すしざんまい・木村社長が語った「マグロ王伝説」ウソとホント | FRIDAYデジタル

すしざんまい・木村社長が語った「マグロ王伝説」ウソとホント

「マグロ解体ショー」で指がちょん切れた? 「24時間営業」開店当初はガラガラ?

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『喜代村』本社の社長室で取材に応じる木村社長。社長室はガラス張りで外から見えるようになっている
『喜代村』本社の社長室で取材に応じる木村社長。社長室はガラス張りで外から見えるようになっている

「今年はなんとしても初競りの一番いいマグロをウチが落としたかった。昨年は豊洲も築地も元気がなかったので、これで盛り上げたい一心で落札しました」

こう笑顔で話すのは、人気寿司チェーン『すしざんまい』を全国に展開する株式会社『喜代村(きよむら)』の木村清社長(66)。今年の豊洲市場初競りで過去最高の3億3360万円で大間の本マグロを落札した。

木村社長は「マグロ大王」として年初には必ずと言っていいほどメディアに登場する。その強烈なキャラクターのせいか、彼にまつわるエピソードは数多い。いわく、「すしざんまい開店当初はガラガラだった」、「銀座のホステスが夜な夜な来て食べさせて貰っていた」、「マグロ解体ショーで指を切ってしまった」などなど……。そこで真偽を本人に直撃した。

「たしかに『すしざんまい』1号店は、24時間・年中無休で開店しましたが、深夜は当初見込んでいたトラック運転手が全く来ず、ガラガラでした。そこで、バブル時代にお世話になっていた銀座のママたちの店に、名刺とお店のパンフレットを持って『アフターでお客さんを連れてきて』とお願いしてまわった。するとママたちが、毎夜競ってお客様を連れてきてくれたんです。もちろん、ちゃんとお代は支払っていただいていましたよ」

では解体ショーで大怪我したという話はどうだろう。

「新店がオープンする際に毎度私がサービスとしてやっているのがマグロの解体ショーです。昔から手先は器用だったもので、魚屋や仲買に行ったときに『手伝ってやるよ』ってさばいたりしていました。使うのは包丁ですから、手を切ったりするケガは何回もあります。でも、ショーを喜んでくれるお客さんのことを考えたら痛くもありません。『心頭滅却すれば火もまた涼し』ですよ」

と手を隠すでもなく、苦笑いしながらこう答えた。

波瀾万丈な人生を歩んできた木村社長は、寿司店開業の前にもこんなエピソードを持っている。

「弁当店、カラオケ店、レンタルビデオ店など、様々な業種・業態の事業を手がけました。実は日本で初めてレンタルビデオ店を始めたのは私なんです。今では大手となっている会社にレンタル事業についてのイロハを教えたりもしましたよ」

もちろんすべてが順風満帆だったわけではない。銀行の担当者にだまされ、経営が苦境に陥ったこともあった。事業を次々に替え、ついに今のビジネスモデルにたどり着いたのだ。これだけ名が売れれば、もう桁外れの競りに参加する必要はないだろう。それでも彼の心を突き動かすものとは何なのか。

「根底にあるのは、『良いものはみんなで分かち合う』という幼少期の母の教えです。父を交通事故で亡くし、貧乏だった5~6歳の頃、母が法事からマグロの切り身2切れを持ち帰ってきた。それをさらに切って4切れにして、家族4人で食べたことが忘れられません。だから、マグロの初競りを終えた後はできる限り安価で多くのお客様に食べていただき喜んで貰いたいんです」

「マグロ大王」木村社長の伝説はこれからも増えそうだ。

’19年1月5日、豊洲市場にて3億3360万円で落札された初競りマグロをさばく木村社長
’19年1月5日、豊洲市場にて3億3360万円で落札された初競りマグロをさばく木村社長
本誌未掲載カット
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  • 撮影小松寛之(1枚目写真) 蓮尾真司(2枚目)

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