年大会では、100万スイスフラン（約1億1000万円）の特別ボーナスがかけられた。だが今大会、史上3人目となった小林選手のグランドスラムに特別ボーナスはなく、ジャンプ週間で得た獲得賞金は合計で800万円にも満たない。</p>
<p><span class="strongInContent">「欧州の選手は、W杯の賞金とは別に、1勝するごとに所属クラブチームの契約スポンサーから高額な報償が出るんです。スキークラブが野球選手のエージェントのような働きをしていて、スポンサーを集める。スター選手が出ればクラブ収入も増えて若手の育成費用にも回すことができますから、クラブもスター選手を作ることに熱心ですし、子供たちも選手に憧れますよね。日本には残念ながらそういうシステムがない。お金のために競技をしているわけではないけれど、もうちょっと勝利の対価を得ることができるといいんですが」（前出・船木選手）</span></p>
<p>昨年、マラソン日本記録更新では1億円のボーナスが出て話題となったが、小林選手の偉業もそれに劣らない。夢がなければスターは生まれないのだ。</p>


岩瀬孝文

欧州遠征直前の12月22日、札幌の大倉山シャンツェで取材に応じた小林陵侑(りょうゆう)選手。ジャンプ週間の前にすでに4勝を挙げてW杯首位に躍り出ていた 「『ジャンプ週間』の価値って、日本の人に説明する

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