【試し読みつき】ゾワッとするのに愛らしい…!『猫を拾った話。』のかわいさ×ホラーがクセになる | FRIDAYデジタル

【試し読みつき】ゾワッとするのに愛らしい…!『猫を拾った話。』のかわいさ×ホラーがクセになる

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ある日仕事帰りに猫を拾った。まだ小さく、弱っていて、だけど懸命に生きている。

不慣れだけど一生懸命面倒を見た結果、少しずつ回復していっている。良かった、このまま元気に育っていってくれるといいな……。

でも、「猫だ」と思って拾ったこのコ、どうも “猫じゃない”みたいだ。

――そんな衝撃の展開から始まる、一風変わったペット漫画がある。

漫画『猫を拾った話。』は、正体不明の巨大な生き物と、飼い主の男性との共同生活を描いた作品だ。

『猫を拾った話。』1巻書影(講談社)

同作は、動物用健康補助食品を開発しているミヤリサン製薬のウェブサイト「HuPele(ヒューペル)」にて連載中で、12月14日に単行本4巻が発売された。寺田亜太朗さんがSNS上に投稿した漫画が、原作担当の本多八十二さんの目にとまったのが連載のきっかけだったという。

主人公のイガイは普通のサラリーマン。幼い頃から動物は全般苦手で、どう触っていいかわからないし、好き好んで動物と接する意味がわからない。それに今は仕事や生活で手一杯で、動物にまで気を配る余裕なんてないし、「俺は猫とか拾う人間じゃない」と自負していた。

そんな彼がある雨の日、道端でびしょ濡れになっている仔猫と出会う。一度は無視するものの、みすぼらしいその仔猫を小学生たちがはやしたてる声を聞いてハッとする。「そうか、今俺が見捨てたらこいつ、死ぬんだな」――居ても立っても居られなくなったイガイは、その仔猫を保護。責任を持って飼うのだが、どうもこの猫、様子がおかしい。

イガイの庇護のもとですくすく育つ”ねこ”だけど……なんだか思ったよりデカい……? /『猫を拾った話。』

姿形は猫に似ているし、毛並みは柔らかくモフモフだけど、拾って一か月で虎以上の大きさにまで成長。三本足で、しっぽの先は指のように細かく枝分かれしていて、顔の真ん中には巨大な目が一つ。

どう考えても「猫じゃない」のに、イガイが寝ていると足でふみふみしてきたり、箱の中に収まるのが好きだったりと、行動は「猫」のそれなのだ。

「俺はなにを拾ってしまったんだろう?」「本当に地球上の生き物なのか?」と当惑しながらも、自分に懐き、信頼を寄せてくれるその生き物がかわいくて、「ねこ」と命名したその巨大生物にイガイは愛情を注ぐのだった……。

イガイを夢中でふみふみする”ねこ”。イガイもまんざらでもなさそう/『猫を拾った話。』

漫画担当の寺田さんは、「元々生き物全般が好きだったのと、『すこしふしぎ』という意味合いでのSF好きだったのもあり、『拾った何かが得体の知れないものになっていくのは怖いな』と思ったのがこの漫画を描いたきっかけです」と語ってくれた。

多くのエンタメ作品に影響を与え、近年ではTRPG(※テーブルトークRPGの略)でも人気を博している「クトゥルフ神話」や、都市伝説や現代ファンタジーをテーマに、一般ユーザーが超常の物品・存在にまつわる物語を投稿する共同創作サイト「SCP Foundation」も昔から好きだそうで、妖怪にまつわる本などもよく読んでいるという。

「ストーリーについては基本的に原作の本多先生にお任せしていますが、『猫あるある』な共感に加え、未知のものに対するホラー的要素も入っていたらいいなと思い、その両方を意識しながら描いています」と語る寺田さん。

確かに、巨大だけど愛らしい“ねこ”の姿に「かわいい!」とほっこりする気持ちと、時折見せる“猫じゃない”部分に「ひぇっ……!」と少しゾワッとなる気持ちが交互にやってくるのが、同作の魅力でもある。

イガイの隣でのび~~っとする”ねこ”。愛情いっぱいのイガイの眼差しにグッとくる(でもこの後まさかの展開に……)/『猫を拾った話。』

そんなフィクションとしての面白さだけでなく、実際の猫の生態や、飼い主の心得、生き物を拾って飼う責任などについても作中ではしっかりと描かれる。

「自分自身生き物が好きなので、ペット漫画風の文脈をお借りしている以上、保護の面でも生物多様性の面でも現在『良い』とされている適切な状態を描くのがいいと感じています。実際にたくさんの猫を保護されている本多先生に原作として関わっていただけているので、とても頼もしく、嬉しく思っています」(寺田さん)

不思議な生き物、“ねこ”との暮らし。作中ではもう一匹の謎生物“すねこ”も登場し、キャラクターも増えて最新4巻時点で益々にぎやかになってきている。

飼い主にたっぷり愛され、幸せそうに生きている“ねこ”と、そんな“ねこ”に癒しと元気を貰っているイガイ。その心温まる共同生活を今後も見守っていきたい。

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